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円形足場とは?組み立て方や注意点を解説 2023/10/24

私たちが普段目にする建物のデザインは、その多くが直線的なデザインです。直線的なデザインは、建物をつくりやすいということ以外に、容積を大きく取れるメリットがあります。

一方、代表的なものとして石油タンクやガスタンクなどの用途を重視した構造物では、曲線的なデザインが採用される場合があります。石油タンクやガスタンクは、外気の温度により内容物が膨張することがあるため、その圧力を均等に受けられる丸い形となっています。

またホテルや商業施設などにも曲線を活かしたデザインが多く見られるようになりました。これら円形状の構築物を建設する場合においても、足場が必要となります。

今回は、これら円形状の建築工事に利用される円形足場について解説します。


1.円形足場とは

一般的な足場は、最長1800㎜から300㎜刻みで直線的な形状のため、円形状に足場を組む場合は、直線的な足場板を細かく組み合わせなくてはなりません。

円形の構造物に対して足場を組む場合は、建物の外壁を傷つけずに直線的な板を円形に設置し、さらに安全性を確保しながら作業性を上げることができるかどうかが重要です。

2.円形足場の組み立て方

円形足場を組み立てる上で問題となるのが、直線的な足場資材をどのように円形状に構成するかということです。ここでは、円形足場の組み立て方について説明します。

2-1.円形足場ではCADを利用し割り付けを行うと便利

円形足場を組み立てる準備として、足場の割り付けを行います。通常の足場であれば、割り付けは構築物の図面から計算することができますが、曲線的な構築物の場合は計算だけで足場を割り付けることは難しいでしょう。

複雑な曲線に対して足場を割り付ける場合は、CAD(Computer Aided Design)を利用すると便利です。CADとはコンピュータ支援設計と言われる、コンピュータ上で図面を描くソフトウェアのことです。

CADに図面を読み込み、円形状の外壁に対して既定サイズの足場板が接線と平行になるよう設置することがポイントです。

CADを使うことで、図面上に描かれている円弧に対して簡単に接線を引くことができ、足場板の中心が接点になるよう配置することが可能です。

配置した1枚目の足場板を基準に、建物を囲うように割り付けを行います。2枚目以降は建物側の角部が隣の板と重なるようにすると、足場と足場の間に三角形の隙間ができます。この時点では、この三角形の隙間は無視して割り付けを進めて下さい。

最後の1枚が寸法的に収まらない場合は、サイズを変更して割り付け、全体を見てバランス良く足場板が配置されていれば割り付けは終了です。

2-2.足場を安定させるため建地は敷板の中央に

割り付けができたら、実際に現地で足場を組みます。まずは、足場の土台となる敷板の設置です。直線的な足場であれば、建物に対して平行に設置すれば良いですが、円形足場の場合は足場を割り付けた時のように円弧状に設置する必要があります。

足場の割り付けを参考に、建地の下に敷板が来るように設置しなければなりません。敷板については細かな位置を調整する必要はありませんが、できるだけ建地が敷板の中央付近に来るように配置すると足場が安定するでしょう。

2-3.建地を伸ばした際の安定性を重視して設置する

敷板を設置後、建地の位置を決めるためジャッキベースを配置します。ジャッキベースは割り付けを参考に、ある程度調整ができるところに配置しましょう。

ジャッキベースは、後の作業で建地の位置を微調整する必要が考えられるため、ここでは厳密な位置調整をする必要はありません。

ジャッキベースに建地を設置したら、1段目の建地の高さを合わしましょう。足場を上に伸ばしていった時に、接合部が合っていないと不安定な足場となる可能性があります。

円形足場の特徴として、通常の足場は1本の建地を左右で共有していますが、放射状の円形足場は外側の建地を、あらためて単管や腕木などで連結する必要があります。そのため事前に高さや位置を合わせておくことが大切です。

2-4.足場の骨格を決める腕木

足場板の幅に設置した2本の建地は「腕木」により連結します。さらに筋交いを付けることで、足場の骨格となり安定した状態になります。

骨格が安定した状態で、実際の建物の外壁と足場の位置関係を確認しましょう。

2-5.足場の固定は最重要ポイント

足場の骨格ができたら、2段目以降の組み立てを行い、上に伸ばしていきます。この時に隣の建地と別途単管等で連結して、足場が倒れないように固定します。

隣の建地と連結できない場合は、アウトリガーの取り付けや敷板などにジャッキベースを直接固定するなどで、足場全体が安定するように補強しましょう。

2-6.三角形の隙間にうまく足場板をはめる

建地に足場板を設置する際、割り付け時に三角形となっていた隙間にも、足場板を取り付ける必要があります。

資材メーカーによっては、隙間の三角形に合う専用の足場板が提供されている場合もあります。しかし形が合わない場合は、足場板がはみ出てしまうため、通常の足場板を番線と呼ばれる針金などを使って固定します。

番線は昔から足場の作業で使われている消耗品で、結束や緊結に使われているものです。昔は木材の足場の柱や梁の固定に番線を使用していました。現在の金属製の足場においても番線を使う機会は多くあります。

最後に足場板のガタつきが無いことを確認し、隙間が広いところは層間ネットを設置して完成となります。

3.円形足場を設置する際の注意点

円形足場を設置した場合、注意点がありますので説明します。
・落下防止の対策
・足場を変更した場合の安全点検が重要
・他の職人からの注文を確認する

3-1.落下防止の対策

円形足場の注意点として、足場と建物の隙間が一定ではないことです。円形足場で安全に作業を行うために、足場の隙間に対しては落下防止対策の措置が必要です。

落下の危険がある隙間については、層間ネットなどを設置して落下防止対策をしましょう。

3-2.足場を変更した場合の安全点検が重要

足場で作業を行う前に作業前点検を行うことが義務付けられています。

円形足場では建物との距離が一定ではないため、一時的に足場板を外して作業を行う場合があります。足場の取り外しや取り付けは、足場の変更となるため作業開始前には必ず点検が必要です。

3-3.他の職人からの注文を確認する

円形足場に限らず完成した足場は、利用する鉄筋工や鍛冶工などの職人が安全かつ効率的に作業できることが求められます。

特に建地が密集するところでは職人が作業しづらく、足場を組んだ後から「建地が邪魔で作業がやりづらいから修正して欲しい」と言った注文を受ける可能性もあります。

作業に影響しないように足場の割り付け時から職人と打ち合わせをして、事前に依頼事項を反映するようにしましょう。

4.まとめ

今回は円形足場について解説しました。実際には、特別な理由がない限り円形状構築物は多くありません。しかし、足場の組み立て作業は、作業に必要となる形に合わせて組まなければならないため、今回紹介した円形足場の組み方を参考にして下さい。


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