第7章 東京恋愛物語(ドラブラメインストーリーまとめ)その7

 スマートフォン向けMMORPGコード:ドラゴンブラッドメインストーリーのまとめです。

悪夢の結婚式

絵梨衣の状態は不安定だ

 落ち着きを取り戻した絵梨衣はようやく眠りに落ちましたが、竜化は完全には解除されておらず、ところどころ鱗が残り、血管も拡張し続けています。このままの状態が続けば、またいつ暴走するか分かりません。

 ロ・メイヒと《プレイヤー》は絵梨衣の眠りを妨げないよう窓辺に移動しました。ロ・メイヒもまだ混乱している様子で、先程悪夢を見てしまったと言います。

「河辺に自分が立っていて、結婚式に来ていたみたいだった……」

ロ・メイヒ
純白の花婿衣装を着たロ・メイヒ

 ロ・メイヒは自分が純白の花婿衣装を着ていることに気付きます。ブライズメイドたちに導かれて階段を上がると、そこには花嫁衣装の絵梨衣がいました。

本当に結婚するのかな?

 誓いの言葉を述べ、指輪を交換しようとした時、ロ・メイヒの中に「本当かな……」という疑念が生じます。ブライズメイドたちがはっとして「そうだ! 忘れてた!」と叫びだしました。

「早く傀儡を焼かなくちゃ!」

ブライズメイド

 彼女たちの視線の先には十字架のようなものに拘束されたノノの姿がありました。ロ・メイヒが慌ててて駆けつけ、間一髪のところで彼女が火にかけられるのを阻止。ほっと胸を撫で下ろすロ・メイヒでしたが……

ノノを焼かせるわけにはいかない!

 その時背後から火が上がり、ひとり取り残された絵梨衣が炎に巻かれてしまいます。

絵梨衣が危ない!

「絵梨衣!!!」

ロ・メイヒ

それぞれの決断

 絵梨衣がまだぐっすり眠っているのを確認し、ロ・メイヒと《プレイヤー》はシーザーたちのところへ向かいました。今後の方針を確認しなければなりません。

 酒徳麻衣からのメッセージも届いていました。

花嫁は花婿を腕の中にかばった
決して誰にも彼を傷つけることをさせない
彼は彼女のすべてだから

 絵梨衣が竜化しても彼女を撃たなかった麻衣。
 王将との交戦でそれどころではなかったのかもしれませんが、現在も動きがないところを見ると、もうしばらくは我々を信じて泳がせてみるつもりのようです。

 さて、久しぶりに高天原にやってきたロ・メイヒに、シーザーは開口一番、服を脱ぐよう命じます。そういえばロ・メイヒは先程の戦闘で、バットで殴られ銃で撃たれナイフで刺され散々な目に遭っていたはずなのですが……

傷口が全て塞がっていた

 通常ならその場で失血死するはずのところ、ロ・メイヒの全身の傷口は全て塞がっていました。ソ・シハンは、彼の傷口は怪我した瞬間に自己治癒を始めたと考え、このような治癒能力は皇である源稚生すら超えた、と驚きます。以前ロ・メイヒが怪我した時には、このような治癒力はありませんでした。

そろそろ服着なよ

 そうそう、絵梨衣のことを相談しなければ。

「上杉家当主を連れ日本を離れろ」
「これが唯一の方法だ。明日の早朝4時ちょうど、彼女を港に連れて行け。後のことはもう手配済みだ」
「もし彼女が暴走した場合、その場で始末するかは君が決めればいい」

シーザー

 シーザーは錬金弾「燃焼の血」を用意していました。純粋な火元素の弾で、ターゲットに命中すればこの世で最も強烈な火焔により全身を焼く、恐ろしい対竜族兵器。絵梨衣に対して使えば、あの悪夢よりももっと凄惨な結果となるでしょう。

「彼女は何も知らないのに……」

ロ・メイヒ

 錬金弾をバッグに詰める《プレイヤー》の隣でロ・メイヒは沈んだ顔をしています。自分をあそこまで信頼してくれている絵梨衣を殺す準備をしているなんて……
 重い気分でホテルに戻ります。

絵梨衣は洗面台のところにいた

 絵梨衣はもう起きていて、鏡の前でドレスを着替えていました。ロ・メイヒが彼女のスタイリングを褒めると、彼女は嬉しそうに笑い、スケッチボードを見せてきます。

"Sakuraに伝えたいことがあるの"

上杉絵梨衣

 茶の間に座り、絵梨衣の話を聞きます。

"帰らないと"
"家族が連れ戻しに来るわ。帰らないとSakuraに迷惑がかかる"

上杉絵梨衣

 家族に見つからないところに行ける、とロ・メイヒは提案しますが、絵梨衣は応じません。

"無駄よ。私は勝手に外に出ちゃダメなの。出歩くだけでみんなに迷惑がかかるのよ"
"いいの。元々長く持たない身体だから"

上杉絵梨衣

「ずっと頑張っていたんだね……」

ロ・メイヒ

"ううん、Sakuraと遊ぶのは楽しい。だから頑張れるの"
"今が人生の中で一番自由な時間。今までは無かったし、今後二度と訪れない"

上杉絵梨衣
絵梨衣が自分の家のことを話したのは初めてかも

"外の世界が見たかったら、大きな犠牲を払わないといけない。そんなのとっくに知っているわ"

上杉絵梨衣

 絵梨衣は決して、聞き分けのないわがままな家出少女ではないのです。一族の事情も、自分に課せられた運命も何もかも理解して達観している彼女が、人生の中で最後に求めた自由が、ロ・メイヒと過ごす1週間だったのでした。

 「絵梨衣はすごいや」とロ・メイヒに褒められた彼女は、いつものあどけない顔で嬉しそうに笑いました。

「行こう。あと1日だ。君が行きたがっていた所を全部巡ろう」

ロ・メイヒ
そうと決まればさっそく準備だ!

 ロ・メイヒは絵梨衣のためにお菓子やおもちゃを用意。《プレイヤー》はレンタカーショップで車を借ります。もちろん、一番いい車を!

 この時ロ・メイヒの心の中でも、最後の決断が下されていたのでした。

「行こう、最後の旅行だ!」

ロ・メイヒ

(その8に続きます)