第9章 天も地もない場所(ドラブラメインストーリーまとめ)その1

 スマートフォン向けMMORPGコード:ドラゴンブラッドメインストーリーのまとめです。

前回のあらすじ

 昨年、ロ・メイヒとソ・シハンは新入生の夏弥と親しくなるが、その正体は竜王イエメンジャドだった。竜殺しの宿命に従い、彼女はソ・シハンの手で討伐されたが、在りし日の夏弥は今もソ・シハンの心に生き続けているのであった。
 時は変わって現在。風間瑠璃はシーザー小隊にある重要な知らせを持ち込んだ。それは橘政宗と王将、すなわちかつてのボンダレフとヘルツォークが「天も地もない場所」にて密会するというものだった……

第9章 天も地もない場所

電波塔へ

天も地もない場所ってどこやねん

 「天も地もない場所」ーー
 それを聞いたロ・メイヒは「あれって、電波塔?」と呟きました。風間瑠璃は頷きます。

「ああ、電波塔に高速エレベーターで行ける、特別展望台があるらしい。そこでの会話は、人にも神にも聞かれない」
「王将のようなヤツは、高いところが好きなのさ。皇帝のように下界を眺めたいんだ。明日の深夜0時、ヤツらは必ずそこで会う」
風間瑠璃

 風間瑠璃の目的はただ一つ、王将を殺すこと。これには大きなリスクが伴います。シーザーは、王将の行動がカッセル学院のタブーに関わる証拠を掴まない限り、協力はできないと言いました。
 これに対し、風間瑠璃は王将が自らを竜にしようとしていると言い、その危険性を強調します。

確かに竜は絶対殺さなきゃだもんね
「君達3人には、電波塔周辺でヤツらを待ち伏せしていてもらいたい。もし何か仕掛けてきたら、すぐに王将を殺しに行ってほしい」
「貴校のフィンゲル・フォン・フリングスは盗聴の専門家らしいじゃないか。彼の新聞部では、さまざまな情報を暴露しているとか」
「これ以外にもう一人、電波塔周辺のコントロールを任せたい。ライフルの使用に長ける、遠距離に強い者が適任だ」
風間瑠璃

 風間瑠璃が狙撃手に任命したのはロ・メイヒ。そういえば風間瑠璃は以前からロ・メイヒを高く買っていましたね。

「会えて嬉しいよ、Sakura君。ずっと会いたいと思ってたんだ。僕はその目を気に入っているのさ。しかし不思議だ。獅子のような目を持っていながら、ずっとそれをひた隠しにしている」
風間瑠璃
この作戦には絵梨衣の命運もかかっている……?
「王将が橘政宗に電話をしたのは、上杉絵梨衣がオロチ八家に戻ったその時だ。ただの偶然だと思うか? 僕はそうは思わない」
「橘政宗が苦労して彼女を育てたのは、何のためだろうな? もしこれを阻止できたなら、彼女のことも救えるかも知れない」
風間瑠璃
ロ・メイヒも覚悟を決める
「分かった、入るよ」
ロ・メイヒ

 シーザーチームは作戦への協力を承諾。いよいよ王将との戦いが始まります。


作戦開始

 シーザー、ソ・シハン、《プレイヤー》は電波塔周辺に潜み、盗聴担当フィンゲルは飛行船に搭乗、狙撃手ロ・メイヒは向かいのビル、そして風間瑠璃は電波塔内へ。

堕武者を警戒するソ・シハン

 電波塔周辺には堕武者が相次いで出現。王将か橘政宗のどちらかの手下でしょう。協力して敵を倒しつつ、車の陰に身を潜めてターゲットの到着を待ちます。

 その時、正体不明の車両が一台、現場にやって来ました。それに乗っていたのは橘政宗。

豪快に登場する橘氏
「旅に病んで……夢は……枯野をかけ廻る」
橘政宗
「長らく経つが、やはり私達は早めに到着するという習慣が抜けんな、ボンダレフ少佐」
王将

取引

ついに二人が再会を果たした
「あれから随分経つが、未だに世界の王を目指す道を歩み続けておるのか、ヘルツォーク博士」
橘政宗

 王将はかつての旧友に、昔の声を使おうと提案します。王将の隣にヘルツォーク博士のホログラムが立ち、会話を続けます。

ヘルツォークのホログラム
「そう、この道は私が思っていた以上に長かった。だが、君もよく知っている通り、私はどんな代償もいとわない」
「血なまぐささは高貴であり、美であり、種が進化する力。血なまぐさい王だけが本当に生きている。彼の臣民は食物だ」
ヘルツォーク
「ぬしの国は、食卓のようにも聞こえるぞ。ぬしだけが食事をするな」
橘政宗

 ヘルツォークは、王とは元々孤独なものであり、彼が支配しているものとは異なる圧倒的な力と美しさを持つ種族であると主張し、橘政宗の牽制をはぐらかします。

「あなたと私、2人とも素晴らしい嘘つきで野心家だ! 私達みたいな悪魔は、神の救いを望めるだろうか?」
ヘルツォーク

 彼の計画のために、ブラックスワンを始めどれだけの犠牲が払われたのでしょう。「あんなにイカれたことをして来たんだ。まだ神の救済を望むのか」と呆れたように言う橘政宗の隣には、いつの間にかボンダレフのホログラムが立っています。

ボンダレフのホログラム
「取引の話をしよう」
ボンダレフ
手を組もうと持ちかけるヘルツォーク

 王将ことヘルツォークは、オロチ八家が白王の聖骸が眠るとされる蔵骸の井戸を探していることを知っていました。

 完全な竜血を持つ者が聖骸を手に入れれば、竜へ進化することが可能となります。しかし、いくら白王の末裔とはいえ、オロチ八家が受け継いでいる白王の血統は不完全。このまま聖骸に寄生されてしまうと、力を制御できない化け物と化してしまいます。
 聖骸の在処を突き止めかけているオロチ八家と、完全な進化薬を作ろうとしているヘルツォーク。両者が手を組むことで初めて竜の復活が実現します。

 しかし橘政宗はヘルツォークの提案に釈然としないものを感じているようです。

「ぶっちゃけお前わしの事信用しとらんのやろ?」
「お前がすぐ嘘つく奴ってことも織り込み済みやで」

 橘政宗ことボンダレフは、ブラックスワン爆破作戦の後にヘルツォークを裏切り、背後から銃撃した前科があります。彼の偽装の上手さと狡猾さをヘルツォークはよく知っていました。
 そんな橘政宗だからこそーー稚生は今でも彼が正義のために動いていると信じているし、絵梨衣は保護者として彼を信頼し、その命令に無邪気に従います。その点にヘルツォークは感心しており、仲間として期待できると言いました。

(その2に続きます)