微生物検査 危機一髪!(25)
[第25回]塗抹検査以外の結核菌検査
山本 剛 やまもと ごう
神戸市立西神戸医療センター臨床検査技術部
(初出:J-IDEO Vol.5 No.3 2021年5月 刊行)
前回は結核菌塗抹検査について解説を行った.塗抹検査といってもその結果が出てくるまでのプロセスをよく理解しておかないと思わぬところで足元をすくわれることになることを解説した.今回は結核菌検査をもう少し掘り下げてピットフォールも交えながら解説していく.
1.培養検査
結核菌検査のゴールドスタンダードである.PCRも結核菌の検出目的で利用するが,結果が陽性のなかには低活性(死菌)の結核菌の存在や偽陽性例も混在することがあるので培養結果を確認することは必須である.
結核菌培養検査には,小川培地を用いた固形培養とMycobacterium Growth Indicator Tube(MGIT)を用いた液体培養の2法があり,それぞれに特徴があり用途に応じて使用する[表1].
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