池田総長が辞職、後任に荻野氏

白票最多波乱の総長選
新しい「領解文」巡り異例の結果 

 浄土真宗本願寺派第323回定期宗会は8日、2024年度宗務の基本方針と宗派予算の全議案を可決し閉会した。この後、池田行信総長の辞意表明があり、総長選挙が行われて荻野昭裕氏(68)が新総長に就任した。
 池田総長は辞任理由について「来年度の宗務の方向性の一端を示すことができたと思う。これを機に総辞職する」と述べた。明確な理由は語らなかったが事実上は、新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)を巡る混乱を収束できなかったことから、政治的な判断をしたとみられる。総長辞職に伴い、池田総局は総辞職となった。
 同日午後に総長選挙が行われ、大谷光淳門主は総長候補者に池田氏と、池田総局の筆頭総務で八五倶楽部所属の荻野氏の2人を指名した。投票結果は、総投票数75票のうち白票が34票、荻野氏が27票、池田氏が13票、無効票が1票で、白票が最多を占める異例の事態となった。
 2人の候補者はいずれも新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)に賛同しており、新しい「領解文」に反対する議員らが、選択肢を与えられなかったとして白票で意思表示をしたとみられる。宗会内の対立構造は強まり、半数近くから票を得られない状況で荻野総局は始動することになる。

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