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SAPIXと日能研の比較 ⑫過去問の進め方

6年生になると、受験校を決めるまでに中学入試の過去問を解くことになります。その進め方も塾によって異なります。
同じ塾でも校舎によって違いが大きいところかもしれませんが、子供達の経験について書きます。

SAPIX
・夏期講習頃から「有名中」という分厚い過去問集(様々な学校の一年前の過去問を集めた本)を解き始める
・夏期講習終了頃から自分の志望校の過去問を解き始める

日能研
・夏期講習後から「銀本」という分厚い過去問集(様々な学校の一年前の過去問を集めた本)を解き始める
・9月~10月頃から志望校の過去問を解き始める

SAPIXの方が過去問に着手する時期が少し早いです。カリキュラムが進むのが早いので、過去問が解けるようになる時期も早いということなのでしょう。

上の息子がいたSAPIX校舎では、有名中は、夏期講習中に社会を解き進めるように指示がありました。
算数も、何校かは夏期講習中に解いてよいが、国語と理科は夏期講習後にスタートするようにとのことでした。
国語も理科も、どの学校のどの問題を解くべきかは指示がありましたが、提出はしなくてよいとのことで、採点は各自に任されていました。

志望校の過去問については、夏期講習終了後から~12月の冬期講習前までに解き終えるようにとの指示でした。こちらは、算数と国語は自己採点してから提出するように言われました。

・第一志望校 7年分
・第二志望校 5年分
・第三志望校 3年分
・その他の学校 1年分

これらの年数分を各自で過去問集を買ってやるようにとのことだったので、声教の過去問を購入し、いつやるのかをスケジューリングし、解答用紙を実寸大にコピーして準備をしました。

第一志望校については、7年分とのことでしたが、結局、10年分やりました。筑駒と開成については、算数は25年分載った過去問集が売られていたので、それも買いました。(しかし、昔の問題は簡単すぎるかどこかで解いたことがある問題ばかりで、やる意味がなかったようです。)

1月には、新しい過去問はやるなという指示でした。1月に新規でやった過去問の出来が悪かった場合、気持ちを立て直すのが難しいからという理由でした。場合によっては自信がなくなるような難問も解かず、簡単な知識のおさらいをして過ごすようにとも話がありました。

しかし、2月入試は難関ばかり受験するのに、1月に難問を解かないと感覚が鈍るのではないかと本人が言うので、そこは指示を守らず、新しい過去問も解いたし、過去に間違えた難問の再チャレンジもさせました。特に問題はなかったと思います。


日能研は、銀本についてはあまり重視されていないようでしたが、算数だけは指定箇所を夏期講習終了後の秋から毎日解くように指示されました。
その他の教科は、国語だけ、長文を読書代わりに読ませましたが、理科と社会は使いませんでした。一部の日特で使うことがあったようです。

志望校の過去問については、夏期講習後に開始しました。
国語は、国語の先生から「第一志望校の〇年を解いて提出しなさい」と指示が都度あったので、それに従ってやりました。毎回、自己採点してから提出すると、採点し直されて返ってきました。
算数は、第一志望校については、算数の先生が過去問の実物と解答をコピーして渡してくれたので、渡されたらそれを解いて提出する、という繰り返しでした。第二志望校以下は、その合間に進めました。

理科と社会は、メモリーチェックを2周してから解き始めるようにとの指示でした。(でも、メモリーチェックというのは、SAPIXのコアプラスよりもずっと簡単なので、2周もやる意味がわかりませんでした。特に理科は、本当に基本事項しか載っていません。そこで、私の判断で、娘には1周しかさせませんでした。)

・第一志望校 5年分
・第二志望校 3年分
・第三志望校 3年分
・その他の学校 1年分

SAPIXよりは、過去問の指定年数が少ないですが、SAPIX勢に負けないようにと、娘には第一志望校を7年分解かせました。
第一志望校については、国語と算数の先生は毎回、解説の時間をとってくれて、平常授業の前後に間違えた問題を教えてくれました。とてもありがたい対応でした。

しかし、対応がよい分、拘束時間がとても長くなり、家で他校の過去問をする時間が厳しくなりました。第三志望校は1年分しか解けず、1月校についても1月受験の直前に慌てて解くような感じになってしまいました。


まとめると、SAPIXの方が、過去問への取り組みは早くスタートし、最後は余裕が生まれます。しかし、塾のサポートはあまりなく、基本的には自分達でスケジューリングや出来の判断をしていくことになります。

日能研の方が、過去問着手が遅い分、最後はめまぐるしいスケジュールで過去問をこなすことになります。しかし、塾のサポートは手厚く、先生が強い味方になってくれているのを実感することができます。

また、日能研は、日能研独自に過去問を集めてデータベース化しているのですが、これも大変便利です。
四谷大塚の過去問データベースも過去問がそのままの形で入っているので便利ですが(声教の過去問だとレイアウトが本物のと違うのです)、解説がないので、解説は日能研のデータベースで見ることも可能です。




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