出会えてよかった、あなたに

 3連休が終わっていく。2週間ほど引きこもった療養期間が明けた。
 公的な自宅療養期間が終わったからと言って誰にもうつさなくなった訳じゃ無いらしいという話を聞いて「こわ!」ってなったので、とりあえず仕事以外は家に居た。職場は来いというので……もう知らんという気持ち。妊婦さんとかに何かあったらどうするつもりなんだろう。マスクはしていたけれど、怖くて近づけなかった。
 で、明けた初日は流石に怖かったので誰にも会わないようにひっそりと、立石さんのライブとたぐコミュ人狼に行きました。いや、わたしはもううつることはないのだけど、常に忙しくてチケットを握っている友人各位にうつすのが本当に嫌すぎて、絶対に会わないようにしてもらった。来週くらいからは平気そうな気がする。心配しすぎかもしれないけれど、スケジュール飛んだ後じゃ何も出来ないんだよオタクは。

 立石さんのライブは、彼がやりたいことをぎゅっと詰めたんだろうなーということがありありと分かって、とにかく開催出来たことが本当によかったなと思った。グループから独立した直後のファンミで「いつか歌だけのイベントがやれたらいいよね」って話をしていたなぁってぼんやり覚えている。夢を叶えたんだなって、まずそれがすごく嬉しかった。
 彼のことを今の自分が「自分の推し」として見ているか、それは正直自分の中ではちょっと違うなと感じている。全現場チケットに全ツッパするとか、発売したもの全部欲しいとか、そういう熱量も正直あまり無い。でも、他の「可愛いな」「格好いいな」「素敵だな」と思う俳優の人たちとはまた少し違う特別な1人であることは確かである。もしかするとそれを世間では「推し」というのかもしれないね。それぞれの定義がありますね。

 わたしはいつも自虐的に「歴史無い系オタク」とか「思い出存在しない系」とか言ってしまう。何故なら、本当に、びっくりするくらいすぐ飽きるから。でも今日のライブで歌った曲はみんな、わたしが短いから無いようなものだなと感じてきた彼との数年間の中に確かに「あった」曲で、その1つ1つにちゃんと「あの頃の記憶」が存在していた。
 上手な通い方やチケ発のやり方が分からなかったけど精一杯楽しんだロミジュリからは『本当の俺じゃない』という1曲。ラビキンと併走することになってバタバタしたけど2列目で見ることが出来て最高だったルパンからは『俺はルシファー』『世界をこの手に』、終わって外に出たら皆既月食で月が真っ赤に染まっていたエリザベートからは『闇が広がる』。ソロカバー企画で歌った『また逢う日まで』、IVVYの卒コン以来に聞くことが出来た彼のグループ時代からのソロ曲『One』。
 「あの日の記憶」や気持ち、思い出。わたしにもちゃんとあるじゃん、って思った。そして彼の変わらない言葉選びや考え方、すぐ周りが「?」てなっちゃうお喋りや、仲間に愛される力、そして嬉しそうに笑う顔を見て、ああやっぱり特別好きになっただけあるな、って思いました。何というか、大事だなと漠然と感じた。
 わたしの中で、立石俊樹という人が他と違って特別なのは、彼が、当時わたしが最も忌避していた「2.5次元俳優」という世界ともう一度繋げてくれた存在だからだと、自分では思っている。もしかしたら彼に出会っていなくても、いつかは今の自分のようになっていたのかもしれない。エーステにいっぱい行ったかもしれないし、たぐコミュ人狼行ったかもしれないし、誰か別の俳優をすごく好きになったかもしれない。だけど、わたしの人生の中に「きっかけ」として存在してくれたのはとしくんだった。そのお陰で、戻って来た縁や繋がった新しい縁があり、楽しかったことがあり、巡り会えたいくつもの瞬間があり、このnoteだって彼がいなかったら始めていなかったものでした。だから、本当に彼に出会えて良かったなと今日改めてすごく思った。わたしの人生は彼のお陰で、間違いなく、出会う前とは違うものになった。それってすごいことだと思う。

 「永遠なんてありますか」「今、僕を好きだと言ってくれる人が10年後も同じ事を言うでしょうか」そんな台詞があったのはチョコステでとしくんが演じた役だった。わたしはあの頃も今も、永遠なんてものは無いと思っているし、例えば今「いいな」と思ってるキャラクターも俳優も、3年後のわたしは全然応援してない可能性のが高いと思う。来年には飽きてるかもしれない。何なら1か月後にはどうでもよくなってるかも。それくらい、わたしはわたし自身の「好きの持続力」を信用していない。持続させるための努力をする方でもない自覚がある。正直な話、近々大して好きじゃなくなるであろうものにお金出すのコスパ悪すぎるな、という感情も無くは無い。友人各位みたいに5年とか10年とか同じものを好きで居られたら良いんだけど、そんなの友人たちも覚悟決めて推してる訳でもないし、性格とかやりたいこととか大切にしてるものだとか、色んな兼ね合いだからどうしようもないのですよ。
 だけど、というか、だからこそ、わたしはわたしなりにこれからも「いいな」と思ったものはお金を出して、少しでも思い出を積み重ねることが出来たら良いなって思ったし、自分が振り返ったときに「こんなちっぽけなものは歴史じゃない」と感じても、それは歩んできた道として、大切な思い出として肯定していくことも必要なんだろうなって思いました。そうじゃないと日々が虚無になってしまう。
 今日見たライブには紛れもなく彼との「思い出」があり、重ねた月日があった。その実感がわたしにとってどれくらい衝撃的だったか、そしてどれほど嬉しかったか、それは伝わるものじゃないのかもしれないけど、でも本当にとても嬉しかった。わたしにもあなたとの思い出をくれてありがとう。そしてそれを「あるじゃん!」って教えてくれて、本当にありがとう。

『一緒に笑えば Love&Peace Forever』だなんて、立石俊樹すぎるアンコールのラストでしょ。そんなご機嫌な彼が、またいつかライブを開催出来ますように。願わくば、その日のわたしがまたライブ会場に行って楽しんで、今日のこともまた思い出として振り返れていたらいいなって、今日のわたしは思います。

出会えてよかったあなたに
「また逢う日まで」
僕らは選んだ道を歩いてく

また逢う日まで -from CrosSing by 立石俊樹

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