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微生物検査 危機一髪!(3)

微生物検査 危機一髪!(3)
[第3回]中心静脈カテーテルの微生物検査
山本 剛 やまもと ごう
神戸市立西神戸医療センター臨床検査技術部

(初出:J-IDEO Vol.1 No.3 2017年7月 刊行)

 カテーテル関連血流感染症(Catheter—related blood stream infection, CRBSI)とはカテーテル使用時に発生する菌血症であり,カテーテルの局所感染症だけでなく,そこから派生した全身感染症も対象となる.重症例では敗血症を起こしたり,真菌性では眼内炎を起こしたりして難治化することもある.
 CRBSIの診断には臨床的診断と微生物学的診断の2つがあり,前者は発熱,白血球増多,核の左方移動などの感染症を疑う症状があり,カテーテルの抜去に伴い症状が改善する場合で,微生物の検出については範疇に入れていない.後者はカテーテル培養や血液培養から微生物を検出することで診断を行う.

 臨床的診断の場合はカテーテル抜去に伴い症状が改善するため,抗生剤を投与しない場合がある.そういう場合はカテーテル培養の検査は行わず,抜去後は感染性廃棄物行き,血液培養の採取すらされていない.しかしそれはあくまでもCRBSIであり,立派な血流感染症である.さあ,抜いて終わり,ではなく,経過次第では重症化する可能性が十分にある.
 したがって,微生物学的診断を行ううえで微生物検査がしっかりと評価されているのか? または評価されるものであるのか? を考えていかなければならない.今回は微生物検査が十分にCRBSIの診断に寄与できているものか考えていこう.


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