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「リスタート」 1年 奥原心里

「リスタート」
1年 商学部 奥原心里

この部活に入って早くも2ヶ月が経った。選手たちが熱心にプレーする姿、監督やコーチが一生懸命に指導する姿、そして学生スタッフがチームを支える姿。その全てを見ていると、何か懐かしい気持ちがこみ上げてくる。

家族の影響で保育園から高校までプレイヤーとしてサッカーを続けていた私は、大学に入ってもサッカーを続けるか否かを考える時間が増えていた。小学校までは女子でサッカーをしている人が珍しいからどんなに下手でも褒められることが多かった分、中高で出会った自分より遥かに上手い選手を見て、自分の実力の無さに痛感する日が多かった。だから大学ではどんなに下手でも自分のプレーに自信が持てるくらい努力して、サッカーと向き合いたいと思っていた。

しかし大学に入り、女子サッカーを続けられる環境がないことがわかった時、高校まで何不自由なくサッカーを続けられたことが当たり前ではなかったと気づいた。毎日練習できる場所があること、チームメイトがいること、サポートをしてもらえる環境にあること、この他にもあらゆることへの価値を実感させられた。この時、以前から少し考えていたマネージャーという役職により興味が湧いてきた。自分がこれまで受けてきたサポートを今度は自分がサポートする立場に周り、チームに貢献する形でサッカー続けるのも悪くないのではないかと考え始めた。

しかし、プレイヤーとしてサッカーから逃げることになるのではないかという思いもあったし、大学でサッカー部に所属するということは今までより足枷が増えることも理解していた。自由度が増したことで、友達と比べて感じる制限が増えること。そして父親や兄の知り合いがいる環境であるから「父の娘」や「兄の妹」として見られる機会が今まで以上に増えることに対しても入部することに葛藤を抱いていた。

そんな中、まだ定まらない気持ちでサッカー部の相談会や体験入部に参加してグラウンドの雰囲気を見た時、やはりこの環境が私の性に1番あっていると肌で感じた。試合に勝つため、自分の能力を示すために毎日練習に来て努力をしている選手の姿やその選手を色々な方向から沢山の人が支え合っている景色を見て純粋に入りたいと思った。さらに、自分がプレイヤーとしてでは味わうことが出来なかった強度の高いチームの一員になれるということが本当に魅力的に感じた。だから私は入部を決断した。

サッカー部に入部して2ヶ月が経った今、色々感じていることがある。マネージャーという仕事は他の役職に比べて専門性が低いため、私がマネージャーをやる意味をチームに残しにくいと感じている。しかし、4年後には自分の存在意義を証明できるように、日々謙虚に努力してチームに必要とされる存在になりたい。今はまだ、自分の視野の狭さや仕事の効率の悪さにもどかしさを感じているが、これからどんな小さなことでも丁寧に取り組み、自分にできることを最大限に発揮することで、4年後には自分の成長を実感して誇りを持ってこの部活に貢献したと言えるようになりたい。


◇奥原心里(おくはらここり)◇
学年:1年
役職:マネージャー
出身校:大妻多摩高校

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