Dr.岸田の 感染症コンサルタントの挑戦(4)
Dr.岸田の 感染症コンサルタントの挑戦(4)
第4回 具体的な介入 ②
血液培養陽性時のカルテ記載例
岸田直樹 きしだ なおき
感染症コンサルタント
一般社団法人Sapporo Medical Academy 代表理事
はじめに
前回は,「コンサルト病院にどのように介入しているか?」の具体的な例として,マイクロバイオロジーラウンドチームの形成と介入について紹介しました.マイクロバイオロジーラウンドチームとは,医師,看護師(ICN),薬剤師,細菌検査技師からなるチームで,培養結果の情報を最初に握っている細菌検査室から感染対策・臨床感染症両方の側面による情報発信・介入のチームです.血液培養など無菌検体からの菌の検出に加え,感染対策上重要な微生物が検出された場合に,その検出をきっかけに介入しています.AST(Antimicrobial Stewardship Team,抗菌薬適正使用支援チーム)の要素も持っていますが,感染対策・臨床感染症両方の側面でより迅速に介入することを目的として,細菌検査室からの微生物検出のタイミングでの介入を大切にしています.そこで,コンサルタント不在時にも対応できるように,微生物が検出された場合に「どのような情報としてカルテ記載するか?」を病院の事情に合わせて決めています.このフォーマットを知りたいという声が多方面からあったため,今回はそれをさらに深めてみたいと思います.ぜひ,みなさんの病院でもうまく微調整して実践してみてください.
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