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感想

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読んだ小説・見た映画の感想や、自作の解題を置く場所です。 たまの更新です。
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「十円」あれこれ

付き合いのわりと長い相方とは、遠距離になった後もしょっちゅうラインをしている。ある日「なにしてんの?」と何気なく送ると「十円玉みがき」と帰ってきた。なぜ? なにしてんの? 彼女はその後「ふふふ」と言葉を添えて、ピッカピカになった昭和の十円玉の写真を送ってきた。ヘッダーの画像がそれである。 電話で十円玉みがきの詳しい話を聞いた。研磨剤にもいろいろ種類があってとか、ドリルの先に着けるタイプの研磨機が優秀だとか、そんな話をしているうち、「十円も鏡面磨きすればそれは銅鏡だよね」とい

「バス停山」あれこれ

●自作自解(あくまでひとつの読みとして) 複数人の乗り合わせたバスが舞台となる。 バスは進行しつつ、「誰も降りないのに降車ボタンが押され続ける」という問題(?)を乗客は共有している。この現象を起点とした、各乗客の受け取り方を軸に、各乗客の抱えている内心が少しだけ見えたり見えなかったりする。 最初の乗客、誠二は息子の悠を連れて父親(悠にとっての祖父)を見まいに行く。誠二の心情の吐露から、父親の余命はそう長くないのかも。また父親の気難しさと息子との間で、緩衝材の役割をしている