微生物検査 危機一髪!(34)
[第34回]コロナ検査にまつわるエトセトラ その1
山本 剛 やまもと ごう
大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)
大阪大学医学部附属病院感染制御部
(初出:J-IDEO Vol.6 No.6 2022年11月 刊行)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行が始まり,そろそろ3年が経過しようとしています.2022年は第6波と第7波と2つのオミクロン株が流行し,特に7~9月にかけて流行した第7波は1日の感染者数が20万人を超え,1日あたりの感染者数が過去最高となりました.しかし,2021年のデルタ株の流行とは異なり,感染者数は多いものの,感染者数あたりの重症患者数は少なく,ウイルス株の特性やワクチン接種による宿主の状態が大きく影響したものと思われます.
一方,新型コロナウイルスの検査は変わらずPCR検査が中心となっていますが,PCR検査の試薬や抗原定性検査の方法は増え,最近では厚労省認可でOTCの抗原定性検査も発売が開始されました.また,SARS-CoV-2とインフルエンザウイルスが同時測定できる検査薬も次々と認可されています.新型コロナウイルスの検査に関連した質問もいくつかいただいていますので,その情報について整理していきたいと思います.
新型コロナウイルス検査について
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