栗研次の一手 #1

前置きはなし。早く更新しないといけないのだ。

問題数は4問。問題を続けて出した後、答えと解説を続けることにする。

問題1

note図_001

後手番。5手。

(※後手が素直に応じた順を答えとします)

寄せの問題。

後手玉はゼットなので、思い切った手順が可能だ。

王手や詰めろの連続で迫る速い寄せがないかを考えたい。

問題2

note図_002

後手番。3手。

角を打たれたところ。

ひとまず自陣に目を向けて、相手の角の周りを見てみよう。

この角は意外と狭い。

問題3

note図_003

先手番。1手。

詰みはなさそうだが、かなり迫っている局面。

先手玉には一手の余裕があるので、うまく相手玉を縛りたい。

縛るうえでの急所はどこだろうか?

問題4

note図_004

先手番。1手。

比較的序盤に近い局面から。

後手陣には実は隙がある。それはどこか?

駒を目一杯に使った駒組みだが、がんばりすぎているところがないだろうか。

答えと解説1

では、答えと解説にうつる。

答え:△6九角成▲同金△同竜▲同玉△8八金

note図_005

大駒を二枚とも切って、△8八金と打てば有名な必至形が得られる。

5手先のこの形が見えたかがカギになった。

ここまでくれば後手の勝ちだとわかるが、では、先手が素直に取ってこなかったらどうなるか。

角を切った手に▲8八玉と逃げる手から考える。粘りのある手である。

これには、△6八馬▲同金△7九銀と追いかける。

note図_006

以下、▲9七玉△6八銀不成くらいだと思われる。

その局面の先手玉は詰めろではないが、受けにくい2手スキとなっている。後手玉が安全なので、それでも後手が勝ちそうだ。

また、角切りを取った後、竜切りの時に▲7七玉と逃げる手もある。

これには△7八金▲8六玉△8九竜が詰めろだ。

note図_007

これは必至こそ逃れたものの、手数を稼ぐことはできていない。これも後手が勝ち。また、粘るとしてももう一つ上の図のほうがまさると思う。

答えと解説2

答え:△5一竜▲6三角成△5三金

note図_008

角を追っていき、金寄りで馬が詰んでいる。空中に竜の支えで寄るのが意外と見えにくかったかもしれない。

こうしておくと、先手はなにかの駒と馬を刺し違えてくるので、後手は手駒を蓄えることにもなる。

この後は、▲7四桂△同銀▲同馬△同金が一例。

note図_009

こうなると後手の持駒が増えたので、先手玉も怖い格好になっている。

また、後手玉が安全になったとは言えないが、玉周りがすっきりとしたので、実戦的に受けを読みやすくなったと思われる。

▲7六銀と桂を取るのは△6六桂が激痛なので、先手は指す手が難しくなっていると思う。

答えと解説3

答え:▲4三銀

note図_010

一手で必至。必殺の一手だった。

問題図では▲1三角~▲3五角成が有力な王手だが、3四~4三のルートで玉を逃してしまう。

note図_011

そこでそのルートを押さえるような縛り方を考える必要があった。

▲4三銀は3四に利かせた詰めろ。

ただやんのところに打った銀だが、△4三同金直と取るとこれも詰むのだ。▲1三角△3四玉▲3五角成。

note図_012

この時に、金が4三に移動していると玉の逃げ道がない。退路封鎖の手筋である。

よって、銀打ち一発で後手玉は受けなしだった。

答えと解説4

答え:▲6五歩

note図_013

歩で角を追った時、よく見るとこの角はどちらに引くこともできない。

桂の利いているところだが、角、桂と頭の丸い駒が並ぶため、今度は跳ねた桂への利きがない。

▲6五歩△同桂▲6六銀と進むと、桂が危ないのだ。

note図_014

以下、△8六歩と突くしかない。

これを▲同歩と取ってくれれば、△同角▲同角△同飛▲8七歩△8五飛で、後手は桂を助けることができた。

note図_014

これは先手が失敗だと思う。

しかし、△8六歩と突かれた時に、これを無視する強手がある。

▲6五銀△8七歩成▲同金△8六歩▲7七金左。

note図_015

これで耐えるのである。

8七に打ち込む駒を、後手は持っていない。

△4六角と切るのも、▲同角が飛車に当たるため無効だ。

というわけで、▲6五歩を突けば先手は桂得することができた。

これで終わり。おつかれさまだ。

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