呼吸器感染症よもやま話(42)
[第42回]「結核の統計2023」を読み解く
倉原 優 くらはら ゆう
国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科
毎年この時期(本稿執筆時,10月)になると,結核年報1)が更新され,「結核の統計」2)が刊行されます.抗酸菌診療医としては,「ワクワクする秋」なのです.ではさっそく,この連載で読み解いていきましょう.
2年連続で低まん延国
まず,2022年に日本国内では新たに1万235人の結核患者の届け出がありました.人口10万人あたりに直すと,結核罹患率は8.2となります[図1].「低まん延国」の基準ラインは10未満ですから,これで2年連続で日本は結核低まん延国となったわけです.いやーやりました,2連勝! おめでとうございます!
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