泣く子も黙る感染対策(23)
[第23回]新型コロナウイルス対策におけるマスクの使い方
坂本史衣 さかもと ふみえ
聖路加国際病院感染管理室マネジャー
(初出:J-IDEO Vol.4 No.6 2020年11月 刊行)
はじめに
新型コロナウイルス感染症の感染経路については,本稿を執筆している9月28日現在,飛沫感染が主体であり,次いで接触感染であること,また,状況によっては空気感染も起こり得ると考えられている.
医療現場において飛沫感染を防ぐ手段として用いられるのがサージカルマスクとゴーグルまたはフェイスシールドの組み合わせである.空気感染を防ぐためにはサージカルマスクの代わりにN95マスクまたは電動ファン付き呼吸用保護具(powered air-purifying respirator,PAPR)を使用する.
これらの個人防護具(PPE)の規格や使用方法について,医療従事者が熟知しているわけではなく,経験則に基づいて使用している場合も多いと考えられることから,今回はCOVID-19対策におけるサージカルマスク,布製マスク,N95マスク,PAPRとフェイスシールドの安全な使用について解説する.
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