大谷翔平を見に女1人でアメリカへ飛び、ラスベガスで財布を落とした話〜ラスベガスでマリファナ副流煙編〜
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長いフライトを経て、無事ロサンゼルス国際空港に到着。ここで最初の難関・入国審査が立ちはだかる。
英語がまともに話せない私にとって、ソロ入国審査はハチャメチャにハードルが高い。別室に連れて行かれたら間違いなく漏らす。
なので、YouTubeでめちゃくちゃ予習した。
「日本のパスポートは最強だから、1問くらいでパスできる」とどこかで聞いていたので、アホみたいに緊張はしなかった。
はずだった。
「渡航目的は?」
うんうん、鉄板のやつね。
「滞在日数は?」
1問だけで終わらないんかい。
「現金いくら持ってきた?」
いや、バリ聞かれるやん。
みなさんはハワイ入国拒否事件をご存知だろうか。
日本の女性インフルエンサーがハワイに1人で入国しようとし、売春を疑われて入国拒否された事件(?)のことである。
どうやらアジア人女性の売春が多すぎて、日本のパスポート最強説も過去の話となりつつあるようだ。
女性1人の入国は特に警戒される上、ロサンゼルス国際空港はひときわ厳しいらしい。詰んでないか?
ここで、私の入国時の格好を見てみよう。
売春婦よりも、強盗犯に向いていそうな格好である。
この服装が功を奏したかは分からないが、特に詰められることもなく入国審査を通過することができた。
さて、ロサンゼルスに到着したわけだが、この日の目的地はアナハイムではない。グランドキャニオンの現地ツアーがラスベガス発のため、乗り継ぎでラスベガス空港まで向かう必要がある。
ここで問題なのは機内手荷物。
ロサンゼルス−ラスベガス間は1時間ほどのフライトのためか、機内手荷物が制限されている。私が持ち込んだ機内手荷物に収まるサイズのスーツケースでさえ、追加料金が50ドルほどかかってしまう(たけぇ…)。
「ロッカーに入れておけばいいのでは?」と思われるかもしれないが、アメリカには基本的にロッカーが存在しない。空港の手荷物預かりサービスも存在しない。おそらく、テロ対策だろう。
流石に50ドル支払うのは癪なので、民間の手荷物預かりサービスを利用することにした。電話をかければターミナルまで迎えに来てくれるらしい。
私はアメリカ人はおろか日本人が相手でも、電話は大嫌いだ。うまく聞き取れないし、相手の表情も見えないし、どこか孤独感がある。電話をかけずにしばらくウジウジしていたかったが、先方に到着時刻を伝えていたので連絡しないわけにもいかなかった。
意を決して電話。ちなみに、SIMはこちらを使用した。
私「Hello?」
相手「▲☆=¥!>♂×&◎♯£?」
は?これ英語?
正直、単語1つ2つ聞き取れればノリで意思疎通ができると高をくくっていた。だが、本当に何を言っているか1単語も分からない。
私「Sorry?」
相手「◎△$♪×¥●&%#!」
詰んだ。
振り返ると、この相手はアメリカ渡航生活の中でもダントツで英語が聞き取れない人だった。早口なのか、訛りなのか、それすらも判断できない。
なんとか「メールで連絡してくれ!」という言葉は聞き取れたので、以降はDeepL翻訳を使ってメッセージのやり取りをした。
(英語が通じないだけでなく、デカすぎる空港で迷子になり結構な迷惑をかけてしまった)
相手、怒ってるだろうな…。とビクビクしながら待ち合わせ場所で待機。
そこから出てきたのは…
ドジャースのユニフォームを着た陽気なおっさんだった。
申し訳なさすぎたのでチップを倍々増しにして渡したら、更に陽気になって去っていった。
彼は大谷がドジャース入りして喜んでいるだろうか。
無事(?)にスーツケースを預けたので、ラスベガス行きの便に乗るために保安検査会場へ向かうことにした。
入国審査に通ったから大丈夫やろ。早くも調子に乗り始めた私は、特にビビることもなく会場へ向かった。
めちゃくちゃ厳しいやないかい。
靴は脱がされ(そのまま土足で歩かされたことに文化の違いを感じた)、ズボンの紐(アジャスター)までチェックされる。
逆に日本の検査ってアレでいいんだろうか?と不安になってくる厳重さだ。
極めつけは手荷物検査。
ビリーズ・ブート・キャンプのビリー隊長!?
誇張なしに、このガタイの黒人が真顔でこちらを見つめているのである。漏れる。
「Open up your bag.」
「はい」
ビビりすぎて咄嗟に日本語が出てきてしまった。当然、怪しいものなど何一つ入れていないが、この状況を想像してみてほしい。普通にビビるって。
ところが、私がリュックを開けるや否や
「フンフンフンフン〜♪」
鼻歌を歌いながら、ノリノリで中身をチェックし始めた。
「ウンウン…オッケー☆」
ビリー隊長が笑顔でこっちを見てくる。アメリカの洗礼を浴びた気がした。
さて、フライトまではまだまだ時間がある。小腹が空いたので軽食を買うことにした。
サラミといちごミルクを購入。めちゃくちゃ体に悪そうな見た目をしているが、味は日本のサラミの方が体に悪そうな気がする。
アメリカのサラミはザ・肉という味で、良くも悪くも素材の味が活かされている。慣れているからかは分からないが、日本の方が美味い。
一方のいちごミルクはチュッパチャプスのいちごミルク味を液体にしたような味がした。不味いわけではないが、破茶滅茶にクドい。あの味はチュッパチャプスのサイズだから許されるものだったことに気づかされた。私はこのアメリカ旅行で、こういった類のドリンクを買うのはやめようと誓った。
床に散らばる食べカス、輪になって踊る人々、爆音でロックを聴く男性など、文化の違いに驚きながらも無事ラスベガス空港(ハリー・リード国際空港)に到着することができた。
ラスベガスはまさに異界の地だった。なんといっても、空港にカジノ(スロットマシン)がある。
ジャ◯ラーやG◯Dを彷彿とさせるスロットマシンが立ち並び、思わず座ってしまいそうになるが、ここでスロットを打ってはいけない。空港のスロットは還元率がクソだからだ。
後ろ髪を引かれながら空港を後にし、迎えの車に乗車。今回はグランドキャニオンのツアーに参加するため、空港送迎とグランドキャニオンツアーがセットになったプランを申し込んでいた。
ツアーの出発までは4時間ほどある。ラスベガスのメインストリートを案内してくれるとのことで、まずはかの有名なラスベガスサインに向かった。
道中、小型飛行機が大量に保管されているエリアを通過したが、これらはお金持ちたちのプライベートジェットらしい。すごいね。
ラスベガスサインの周りは思ったより暗く、私たちの他に男性3人組がいるだけだった。兄ちゃん達と写真を撮り合い、ラスベガスの風を浴び…
うーん、なんか臭う。
タバコでもない、嗅いだことのない香り。何かを燻したような、しかし良い香りとも言えない、なんとも形容し難いスメル…。
よく分からんけども、旅行先で嗅いだことがない香りに出会うことはそれほど珍しくもないのでスルーした。
車に乗り込み、ラスベガスのメインストリートを往復。マジで異世界。広い道路を駆け抜けるパトカー、ギラギラしたイルミネーション、0時を過ぎても活発すぎる人々。どれを取っても日本には存在しない世界が広がっていた。
その光景に衝撃を受けていると、運転手のおばちゃんから忠告があった。
「こういう広い道は警察も見てるし安全だけど、細い道は絶対行っちゃダメ。ヤバい人は見た目で分かるから近寄るべからず」
見た目で分かるかよ!とその時は思っていた。
「ネバダ州は大麻も合法だからね。ホント気をつけるんだよ」
「あ、もしかしてさっきの香り…」
「ん?なんか臭いした?多分マリファナだね!ハハハwww」
私はマリファナを副流煙した女になってしまったのだった。