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今流行のChatGPTといふものを、私もしてみむとてするなり

ChatGPTを使ってみて感じたことについて。

「ホワイトカラーに産業革命が来る」と言われているため、怖さと興味本位でちょっと使ってみた。

初めて聞いたときは、iPhoneのSiriや、Googelアシスタントのチャット版?という印象だったけれど、使ってみるとそれよりずっと高度な、まるで人間が考えて書いてきたかのように返答をしてくれる。

試しに人生相談をしてみた。

私:「子供を産みたいという気持ちと、産むと不自由な人生になるかもしれないから産みたくないという気持ちの間で揺れているの」

ChatGPTからの返答は…

子供を産むことについては、慎重に検討することが重要です。子供を産むことは、素晴らしい経験であり、多くの人にとって人生の中で最も重要な出来事の一つです。しかし、育児は大変な仕事であり、長期的な責任を負うことになります。そのため、子供を産むことには、将来の人生やキャリアなど、多くの面での影響があることを理解する必要があります。
子供を産みたいと思う理由は、人によってさまざまです。家族を持つことや、親としての自己実現を求めることなどが考えられます。また、子供との時間を過ごすことや、新しい命を育てるという喜びを感じることもあります。これらの理由は、健全であり、子供を産むことによって得られる幸福感や満足感を表しています。
一方で、子供を産むことによって生じる負担や制限を理由に産みたくないという気持ちも理解できます。子育てには、時間、お金、エネルギー、ストレスなどの多くの要素が含まれます。また、仕事や社会的な活動、自由な時間など、自己実現や個人的な目標を追求するために必要なリソースを減らす可能性があります。これらの制限が、産むことに躊躇する理由となることがあります。
このような状況では、自分自身が何を本当に望んでいるのか、そしてどのような人生を送りたいのかを真剣に考えることが必要です。子供を産むことが、自分の価値観や人生の目標に合致するかどうかを検討する必要があります。また、将来の人生においてどのような制限があるかを理解することも重要です。
最終的には、自分自身が決断することが大切です。子供を産むことには、素晴らしい喜びや幸福感がある一方で、多くの負担や制限もあります。自分がどちらを選ぶかは、自分自身の人生を最も良く生きるための選択となります。

ChatGPTからの回答

…なんというか、正論すぎて言い返せない。特に「自分自身が何を本当に望んでいるのか、そしてどのような人生を送りたいのかを真剣に考えることが必要です。」のくだりなんかは、ぐうの音も出ない。
(意思や感情がない存在に「本当は何を望んでいるのですか?」と聞かれるとなんだかすごく奇妙な感じがするけれど)

無料版でも、これだけの長文を1分と待たずに作ってくれる。
作れる文章も自由自在で、
「この文章を要約して」とか
「1000文字程度で書いて」とか
「小学生が書いたように書いて」とかリクエストもできる。

小学生が答えてくれた風にすると

子供を育てることはとても楽しいことだけど、お金や時間などが必要だから、育てるのは大変なことになることもあるんだよね。だから、自分の人生に合ってるか考えることが大切だよ。自分がどんな人生を送りたいのか考えて、その選択をすることが大切だよ。家族や友達にも相談するといいよ。

ChatGPTからの回答

「うんそうだね、相談にのってくれてありがとう…」と言いたくなるような返答。私みたいにコミュニケーション苦手な人間は、こいつを話相手に案外楽しい時間が過ごせそう、なんて考えてしまう。

無個性というか、何の引っ掛かりもなくさらっと読めてしまう文章だけれど。(美女の画像を合成したら最高の美女の画像ができるかと思いきや、きれいだけど何の印象も残らない女性の顔になるというのに似てるかも。)

とはいえ、世の中には、無個性でも何の問題もない文章、ビジネス文書、販売サイトの商品説明、マニュアルまとめブログ記事、時事ニュース、なども多い。

これだけだと「確かにすごいとは思うけどな…」という程度の認識だったが、以下のYouTubeを観て「やばい…」という気持ちになった。

消える仕事の中に私の仕事が入っていたことには多少、いや結構ショックを受けた。就職時、どんな状況下でも食いはぐれがないように手に職をつけようと思って選んで、自分のデキの悪さにこっそりトイレで泣いたことも数回という中で、何とか(同業の中では平均以下だけど)身につけたスキルだったのに…ChatGPTを使いこなす人にあっという間、というか秒で追いつかれる現実。それに人が作成しない方がミスなくできてしまうし。

ただ、このYouTuberさんの解説で救われたところは、ChatGPTの弱点=人間にしかできないことは何かというところまで聞けたこと。

①質の高い問いを持つ
②情報を集めアイデアをまとめて提示する
③実行する
という流れのうちChatGPTは②しかできない、①と③は人間にしかできないとのこと。(もちろん②をものすごく優秀に、短時間でやってくれるのだけれど)

人間は「この問題をどうにか解決できないかな」とか「もっと○○したいな」というような意志を持つし、それを実現したければ困難があっても試行錯誤をしたり、時に客観的に見れば「無謀、馬鹿」という行動に出て、状況を打破したりする。

AIは、相反する問題に同時に直面するとフリーズしてしまう。
人工知能の難題「フレーム問題」 - AI人工知能テクノロジー (newtechnologylifestyle.net)

人間だったら「え?そんな方法で?」という解決をしたりする…こともある。以下はそのとても極端な例。

なんとなく、現時点のChatGPTは、アラジンの魔法のランプみたいだなと思った。ディズニーの表情豊かなジーニーじゃなくて、千夜一夜物語の、感情や意志がないランプの魔人の方。
何でも実現してしまう力を持っているけれど、命じられない限り自分から何かをすることはないし、だからランプの中から出てきて世界征服したりはしない。(やろうと思えばできるのだろうけど)

ランプの魔人に何を問いかけるのか、何を実現したいと願うのか、それによってどう生きていこうとするのかというところに、人間の存在意味があり、これからますますそれが強く求められるようになっていくのかもしれないなと感じる。

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