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我々は歩いていた。サクサクというよりかはスルスルという感じだ。 歩いていたのは6人だったか、8人だったか、場合によってはもっといたかもしれない。ただ、あの時の記憶、脳内で再生される映像はとても不鮮明で、正確な人数や、他に誰がいのか、はっきりしない。私たちは何故か、集団でその街を歩いていた。 胸のあたりに居座る、べったりとした不快感。見慣れないこの街を歩くのは快いことではなかった。普段、私は寧ろそのような状況を楽しめるはずなのに、その時はさほども楽しいとは思えなかった。