抗菌薬相互作用整理BOX(27)
[第27回]リファンピシンの併用で骨髄抑制が予防できる?~リファンピシンとリネゾリド~
山田和範 やまだ かずのり
中村記念病院薬剤部係長/北海道科学大学客員教授
(初出:J-IDEO Vol.6 No.5 2022年9月 刊行)
はじめに
2020年10月26日に社会保険診療報酬支払基金は,リネゾリド(LZD)を多剤耐性結核に対して処方した場合に認可するとの判断を示しました.そのため適応外投与としての保険の審査事例となった場合に多剤耐性結核に使用することが認められるようになりました.これを受け日本結核・非結核性抗酸菌症学会治療委員会から「多剤耐性結核の治療におけるリネゾリドの使用について」【1】という適正使用指針が2021年9月に出されました.抗MRSA薬として汎用されるLZDですが,血小板減少など造血器系の副作用に注意が必要な薬剤でもあります.そういえば以前,LZDとリファンピシン(RFP)を併用すると貧血の副作用が起きにくくなるような報告を耳にしたこともありました.この2剤の併用はどうなのでしょうか? 今回はLZDとRFPの相互作用についてみていきたいと思います.
相互作用のメカニズム
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