相研メモ2.1
ネタを探していた時に、相掛かりに書いてみたい形があるのを見つけた。自分なりに整理しておきたい変化などだ。
ただ、順番として、相掛かりにはまず書き直すべき記事があることを思い出した。
相掛かりにはシリーズ的な記事があり、マガジンもある。
その中の直したい記事は、内容を読み返しても「うーん」という感じだった。
また、続きを書こうというところで力尽きた二部作のカタワレでもある。
(※下書きに、戦い、力尽きたもう半分の残骸がある)
前置きの前置きはこのくらいで。
初めに
ちょうど一年前くらいにこのような記事を書いた。
今回はこれを書き直す。
なお、今は相研は稼働していないようなものだが、タイトルはこのままでいく。
相掛かりの歩交換保留についてあらためて書いていく。
一枚目のテーマ図=後手不満なし
まずは先手歩交換+浮き飛車。後手は腰掛け銀を目指す。
ここで▲2四歩△同歩▲同飛は△1四歩で受かる(参考図)。
①▲6四飛△2八歩と②▲1六歩△6三銀は、どちらも先手がうまくいっていない。
後手はのちに歩交換した後、引き飛車にする。後手引き飛車腰掛け銀だ。
先手も腰掛け銀にするのが一例だが(参考図)、
この展開なら後手に不満はない。相腰掛け銀では引き飛車のほうが強いとされるからだ。
二枚目のテーマ図=後手不満
次は先手歩交換+引き飛車。対して、後手も歩交換する場合だ。
後手の飛車の引き場所は二箇所。ただ、相引き飛車は棒銀が受けにくい(参考図)。
こうなると△3三桂で棒銀を止めるくらいだと思うが、これは好形とは言えない。後手は避けたい形ではないだろうか。
(※先手棒銀を浮き飛車で受ける形は後手不満なし)
よって、後手浮き飛車が妥当だが、今度は先手腰掛け銀にされて(参考図)、
後手だけ浮き飛車の相腰掛け銀になる。これは後手不満だと思う。
三枚目のテーマ図=後手不満なし
次も先手歩交換+引き飛車。対する後手が、歩交換を保留する場合だ。
先手が棒銀にすると、後手はすかさず浮き飛車に構える。それは後手不満なしだった。
よって、先手は腰掛け銀を目指した。
これには後手引き飛車にし、棒銀にするのが一つだ(参考図)。
引き飛車腰掛け銀を目指すのが早いと棒銀が受けにくそうだ。これは先手不満だと思う。
また、後手は相腰掛け銀を選ぶこともできる(参考図)。
相引き飛車の相腰掛け銀は、なんとも言えない形勢だと思う。先手がどこでリードをはかるか難しい印象がある。これも後手不満なしだと感じる。
四枚目のテーマ図=後手不満なし
次は先手歩交換保留。▲4六歩と突いて待つ場合だ。
これは△8六歩の歩交換から後手引き飛車棒銀にされて、上に書いた形と似たことになる。やはりこれも先手不満。
よって、飛車先を保留するのでも▲4六歩とは突きにくいとわかった。
五枚目の図=後手不満なし
次も歩交換保留。▲7六歩で角道を開けて待つ場合だ。
これには後手も△8六歩から歩交換をする必要がある。
もし△6四歩のような手で待つと、▲7七角と上がられて歩交換ができなくなるからだ(参考図)。
これは後手不満だと思う。よって、どちらかが角道を開けた手とそれに反応して歩交換をする手はセットになる。
▲7六歩に△8六歩と突くセットの手順に進むと、7六の歩が取られそうになる。横歩取りを許すのは基本的に先手不満だ。
なので、▲2四歩から浮き飛車に構えて、飛車の利きで歩を守ることになる(参考図)。
これも▲7六歩からのセット手順だ。
この局面は先手が横歩を守ることに成功している。―――のだが、後手に冷静に引き飛車に構えられると、これも上に書いた形と似たことになる。これも先手不満だ。
▲7六歩もあまり良くないと思う。
先手が歩交換保留をする時に、▲4六歩と▲7六歩は突きづらいと言える。
六枚目の図=先手ペース
次も歩交換保留。▲5八玉で中央の歩を進めずに待つ場合だ。
対して、後手が△6四歩と腰掛け銀を目指すのは危険。
▲2四歩から歩交換をした局面では、先手がペースを握ることができる。
△1四歩に対して、先手引き飛車棒銀も有力だが(参考図)、
もっと良くする手順がある。これも先手不満ないと思うが、チャンスを逃している意味はある。
△1四歩には、▲1六歩△6三銀▲2三歩がより厳しい攻めだ。△1三角とかわすしかないが(参考図)、
▲2八飛と後手を引かれたこの時に、△5七角成がない形では次の▲1五歩が厳しく残る。後の先! これは先手ペースだ。
(※▲2三歩が打てる条件は、△5七角成とされないことと▲1五歩の攻めがすぐにあることだと思われる)
先手が▲5八玉で歩交換を保留した場合、今度は後手も中央の歩を突きにくくなっているのだ。
また、先手が▲6八玉で歩交換保留をした場合もほぼ同じ理屈で後手が中央の歩を突きにくくなる。これを書くのは省略する。
七枚目の図=先手ペース
次も歩交換保留。▲1六歩と端歩で待つ場合だ。
これに△6四歩だと、上に書いた形と同じ局面になる。
先に▲1六歩が入っているので、先手は▲5八玉で5七を受ければ▲2三歩で攻める展開に持っていけるのだ。
先手が▲1六歩で待った場合も、後手は中央の歩を突きにくい。
八枚目の図=後手不満
次も歩交換保留。▲9六歩と逆側の端歩で待つ場合だ。
これに△6四歩なら、一気に先手ペースにされることはないと思う。
ただし、先手引き飛車棒銀にされると、先手ペースというほど形勢をリードされないとは思うものの、これはこれで後手不満の展開になる。
先手が▲5八玉、▲6八玉、▲1六歩、▲9六歩のいずれの手で歩交換を保留した場合も、後手は中央の歩は突きづらいと言える。
九枚目の図=一局
最後に、歩交換保留の▲5八玉△5二玉と待ちあった形を見る。
お互いの待ち方の組み合わせで無数の形があるが、これを一例とする。
△5二玉に▲7六歩と突き、以下セット手順に突入したところ。上に書いた後手不満なしの形と似ているが、これならほぼ互角の形勢だと思う。
▲5八玉と△5二玉の交換が入っているのが理由で、5二玉型は引き飛車腰掛け銀の威力が下がっている。
たとえば、先手が横歩を狙った局面(参考図)。
玉が飛車の横利きを止めている。これは先手ペースだと思う。
これがもし後手が一手損していて、5一玉型になっていたら(参考図)、
先手の攻めが受けやすく後手不満なしになるところだと思う。
後手が△5二玉と待ったのは一例にすぎないが、5二玉型に対しては、先手は引き飛車腰掛け銀を気にせずに浮き飛車にできるとは言える。
(※それなら後手も浮き飛車にするというのも考えられる。相浮き飛車だ。このあたりが最近の相掛かりで空中戦が多い理由の一つのような気もする)
終わりに
相研メモと題したシリーズは、その後に書く記事の要約のつもりだったのだが、これの前の『相研メモ2』の続きの記事は書けなかった。
この記事も続きがあるかは不明だ。とはいえ、これ単体でもある程度読めるようになっているつもりである。
この記事の続きはともかく、なんらかの記事を書くことは緩く続けてみたい。
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