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ハンディキャップとは

世界保健機関(WHO)は、1980年に障害の分類として、個人の機能障害(inpairment)、そのために生じる機能面の能力障害(disability)、その社会結果である社会不利(handicap)という3つのレベルを示した。ハンディキャップは個人の要因ではなく、社会的な仕組みや価値観、物理観、物理的な構造から生じる不利な状態を指す。つまりハンディキャップは社会環境が変化することで増滅する。近年、バリアフリーの推進という理念で、ハンディキャップ低滅が推進という理念で、ハンディキャップ低滅が目指されている。WHOの障害の3レベルは社会的不利の視点が弱いといった指摘がなされ、2001年の総会で国際障害分類第2版として、環境因子と個人因子の2つが心身機能、身体構造、活動、参加の各次元に影響を与えるちうモデルが提示された。
(中谷茂一 聖学院大学助教授/2007年)


サイレントハンディキャップとは

ネットより意味を抜粋しますと、多汗症に悩む方々が自身の状態を医療専門家に話すことは滅多にありません。このことから、多汗症は「サイレント・ハンディキャップ(沈黙の障害)」とも呼ばれています。

皮膚科専門医であっても、多汗症に対する知識を持った方は少ないことが現状らしく、それは多汗症の悩みが完全に取り払われる方法がないのです。

私個人も気づいた時には手の平と足の裏から、とんでもない量の汗をかいていました。親にも気持ちが理解されにくい状況でありまして、多感な高校生時代に両親に必死に悩みを訴えた所、地元の大学病院皮膚科に受診しましたが、有効な治療法が分からず、当時の皮膚科医師は向精神薬を処方してきました。私(今から30年も前のこと)が通っていた高校では、文化祭にを異性と手を取り合ってフォークダンスをするという慣習がありまして、練習も含めて有無を言わさず強制参加でした。高校の各出入口では教師が生徒が出ていかないように見張りをつけるという厳重体制を敷くほどです。私ほどの悩みでなくても参加したくない生徒が毎年、何人かいたとは聞いていましたが、そこまでするとは・・・言葉も出ませんでした。当時はインターネットで調べるどころか、携帯すらない時代です。向精神薬の意味も分かりません。藁にもすがる想いで内服しましたが、何も効果はなく、ただ意識が朦朧としてフラフラするだけのものでした。結果は散々で異性の子たちは誰も手を握ってくれません。それもそのはず。手の平からは滴るほどの汗が出ているからです。(一人だけ手を握ってくれた同クラスの天使はいました)

またある日、体育館に全校生徒が集まる機会があった時、何気に自分の学年クラスの列を探していると、別クラスの女子が私の存在を確認するなり、「あ、手汗や!!」と心の声がうっかり漏れてしまい、私と視線が合ったのです。次の瞬間、その女子はバツが悪そうに私の視界から消えていきました。30年が経過した今でもその瞬間は忘れません。その頃より私は人との距離を更に取るようになっていきました。

 現在、私は鬱病とhsp(簡単に言うと極端に繊細で敏感、心配性)を持っていますが、多汗症との関係性があるのかは分かりません。

 そんな私でも、今では優しく頑張り屋な奥さんと優しい子供たちを2人授かりました。一姫二太郎です。


そのうち
長女も同じくハンディキャップを持っています。多汗症ではないのですが、先天性の右耳小骨欠損症という病気です。
現在は手術でかなり回復はしていますが、健常な状態ではありません。
多汗症と同じく、一見しても障害は分からないのは私と変わらないです。
私と同じ悩みや苦しみを持っており痛いほど共感できます。

すみません。
娘の耳の障害についてはこの辺で終えますね。
私自身が悲しく追い込まれていくので。


多汗症の治療法は?

 従来の治療法に関して原発性局所多汗症診療ガイドラインではエビデンス(※1)に基づいて、診療アルゴリズム(下記の図1~3)が作られています。それによると塩化アルミニウムの単純外用/密封療法は手の平、足の裏に対して第1選択で、腋窩については単純外用が有効です。副作用としては刺激性皮膚炎があるものの、治療の休止やステロイド外用といったことで対処できます。イオンフォートレシス(※2)は手の平、足の裏には有効な治療法で塩化アルミニウム外用療法と同じく第1選択の治療法です。

(※1):仮説の検証結果、効果を証明するもの

(※2):汗の多い手のひら、足のうらを水道水の入った容器の中に浸し、10~20mAの直流電流を流す方法です。手のひらを主な治療部位にする場合は手のひらを陽極にし、足のうらを陰極にします。電極の上にスポンジを乗せ、手のひらを密着させ手足が水に沈んでしまわない程度に水道水を入れます。1回30分の通電を8~12回行うと汗の量が減ってきます。治療効果を維持するためにはその後も1週間に1~2回行ったほうが良いでしょう。作用機序として通電することにより生じる水素イオンが汗の出口を障害して汗を出にくくするのではないかといわれております。腋窩の多汗症には治療方法が難しく効果的ではありません。

 第2選択の療法は腋窩、手の平、足の裏全てにA型ボツリヌス毒素(BT-A)の局所駐車療法です。ボツリヌス毒素局注療法は、腋窩に対して欧米では非常に推奨度の高い治療ですが、本邦においては現時点で保険適応外です。手の平、足の裏には欧米でも保険適応にはなっていません。その理由として、施術の際の疼痛コントロール法、重症度に応じた投与単位数に決まった見解がまだ十分に得られていないことが挙げられます。

 第3選択療法は手の平の多汗症のみ内視鏡的胸部神経遮断術(ETS)があります。ETSは手の平の多汗症に対して他の治療法で効果がない場合適応となりますが、手の平以外からの多汗(代償性発汗)をはじめとした合併症の対策が必要です。

 この他に、併用療法として神経ブロック、および内服治療法などがあります(抗コリン薬の内服等)。現代の情報はネットからも集められ、自分の悩みや症状に合わせて検索されると良いと思います。

図1 原発性手掌多汗症における診療アルゴリズム

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図2 原発性足底多汗症における診療アルゴリズム

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図3 原発性腋窩多汗症における診療アルゴリズム

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原発性局所多汗症診療ガイドライン(2010)より引用


治療を受けて

 私個人は今から約25年前に両手ETS術を施し、手の平の汗はかなり改善しましたが、胸より上の汗腺を止めてしまったので、腹部以下からの代償性発汗という副作用との闘いと、足の裏は未だ治療は行っていません。代償性発汗も正常な方からは想像しにくいとは思うのですが、気温や湿度の高い日、辛い物を摂取、運動や緊張後等は、たとえ速乾性の生地シャツであっても乾く時間を与えてくれないほどの量です。もしETS術を考えているのであれば、この副作用は必須であると覚えておいて下さい。ETS術を行ってしまうと、二度と元の状態には戻れない為、他の治療法がない場合の最後の手段にすべきと強調する医師もいらっしゃいます。またこの代償性発汗で障害厚生年金3級を受給に至った方の例もあるそうです。


 これが完治が難しいにもかかわらず、症状の深刻さは知られていない。普通に汗っかきと括られてしまい、なかなか言い出せないサイレントハンディキャップの現実です。
 一見して普通に見えますが、常に自分の汗で周囲が臭いや外見も含めて不快にならないであろうかと考えてしまい、緊張と不安、自分自身の不快や時には滑って転倒するリスクと共に生きていくことを強いられます。


最後に

 最後に言わせていただきたいのは、他の障害を軽んじたいわけではありませんし、自分の不幸を売りにしたいわけでもありません。
バリアフリー化や障害に対しての視点は本邦でも進歩していると思います。
が、
右利きの自分が、左利きの人の利害を日常の中で、自分のことのように考えることは困難なのと同様に、完全な気持ちの共有は無理であると思います。
(うちの奥さんは元々左利きなので、ふとした奥さんの一言に気づかされます)
他者からすれば、そんな些細な事と感じられるかもしれません。
それは生まれた環境も違えば、十人十色であって仕方がないこと。

ただ人々の意識の共有ができればもっと相手のことが伝わるし、争いも起こらないのにな...と考えてしまいます。
言語だけではやはり限界がありますね。


 ハンディキャップを背負ったマイノリティな世界の認知度を高めたく、この記事を投稿させていただきました。


 ここまで読んでいただきありがとうございます。


 今回、2回目のnote投稿となりました。毎回投稿する度に書くかもしれませんが、私には文才がありません。そして早くも初回投稿で宣言していたプチシリーズ投稿の縛りを破るという、一本の芯が通っていないブレブレの私ですが、気が向いたら次回もいらして下さいね。


 少しでもこの世の中がマイノリティの人にもスポットが当たり、ノーマライゼーションの社会に近づきますように・・・




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