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中国語文法は特徴を知るとおもしろい

こんにちは。中国語ゼミのシャンシャン(香香)です。

中国語の勉強をしていると 「中国語文法は、時制による動詞の変化や名詞に単数複数の区別がないから、習得するのは簡単!」などという言葉を耳にすることがあります。例えば英語では

go/ went/ gone

といった時制による動詞のカタチの変化や、a cat や two cats など、名詞に単数形・複数形がありますが、確かにこの点、中国にはありません。

ただ、「そういわれても中国語の文法が“簡単”なんて言えないぜ」 というのが私の考え。英語にあって中国語にないものがあれば、逆もまた然り、だからです。

私は、文法を学ぶ時には、「中国語ならではの特徴は?」を意識しながら学習するといいのではないかと思います。この記事では、香香が選んだ中国語文法の3つの特徴をご紹介します。 

中国語文法の特徴|注目すべき3点

①時制がない、その心は…

先述の通り、中国語には 過去、現在、未来など、時制による動詞のカタチの変化はありません。 例えば「行く」であれば、 過去も未来も、使うのはあくまで「去」。(去 ed とかにはならないってことです。ちょっと変な表現ですけど)

とはいえ、もちろん中国語にも時間の概念があります!!が、それを文法的な形として表示するシステムがないということ。(相原茂、石田知子、戸沼市子. "第19課 中国語ってどんなことば? ".WHYにこたえるはじめての中国語の文法書.同学社, 2016, 190)


では、どうやって時制を見分けるのか?それはずばり…文脈です。物語や説明文など、“文脈のなか”で、とある文が出てきたときには、例え動詞の活用がなくっても、それがいつのことなのか、理解ができることがほとんどです。

例えばこちらの文章。
欢迎你来广州。Huānyíng nǐ lái Guǎngzhōu.

この文章だけがぽつんとあると、「どうぞ、広州へお越しください」(未来のこと)と訳すのか「ようこそ広州へ」(現在のこと)と訳すのか、どちらとも取れます。けれど、通常はその前後に必ず文ストーリーや特定のシチュエーションがありますよね。日本において、中国人がこう言えば、それは未来のこととして捉えられますし、場所が空港で今まさに友人を迎えようというときなら、後者の「ようこそ広州へ」が適切な訳となります。

広州の街並み

②もちろんあります!中国語の敬語表現

中国語には敬語表現がない、とするのは早計です。日本語のような「丁寧語」「謙譲語」といった 敬語体系こそありませんが、相手に対する尊敬の念を表すことはもちろん中国語でも、可能。中国語の単語にはそもそも丁寧な意味や敬意を含んだものがあるからです。

例)
您好。Nín hǎo。(こんにちは)
※您:
上司、年長者、恩師、顧客などおもに目上の方、に対して使います。「あなた様」のようなニュアンスがあり、聴き手にたいへんていねいな印象を与えます。

请过一下目。Qǐng guò yí xià mù。(ひととおりお目通しください)
※请:
どうぞ、~してください。の意味。単独で用いたり、動詞の目的語を取ることも。
・请坐。Qǐng zuò.どうぞお掛けください。
・请!别客气。Qǐng! Bié kèqi.どうぞ、ご遠慮なく。

適切な場で、適切な単語を選び取ることができるか?という点も、中国語マスターの道においては求められるスキルです。語彙力を鍛えていきましょう。

③補語が発達した言葉

補語: 動詞や形容詞のあとに続き、その動詞や形容詞の表す動作や行為について、より、具体的な補充情報を加える成分のこと

例)我吃饱了。Wǒ chī bǎo le. 

ここでは饱が動詞=吃のあとに続き、補語の役割を担っていますね。 意味は「ご飯を食べ、その結果お腹がいっぱいになった。」となります。中国語は、動作と、それによって生じる結果を ふたつにわけて述べる傾向があります。

我买了半天,没买到。Wǒ mǎile bàntiān, méi mǎi dào.「長いこと買ったが、買えなかった」直訳すると、こんな日本語になるでしょうか。けれど、こう聞いて、きっと多くの日本人は違和感を覚えるはず。とはいえ、これは中国語が間違っているわけでもなく、「長いこと買いたいと思って、その買うという行為を行ったんだけれど、結局買えなかったんだよね」の意味になります。

すごく人気の商品で、ネットで探しまくったのかもしれないし、開店前から並んだけど、結局目の前で売り切れて買えなかったのかもしれませんね。

ここからわかるのは、中国語の動詞は、その動作や行為そのものを表わすのであって、動作の結果まで表さないということ。ここで登場するのが、補語、というわけです!

「聞いて」その結果、「わかる」→听懂
「学んで」その結果「できる」→学会

日本語では、「聞いてわかる」「学んでできる」とは言いません。「聞いた」「学んだ」で済みますもんね。けれど、上記の理由から中国語は補語が発達し、動詞のあとに、動作の結果を表わす補語成分がくっつくというわけです。

もっと詳しく知りたい方はこの中国語ゼミの記事でも補語について解説しています。

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あとは実践!

いろいろと書いてきましたが、とにかく習うよりなれろ!上記のような点を知ったところで、あとはたくさんの文章に触れながら、中国語感覚を身に沁みこませていきましょう。

これらの他にも中国語ならでは、な語法や文法があるので、皆さんもぜひ「どんな特徴があるかなぁ」という視点を持ち続けてみてくださいね。英語や日本語との相似点をみつけるのも面白いですよ~!!

なお、「フルーエント中国語学院」では、短期間で効率よく中国語を身につけるための勉強法のセミナーを開催しています。定期的に開催していますので、是非お気軽にご参加ください!

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