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【読書】人と社会と幸せについて考えながら

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気の向くままの読書記録です。本の選び方はマニアック、かも。内容も、本の紹介はもちろんしたいことだけど、自分が何を思ったか、何を連想したか、も記録しています。それから基本図書館で借…
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#世界史がすき

【読書】「原爆は日本人には使っていいな」

出版情報 タイトル:「原爆は日本人には使っていいな」 著者:岡井 敏 出版社 ‏ : ‎ 早稲田出版 (2010/7/1) 単行本 ‏ : ‎ 271ページ いくつもの切り口  本書はいくつもの問題提起をしてくれている。著者の意図するもの、意図せざるもの取り混ぜて。  著者の問題提起は主には原爆の常識の欺瞞、「ハイドパーク覚書」にまつわる欺瞞である。そして著者の行動の基層として平和を希求して孤軍奮闘する父の姿、それから著者が受けた軍国主義下のイジメとそれに対する父

【読書】シナ(チャイナ)とは何か (第4巻) (岡田英弘著作集(全8巻)) その1−2

出版情報 タイトル:シナ(チャイナ)とは何か (第4巻) (岡田英弘著作集(全8巻)) 著者:岡田英弘 出版社 ‏ : ‎ 藤原書店 (2014/5/24) 単行本 ‏ : ‎ 569ページ 本記事について  本記事は、本書 シナ(チャイナ)とは何か (第4巻) (岡田英弘著作集(全8巻))の感想についての一連の記事の一つである。  【読書】シナ(チャイナ)とは何か (第4巻) (岡田英弘著作集(全8巻)) 予告編では、本書の概要と著者 岡田英弘の紹介を行なって

【読書】シナ(チャイナ)とは何か (第4巻) (岡田英弘著作集(全8巻)) その1−1

出版情報 タイトル:シナ(チャイナ)とは何か (第4巻) (岡田英弘著作集(全8巻)) 著者:岡田英弘 出版社 ‏ : ‎ 藤原書店 (2014/5/24) 単行本 ‏ : ‎ 569ページ シナとは何か 著者の岡田は圧倒的な漢文、満州語、モンゴル語などの読解力で東洋史家として出発し、モンゴル帝国が世界史を作ったという岡田史観に到達。ある時から中国を『中国』と呼ぶことをやめた。それが本書の題名シナ(チャイナ)とは何かにも表れている。研究を深める中で「中国4000年の

【読書】 もう隠せない 真実の歴史 世界史から消された謎の日本史

出版情報 タイトル:もう隠せない 真実の歴史 世界史から消された謎の日本史 著者:武内一忠 出版社 ‏ : ‎ ‎ヒカルランド 発売日 ‏ : ‎ 2023/8/17 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 368ページ 新しいペトログリフ時代の幕開け 大人気YouTuberのTOLAND VLOG から本書にたどり着いた人も多いのではないだろうか?私は、そのひとりだ。TOLAND VLOG は、日本や世界の神話についてのエンタメ考察をおもしろおかしく話すサムと聞き手

【読書】世界「民族」全史 ――衝突と融合の人類5000年史

タイトル:世界「民族」全史 ――衝突と融合の人類5000年史 著者:宇山卓栄 出版社 ‏ : ‎ 日本実業出版社 (2023/1/20) 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 744ページ 売れ筋ランキング第1位「民族研究」 元予備校講師で著述家の宇山卓栄の渾身の一冊。  700ページ超の大作で力作だ。宇山の強みは、世界中を旅して自分の目と耳で確かめ肌感覚を持っていることだろう。著者はさまざまな媒体で著述し、時事解説も行なっている。深い歴史への造詣があればこそ、わかりや

【読書】シナ(チャイナ)とは何か (第4巻) (岡田英弘著作集(全8巻)) 予告編

出版情報 タイトル:シナ(チャイナ)とは何か (第4巻) (岡田英弘著作集(全8巻)) 著者:岡田英弘 出版社 ‏ : ‎ 藤原書店 (2014/5/24) 単行本 ‏ : ‎ 569ページ 膨大な岡田史観の一部にすぎない 一般の人(私を含む)にとって「岡田英弘?誰?」であるが、知る人ぞ知る、大歴史学者(=東洋史家)である。昭和6年(1931)生まれの岡田は、昭和32年(1957)に史上最年少(26歳)で日本学士院賞受賞。wikiによれば、「既存の中国正史に追従する

【読書】沖縄はいつから日本なのか 学校が教えない日本の中の沖縄史 その2

出版情報 タイトル:沖縄はいつから日本なのか 学校が教えない日本の中の沖縄史 著者:仲村 覚 出版社 ‏ : ‎ ハート出版 (2018/4/18) 単行本 ‏ : ‎ 240ページ 本書から学ぶ、この一連の記事は下のような構成となっている。 予告編 1 日本の中の沖縄の歴史 2 基地問題は分断工作 ← この記事 3 沖縄県民は先住民族? 4 住民を守るのは自治体の義務 沖縄を知ることは日本を知ること 民族とは歴史と使命を共有した運命共同体だと著者はいう

【読書】文明の生態史観-増補新版

出版情報 タイトル:文明の生態史観-増補新版 著者:梅棹忠夫 出版社 ‏ : ‎ 中央公論新社 (2023/10/24) 文庫 ‏ : ‎ 400ページ この本を読むきっかけ 例によって茂木誠氏がその著作か動画かで「梅棹忠夫の『文明の生態史観wiki』はなかなか面白い」と言っていたので、これは読んでみようと思った。  読んでみての感想は、これは読んでおくべき本だと思った。現在世界で起きていることへの理解が圧倒的に深まるように思う。本書ではユーラシア+アフリカ地中海

【読書】[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

出版情報 タイトル:[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき 著者:エドマンド・バーク 翻訳: 佐藤 健志 出版社 ‏ : ‎ PHP研究所 (2020/12/2) 文庫 ‏ : ‎ 400ページ 本書を紹介するにあたって 長くなったので、目次を設定しました。ご希望の箇所に飛んでください。 本書を読むきっかけ  茂木誠の『「保守」って何?』を読み、興味を持った。著者 エドマンド・バークは、フランス革命の初期に対岸のイギリスで「この革命は軍による強

【読書】日本とユダヤの古代史&世界史 予告編

出版情報 タイトル:日本とユダヤの古代史&世界史 - 縄文・神話から続く日本建国の真実 著者:茂木 誠、田中 英道 出版社 ‏ : ‎ ワニブックス (2023/6/9) 単行本 ‏ : ‎ 304ページ 待望の書  著者のひとり茂木誠は予備校教師&著作家で歴史系YouTuber。番組が面白くて、もう2年近く見続けている。田中英道は東北大の名誉教授で美学に関する大家であり、その上で古代日本と古代ユダヤの関係をずっと研究している人。だけどどこか、話が難しくて、本を読