星の子

この映画は2時間見ただけでは最大の価値を発揮しない。
正直、終わり方ははっきりした結論が出るわけではないし、ハッピーエンドでもバッドエンドでもない。

病弱であった主人公の幼少期を救った新興宗教に深くのめり込んでいく両親。それを止めようとする母親の兄妹。反発し家を出る姉。幼い頃からそれが普通やった主人公。

主人公はなんの選択も自由もなくあるがままに自然と宗教に慣れ親しんでいたが、徐々に違和感を覚える。しかし、姉のように家出をすることが出来ないのは深く両親を愛しているから。信じるものは神か家族か自分か。

環境や身近な人の影響によって幼少期は様々な経験をするが、自分が選択したと思っていることは本当に自分自身が選んだのか。自らのこれからの選択は自分の信念によって決めたいと願うがそれは不可能なのではないかと疑う。何を信じるのか、信じるという行為の難しさを宗教というタブー視されている話題を用いて問題提起した今作に奥深さと映像作品の魅力を感じる

★★★★☆

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