自虐

「甲斐性無し」

そんな言葉を

私は使った事はない。

私の母親からも

聞いた覚えは一度もない。

たとえばの話で

喧嘩した時に

自分のパートナーを

罵ったり、

同性同士の

愚痴大会で

出てきたりするのかな。

自分の選んだ夫の

収入について

不満を爆発させた

妻が発したりするのかなぁ

…なんて想像してみる。

私はハナっから

パートナーに

養ってもらおうとか、

頼りにして

一緒になったワケじゃない。

ひとりで頑張っている

同居人を

支えたいって思ったから。

それから、

『子供が欲しい』

そう言う同居人の

望み通りに、

子供と接するのは

得意じゃない、

骨折も入院した事もない

健康だけが取り柄の私が、

史上最大級の痛みを

乗り越えて出産した。

同居人が望むことを

否定する事なく

サポートして、

私は叶えてきた。

そろそろ　いいよね。

かなり

頑張ってきたよ…私なりに。

これ以上、

心を削って

飛べるはずの

羽をもぎ取りながら、

側で家庭を温め続ける

余力が私には無い。

自分が心から望む

幸せって何なのかを、

もう一度

ちゃんと考え直したい。

記憶が１６年前に遡る。

「甲斐性のない　わたくしが…」

披露宴で

新郎のスピーチの

出だしがコレだった（冗談抜きで）

同棲してた小さなハイツで

当日の主役である同居人が

何回も練習してるのを

連日聞いてたから、

こっちが覚えたわ。

要約すると、

（こんな甲斐性のない自分ですが

皆さまのお陰で

こんな盛大にお祝いしていただいて

心から感謝いたします。）って内容。

あれって

謙遜じゃなかったんだね。