大人の読書感想文を書いてみた!【20の事例でわかる 税理士が知らない不動産オーナーの相続対策】
名古屋の中間管理職ちゃんです。
今日は大人の読書感想文を書いてみた!
ということで、本日読んだ本はこちらです。
タイトル:20の事例でわかる 税理士が知らない不動産オーナーの相続対策
編著 :財産ドック
発行 :株式会社クロスメディア・パブリッシング
2022年10月22日 第二刷発行
第二刷の発行日がちょうど今日と同じ10月22日だし、「2」年前の「22」日に第「二」刷された本ということで2ばっかりだし…
何か不思議なご縁を感じますね(何の縁だ)。
本の内容です↓
2015年の法改正後更に対策度合いが増した相続対策。
普段馴染みのない人にとってはかなり難しい内容であるため「専門家」である税理士に相談する方が多いが実はそれは適切ではない可能性がある。
なぜなら相続対策の本当の意味での専門家はただ税理士資格を所有する人ではなく、「先を見通す力」「資産を診断する力」「相続をコーディネートする力」の3つ兼ね備える必要があるからだ。
ちなみに本とは関係ないですが、相続の語源は仏教用語で「連続していないものを、連続させる」という意味らしいです。相は姿や形を表す文字ですので「相が続く」≒「資産を次世代に引き継ぐ」というように解釈しました。
実際、相続税は最高税率55%ですから、よく言われるように「相続すると3代で資産は無くなる」みたいに何も対策をしなければ資産減は避けられないものです。
ただ、大事なのは鳥の目と虫の目と魚の目を持つことです。
税理士は税金の計算は専門かもしれませんが、例えば不動産において実際の相場観を持っているかは別の話です。
一方で実際の相場観のある不動産業者が先を見通した提案ではなく、自分の成績につながる今の効果のみに着目をした提案をして揉めているケースはざらにあります。
よって、先を見通して資産を正しく診断し、その症状に合わせて医者が処方をするように相続をコーディネートする力が大事、ということになります。
ここまでは具体的な事例に入るまでのいわば序章でしたが、私には具体例と同じくらい大事なように感じました。
具体例でも参考になるものばかりでした。
例えば、認知症を扱った事例15です。
認知症発症後は意志判断能力が無いとみなされ、名義人の財産を売却する、活用するといったことが一切出来なくなります。ここまでは私も前々からちゃんと把握していましたが、そもそも「成年後見人制度を使った場合どうなるか?」が割と曖昧でした。
一見、成年後見制度を使ったら後見人の判断により認知症の名義人の財産である土地の売却や活用ができそうなものですが、成年後見制度は本人と本人の財産の保護を目的として行動する義務があるため、その行動はかなり制限されます。
もっといえば相続対策とは、目的は本人ではなく相続人のために行うものですので、例えば不動産の売却にて納税資金確保だとかアパート建築により節税するといったことは全くできません。勝手に成年後見人が上記の内容を実行でもすれば家庭裁判所から解任の審判がされます。
一方で、資産の保全や管理は行えるので、十分な資産がある場合には相続対策にはならないものの成年後見制度を選択すべき場面もでてきます。本に記載の〈事例15〉では認知症になった男性の資産が多く、現状の資産を守るという意味で最低限の対策として成年後見制度を利用していました。
これが上記の鳥の目虫の目魚の目を持つという部分で、相続は一面だけを見てはダメでその家の抱える様々な部分を総合的に判断してコーディネートをする必要があります。
もし「成年後見制度は相続対策にならない」という凝り固まった固定概念があったら絶対に出てこない提案となってしまいますよね。
私のように「成年後見制度」そのものが曖昧だったら猶更お話になりません(自戒)。
そういった意味で言うと、この本に記載の20もの事例は提案の幅を広げる資料集のようなもので、この後も深く読み込んで実際の提案に生かしていきたいものですね。
以上、「大人の読書感想文を書いてみた!」
名古屋の中間管理職ちゃんでした。