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【読書】人と社会と幸せについて考えながら

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気の向くままの読書記録です。本の選び方はマニアック、かも。内容も、本の紹介はもちろんしたいことだけど、自分が何を思ったか、何を連想したか、も記録しています。それから基本図書館で借… もっと読む
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#日本史

【読書】「原爆は日本人には使っていいな」

出版情報 タイトル:「原爆は日本人には使っていいな」 著者:岡井 敏 出版社 ‏ : ‎ 早稲田出版 (2010/7/1) 単行本 ‏ : ‎ 271ページ いくつもの切り口  本書はいくつもの問題提起をしてくれている。著者の意図するもの、意図せざるもの取り混ぜて。  著者の問題提起は主には原爆の常識の欺瞞、「ハイドパーク覚書」にまつわる欺瞞である。そして著者の行動の基層として平和を希求して孤軍奮闘する父の姿、それから著者が受けた軍国主義下のイジメとそれに対する父

【読書】現代語訳 古事記:蓮田善明 訳

出版情報 タイトル:現代語訳 古事記 訳者:蓮田 善明 出版社 ‏ : ‎ 岩波書店 (2013/9/19) 文庫 ‏ : ‎ 304ページ まったく古さを感じさせない昭和9年の現代語訳  本書を読んだ印象は、何よりも上品で、何よりも瑞々しい。昭和9年に訳されたとは。令和を生きる我々にとってはちょっと過剰に思える敬語ぐらいかな、気になるのは。でもそれも、神様に捧げる言葉なら、むしろちょうどいいくらいかもしれない。  訳者 蓮田善明は国文学者だ。古事記に関する論文も

【読書】日本とユダヤの古代史&世界史 もくじ

出版情報 タイトル:日本とユダヤの古代史&世界史 - 縄文・神話から続く日本建国の真実 著者:茂木 誠、田中 英道 出版社 ‏ : ‎ ワニブックス (2023/6/9) 単行本 ‏ : ‎ 304ページ 目次を作りました  長かったので目次を作りました。よかったらご活用ください。 【読書】日本とユダヤの古代史&世界史 予告編 【読書】日本とユダヤの古代史&世界史 その1:ユダヤ人とは何者か 【読書】日本とユダヤの古代史&世界史 その2−1:ユダヤ人と日本人の関

【読書】古事記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集01)

出版情報 タイトル:古事記 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集01) 訳者:‎ 池澤 夏樹 出版社 ‏ : 河出書房新社 (2014/11/14) 単行本 ‏ : ‎ 402ページ 現代人の情報取得法に配慮した『古事記』  本書の『読み易さ』をご紹介したく本稿を書いている。この『読み易さ』は、現代人の情報取得法に絶妙に配慮していることからきている。私は古事記を手元に置いて読むのは2冊目なので、他の本のことはわからないまま、『読み易い』を連呼することになる。この寡聞

【読書】古事記ワールド案内図

出版情報 タイトル:古事記ワールド案内図 著者:池澤 夏樹 出版社 ‏ : ‎ 河出書房新社 (2023/5/24) 新書 ‏ : ‎ 256ページ 芥川賞作家の古事記tips  池澤は1988年に芥川賞を受賞している。御年(おんとし)78歳の大ベテランだ。その池澤が古事記を現代語訳し、雄略天皇(ワカタケル)を主人公に小説も書いた。世界を股にかけて翻訳もこなし、旅行、移住もした著者が、現在は北海道に戻って、テーマも日本、しかもど真ん中の古典、古事記に戻ってきた。き

【読書】日本とユダヤの古代史&世界史 その3

出版情報 タイトル:日本とユダヤの古代史&世界史 - 縄文・神話から続く日本建国の真実 著者:茂木 誠、田中 英道 出版社 ‏ : ‎ ワニブックス (2023/6/9) 単行本 ‏ : ‎ 304ページ 本稿の構成 本稿は下記のような一連のシリーズの3. ユダヤ人と日本人の関わり キリスト教関連です。  ユダヤ人とは何者か  ユダヤ人と日本人の関わり  2-1 古代日本にユダヤ人が来ていた!そのうち第1波〜第2波まで  2-2 古代日本にユダヤ人が来てい

【読書】古事記転生

出版情報 タイトル:古事記転生 著者:サム(アライコウヨウ) 出版社 ‏ : ‎ サンマーク出版 (2023/6/29) 単行本 ‏ : ‎ 287ページ 人気YouTuberの初小説  著者のサムは名古屋でカフェやバーを経営しながらYouTuberをしている。登録者数49万人のTOLAND VLOG は立派な人気番組と言えるだろう。聞き役のマサキのおとぼけ具合がいい味出している。神話・伝説の「本当のところはどうなのか」をさまざまな考察や推測、推理を加えながら発信

【読書】日本とユダヤの古代史&世界史 その1

出版情報 タイトル:日本とユダヤの古代史&世界史 - 縄文・神話から続く日本建国の真実 著者:茂木 誠、田中 英道 出版社 ‏ : ‎ ワニブックス (2023/6/9) 単行本 ‏ : ‎ 304ページ 本書の内容と本稿の構成  お気軽に読んで、よくわかるようにできている本なので、特にこんなことする必要ないかもしれないけど、とても濃い内容だったので、私なりに整理した。本書の紹介と感想である本稿も、この順番で行うのが相応しいように思う。 注:この順番がそのまま本書

【読書】月の裏側(日本文化への視角) その3

出版情報 タイトル:月の裏側(日本文化への視角) 著者:クロード・レヴィ=ストロース 翻訳:川田順造 出版社 ‏ : ‎ 中央公論新社 (2014/7/9) 単行本 ‏ : ‎ 176ページ 著者略歴 著者レヴィ=ストロースは著名なフランスの文化人類学者で、代表的な著作は『悲しき熱帯』である。婚姻関係をはじめとする他グループとのやりとりには規則性(構造)がある、と提唱した。構造主義の第一人者でもある。残念なことに2009年に100歳でお亡くなりになっている。生ま