見出し画像

「最高な中大ファミリーのみんなへ」 4年 猪越優惟

「最高な中大ファミリーのみんなへ」
4年 商学部 猪越優惟

自分はみんなにとってどんなキャプテンでしたか?

チームのことを考えると同時に自分の進路の心配もしなけれければいけない。今まで感じたことのないプレシャーが自分を襲ってきた。「4年目は今までとは違うよ」という話は先輩からよく聞いていたが実際に4年生にならないとわからないことの方が多かった。

チームのこれからを考えるミーティングを重ねていくうちにチームはいい方向に向かっていると感じていた。今年のスローガンを決める話し合いでスローガンは、「LOVE中央」に決まった。意味は、「中央大学は、チームの為に身を粉にできるような選手の集団であると共に互いに応援し、勝利の喜びを分かち合えるようなチームを目指す」というもので、自分たちの代らしいとても良いスローガンだと思った。このスローガンに決まったとき、もう一つ思ったことがあった。自分が1年生のときのチームは結果も出ず各々が別の方向を向いている、まるでバラバラなチームだったように感じた。そんなチームが自分は嫌いだった。今年の選手には、自分のようにチームのことを好きになれなかった人が一人でも減って欲しい。そんな思いもこのスローガンに乗せた。


しかし、実際にシーズンが始まってみるとリーグ戦8試合勝ちなし、降格間違いないといった最悪の状況。重なっていく勝利へのプレッシャーで体は思うように動かない。空回りしていく行動。何もかもがうまくいかない最悪の時を過ごしていた。その中で行われた第9節の関東リーグ。アミノバイタルカップへ勢いをつけるためになんとしても勝たなければいけない状況。正直不安しかなかった。その日はとんでもない暑さの中で行われた試合だった。緊張、不安、プレッシャー、最悪の結果が頭をよぎる中始まった試合。始まってみて驚いた。そんなことを思うのが恥ずかしいと思うほど凄まじい応援が自分たちの背中を押してくれた。自分だって試合に出られず悔しい思いをしていて、こんなに勝てない状況で、こんなにも暑い中で、こんなに素晴らしい応援ができるのか。本当に奮い立った。そして、その試合を勝つことができた。続くアミノバイタルカップではこの試合以上の応援だった。特に総理大臣杯の出場をかけた筑波大学戦の応援は今でも鮮明に思い出す本当に凄いものだった。応援でここまで力が出たのは初めてだった。この応援があれば負けるはずが無いと思うほどのものだった。この試合をPK戦で勝ち、5位で10年ぶりの総理大臣杯出場を決めた。試合が終わった後のみんなの笑顔を見たとき喜びが込み上げてきた。ここを皮切りにチームは立て直し、一部リーグ残留することができた。シーズンを通して凄すぎる応援だった。間違いなく全員で掴み取ったものだった。みんなが意識していたかわからないが、応援をピッチで聞いていた時、「LOVE中央」のスローガンにして良かったとつくづく思った。本当に最高のチームだ。今シーズンの経験を得て中央大学サッカー部を好きになって欲しい。


山梨学院との入れ替え戦の後、残留できた安堵とは裏腹にみんなを総理大臣杯の決勝でユアスタに連れて行きたかったし、インカレにも出場したかったという後悔が自分の中にあった。結局、1年間みんなに助けられてばかりで自分や自分のカテゴリーのことで精一杯になってしまった。選手、キャプテンとしての力の無さを痛感した。しかし、今となってはどれも叶わないものだ。だが、幸いなことに自分のサッカー人生はまだ続く。これからのサッカー人生の中で、みんなに勇気や希望を与えられるよなサッカー選手になり、みんなに恩返ししたい。だからみんなにはこれからの自分を見ていて欲しい。そして活躍したときには自慢して欲しい「あいつは俺らのキャプテンだ」って。


◇猪越優惟(いのこしゆうい)◇
学年:4年
ポジション:GK
前所属:帝京長岡高校
※2024シーズン 清水エスパルス加入内定

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?