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【NBA】デローザンのSAC移籍を考える

こんにちは、ちゅでるきんです。
今シーズンのファイナルも終了し、各チームがドラフト・トレード・FAに忙しく動いています。

そんな中でも今回は、SACのデマー・デローザン獲得に関して考えてみます。
個人的に、この動きは驚きでした。

SACはマイク・ブラウンHCの指揮下において、GSWやナッシュ時代のPHXを彷彿とさせるような速い展開のモーションOFや3Pを活用した攻撃を展開しているチームのため、ハーフコートOFでミッドレンジなどを狙うデローザンとの相性に疑問符が浮かんだためです。

ただ、改めてスタッツを調べているとSACがデローザンを獲得した意図もぼんやりと理解できてきました。

そこで今回の記事では、SACのデローザン獲得について考えていきます。
では、早速記事本編を見ていきましょう!



1️⃣デローザンの獲得方法について

まずはデローザンを中心としたS&Tについて簡単に振り返りましょう。

日本時間7月7日、デローザンを中心としたS&Tが発生しました。
トレード内容は以下の通りです。

📈デローザンを中心としたS&T内容
📌SAC獲得
・デマー・デローザン(3年74M)
📌SAS獲得
・ハリソン・バーンズ
・2031年スワップ権(制限なし)
📌CHI獲得
・クリス・ドゥアルテ
・2巡目指名権×2
・現金

https://t.co/nSAoyIRnNjより

SAC・SAS・CHIの3チーム間トレードとなっています。
選手の入れ替えのみを考えると「デローザン⇄バーンズ、ドゥアルテ」といった内容ですね。上手く獲得できていると個人的には思います。

簡単ではありますが、デローザンを中心としたS&Tに関しての振り返りでした。

2️⃣デローザンがSACに与える影響

トレード内容を簡単に振り返ったところで、このトレードがSACにどのような影響を与えるかについて考えてみましょう。

この章では
①今シーズンのSAC概観
②デローザンの特徴
③SACとデローザンの融合

上記観点からデローザン獲得について考えます。

①今シーズンのSAC概観

西の第3シードに飛躍した昨シーズンのSACでしたが、今シーズンは西の第9シードで着地し、プレイイントーナメント敗退という結果で終了しました。

確かに順位はかなり落ちましたが、SACの状況は現在のウェスタンカンファレンスの厳しさを物語っています。
試しに昨シーズンと今シーズンの勝率を比べてみます。

📈SACの勝率
📌2022-23シーズン
・48勝34敗 (勝率58.5%)
📌2023-24シーズン
・46勝36敗(勝率56.1%)

ほぼ変わらない成績を残したにもかかわらず、順位が6つも落ちているのです。
「現状維持は衰退」というウェスタンカンファレンスの状況を表しているような数字ですね。

さて、そんなSACの特徴といえば、OF力でしょう。
昨シーズンから指揮をとるブラウンHCは、サボニスを中心としたハンドオフや3Pを活用したOFを展開することにより、歴代屈指のOFチームを作り上げました。

実際、2022-23シーズンのORTGを確認すると、SACは119.8を記録しています。
これはリーグ1位の記録です。

一方で、DF力は弱点でした。圧倒的なOF力で解決してみせましたが、そのDF力は今後の不安材料として抱えている状態です。

そんな中、今シーズンのSACには偶発的要素が強いですが、DF改善の兆しが見えました。
今シーズンのSACのDFRTGを月別に確認してみましょう。

📈今シーズンのSACのDFRTG(月別)
📌10月 112.4 (21位)
📌11月 115.3 (18位)
📌12月 116.2 (16位)
📌1月 117.0 (17位)
📌2月 118.0 (22位)
📌3月 110.8 (7位)
📌4月 106.7 (2位)

10月から2月まではリーグ下位の数字で推移していますが、3月になると数字が劇的に改善され、突然リーグ上位のDF力を持ったチームに変貌します。
そして4月にはその勢いのまま、リーグ2位のディフェンシブチームへと進化を遂げるのです。

先ほど、偶発的要素によるDF改善と述べました。
これは、モンクとハーターの離脱が一因だと考えています。

この2人が欠けたことにより、バーンズ、ドゥアルテ、エリスのプレイタイムが向上し、結果的にDF力向上につながったものだと私は思います。

中でも、エリスのステップアップは驚きでした。
プレイインでもカリーを苦しめていましたね。

そしてモンクとハーターの離脱以降、SACはとある悩みが発生するのです。
それは2ndクリエイター不足です。モンクやハーターの離脱により、スペーシング面で厳しくなったことに加え、フォックスへの負担が増加しました。

もちろんサボニスは強力な選手ですが、得点機会を自らクリエイトする能力が高くはありません。そのため、SACとしても2ndクリエイターの存在を狙っていたのでしょう。

ここまででSACの特徴について簡単にまとめると、
①3PやモーションOFを活用したOF力
②改善の兆しが見えたDF力
③発覚した2ndクリエイター不足

上記について解説しました。
この点を踏まえながら、デローザンの特徴についても簡単に解説します。

②デローザンの特徴

まずはデローザンの2023-24シーズンを振り返りましょう。

📈デローザンの基本スタッツ(2023-24シーズン)
📌平均得点 24.0ppg (FG 48.0%/3P 33.3%)
📌平均アシスト 5.3apg
📌平均リバウンド 4.3rpg
📌平均ターンオーバー 1.7回
📌平均スティール 1.1回

基本スタッツは上記の通りです。
CHIのエースとしてチームを牽引しました。

余談ですが、今シーズンのデローザンは合計2988分出場しています。
実はこの数字、リーグ1位です。コートに長く立っていられる点については、
もっと評価されて良いと思います。

さて、そんなデローザンの特徴について、もう少し細かく見ていきましょう。
まずはSACの概観で話したクリエイターとしての能力についてです。

まずはグラフで確認してみます。

アイソレーション・PnR・ポストアップでの得点数

グラフはアイソレーション・PnR・ポストアップでの平均得点を横軸、同状況でのポゼッションごとの得点を縦軸にとっています。

このグラフを確認すると、ドンチッチが飛び抜けているのがわかりますが、それに付随する形でSGAやデローザンも目立ちます。

このグラフからもわかるように、デローザンは自身でのクリエイト能力に優れいています。フォックスと共に得点機会を創出できるプレイヤーの存在は、SACにとってありがたいでしょう。

次にデローザンのアシスト能力についても確認します。
SAS移籍をきっかけに、デローザンのアシスト能力が花開きました。

今シーズンの5.3アシストという数字もSAS時代の3シーズンを除き、彼のキャリアで最も高い数字となっています。
スラッシャーとして彼がペイントエリア内から繰り出すアシストは、SACのOFと非常に相性が良いといえます。

この点に関しては、③SACとデローザンの融合の部分で詳しく書いていきます。

ここまででデローザンの特徴について簡単にまとめると、
①リーグ有数のクリエイト能力を持っている
②スラッシャーとしてのアシストが優秀

上記について解説しました。
次からは、SACとデローザンが融合することで、どのような効果をもたらすのかについて解説します。

③SACとデローザンの融合

ここからは、SACとデローザンが生む相乗効果について解説します。

まずはクリエイト能力の部分から。
②デローザンの特徴でもお話ししましたが、デローザンは得点機会を創出することにおいて、リーグ有数の実力を持っています。
そんな彼が、クリエイト能力が不足気味であったSACに加入するのですから、チームとしてかなり良い補強となることは間違いないでしょう。

クラッチタイムにおいて、フォックスのみならずデローザンの力を使うことができる点は、相手DFからしても守りづらいでしょうし、何よりフォックスの負担軽減にもなります。

次にデローザンのアシスト能力とSACの融合についてお話しします。
①今シーズンのSAC概観でも述べましたが、SACは3Pを活用することにより、リーグトップクラスのOFを展開してきました。

さて、ここでSACメンバーのC&Sでの3P確率について確認してみましょう。

📈SACメンバーのC&Sでの3P確率(2023-24シーズン)
📌K.マレー 37.4%
📌K.ハーター 34.8%
📌M.モンク 36.9%
📌D.フォックス 39.2%
📌K.エリス 42.5%

突出して全員が高い数値を記録しているわけではありませんが、デローザンと共にコートに立つことが予想される多くのプレイヤーが平均以上の水準でC&Sを沈めてきます。

デローザンのパスからいかにC&Sを決めることができるかは、来季SACの注目ポイントの1つであると考えています。

また、このメンバーの中でもフォックスとモンクに関しては、クローズアウトアタックも強力なプレイヤーです。デローザンのパスに対してクローズアウトしてきたDFに対し、ドライブを決めることができるという点でも注目です。

次に、SACのリム周辺でのFGとFTについても確認します。
まずはスタッツから確認してみましょう。

📈SACのリムでのFGA(100possごと)
📌23.4本 (27位)

📈SACのFTA(100possごと)
📌21.0本 (21位)

SACはリム周辺でのFGAとFTAに関して、リーグ下位の成績となっています。
もちろん、3Pやハンドオフを中心とした戦術を中心としているチームですので、しょうがない部分もあると思います。

そこで、デローザンの獲得です。
デローザンはスラッシャータイプのプレイヤーですので、リム周辺でのFGAを多いでしょうし、何よりFTAに関してはリーグトップクラスです。

スタッツを確認してみましょう。

📈デローザンのFTA
📌7.7本 (5位)

実はデローザンは、リーグでもトップ5に入るほどFTラインに立っているのです。
そんなデローザンの獲得は間違いなく、SACの弱点部分を補強してくれることでしょう。

ここまででSACとデローザンの融合について簡単にまとめると、
①2ndクリエイターに悩んでいた部分を解消できる
②SACのC&Sとデローザンのアシスト相性が良い
③リム周辺でのFGやFTといった弱点を解消できる

上記について解説しました。

このように少し調べてみると、SACがデローザンを獲得した理由についても納得ができました。
最初は?マークが浮かんでいた補強でしたが、SACの悩みを的確に解消しにいく動きであったことがわかると思います。

3️⃣終わりに

本記事では、デマー・デローザンのSAC移籍について考えてみました。
今シーズン、「現状維持は衰退」を身をもって体感したSACが積極的に動いたため、今後のチーム状況にも注目していきたいですね。

デローザン獲得で補強に成功したものの、現在のウェスタンカンファレンスは魔境です。DENやLACといった強豪に加え、昨シーズンはOKCが頭角を表したり、シーズン中のトレードで強力になったDALがファイナルに進んだりしましたね。

これに加え、来シーズンは眠っていたMEMも再登場してくるでしょう。
そんな中でSACがどれほどの順位でフィニッシュを迎えるのか、今から楽しみです。

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