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希望をもって教え続けることが大きいのだ。

チュリは、おしゃべりが上手だ。
長い言葉は話せないが「スキ」とか「アイシテル」とか、嬉しい言葉をたくさん話してくれる。最近覚えた言葉は、「どした?」「おいで」。私が話しかけているうちに覚えてしまったらしい。

一番最初に覚えた言葉は「チュリチャン」だった。
4ヶ月くらいの頃、はじめはモゴモゴしていたが、とつぜん「チュリチャン」と話し出した。その時はものすごく嬉しくて、大興奮したのを思い出す。赤ちゃんが初めてお話した時の親御さんの気持ちって、こういうものなのかもしれない。

チュリにはじめに言葉を教えたのは、実は私ではない。

チュリを飼い始めた時、まだ生後1ヶ月くらいだったから、4時間おきにさし餌をあげなければならなかった。私が仕事で餌をあげられない時間は、近くに住んでいるフリーランスの友人に餌をあげてもらっていた。

彼女はチュリに会うたびに、繰り返し「チュリちゃん」と話しかけてくれていたらしい。「何度も繰り返し話しかけていると、じっと聞いているよ」と言っていた。

そうしたある日のこと、チュリは今まで彼女が話しかけていた言葉を、突然話し出すようになったのだ。


私は、チュリに積極的に言葉を覚えさせようとは思っていなかった。まだオスかメスかもわからない頃だったし、言葉を話すなんて期待もしていなかった(注:インコは、オスのほうがおしゃべり上手)。でも、彼女は言葉を話すかどうかもわからないチュリに、何度も繰り返し話しかけて、ついに言葉を覚えさせたのだ。

そのとき悟ったのは、希望をもって続けて育ててあげることが、ものすごく大きいということ。結果はすぐには出ないものなのだ。でも、諦めないでいれば、いつか成果が実る日がくる。

チュリ本人は頑張って覚えようとか考えられないから、育ててくれる人の存在がものすごく大事。これは人間でも同じことが言えると思う。本人が気づかない才能の種も、希望をもって育ててくれる人がいてくれたら、いつか花開く可能性が大きいのだ。


今日はチュリは、たくさん「アイシテル」と話してくれた。
これからも、たくさん良い言葉を覚えていこうね、チュリ。


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