第7章 東京恋愛物語(ドラブラメインストーリーまとめ)その5

 スマートフォン向けMMORPGコード:ドラゴンブラッドメインストーリーのまとめです。

孤独な怪物

五目チャーハンを食べたがる絵梨衣

 4日目。外はあいにくの雨です。デリバリースタッフが五目チャーハンを届けてくれたので、ひとまず朝ごはん。
 絵梨衣は五目チャーハンをいたく気に入ったようで、お昼も五目チャーハンが食べたいと言って聞きません。
 ロ・メイヒがよく考えるように促して出た答えは……昼は五目チャーハン、晩御飯は北海道ラーメン、夜食はミートピザ。ロ・メイヒは思わず頭を抱えます。

 することもないので《プレイヤー》は高天原に。ちょうど「東京恋愛物語」スタッフチームが個室で会議をしていました。
 酒徳麻衣は、撮影3日目になっても二人の関係に進展が見られないことに悩んでいるようです。

 これにはカウンセラーの鈴木良治も挫折感を味わっています。大多数の人間は同調性を持つものですが、ロ・メイヒと絵梨衣の心理は複雑すぎて何を考えているのか分からない。彼らは美しく孤独な怪物同士なのです。

 麻衣は、二人の恋は自分たちに任せてくれればいい、《プレイヤー》は絵梨衣の精神状態だけを気に掛けてくれと念押しします。絵梨衣が暴走し、竜化してしまえば、この計画も全てが水の泡になってしまうのですから。


浅草寺にて

 雨が上がりました。ホテルに戻ってロ・メイヒと絵梨衣と合流し、今夜はタクシーで浅草寺へ向かいます。

画家が描いてくれた絵

 浅草寺では、画家が無料で絵を描いてくれたり、おかみさんが焼きたての人形焼きをくれたり、僧侶がおみくじを勧めてきたりと、皆やたらと親切です。

おみくじの結果は大吉

 疑ったロ・メイヒが僧侶を問い詰めると、とうとう僧侶がボロを出し、全て何者かの差し金だったことが分かってしまいました。やはり、こんなことをするのはロ・メイタクしかいない……

この悪魔、絶対に楽しんでるな?

 メイヒの意識はメイタクの精神世界へ。
 メイヒが「おちょくってんのか」と詰め寄ると、メイタクはあっさり関与を認めました。「上杉家当主と2人じゃつまらないかな、と思ったから、楽しませようとしたのに」と笑いながら言います。五目チャーハンの手配もショッピングモールの割引も、案の定彼の仕業でした。

「悪魔のお客様係として、僕の目的は、兄さんの魂を全部手に入れることだもん。兄さんを遊びで殺すのが、僕の仕事だよ。遊ばしてくれないなんて失業しちゃうよ。ウルウルウル」
ロ・メイタク

 ウルウル目で可愛こぶっても、言ってることはかなり悪質ですけどね?

メイタクを遠ざけようとするメイヒ

 メイタクはメイヒに従い、スタッフに撤収命令を出しました。周囲にいた観光客や宣伝スタッフがぞろぞろと退散し、その数にメイヒは驚きます。みんなメイタクが用意したサクラでした。 

 浅草寺の住職だけがその場に残りました。彼が引かせたおみくじだけは、仕込みではなく本物の結果だったそうです。ロ・メイヒは先程のおみくじの解説を求めますが、住職は「何を望むかによって解釈は異なる」「大吉が出たなら良い結果にはなるだろう」とだけ教えてくれました。

一日中監視されてるのヤダなぁ

 酒徳麻衣から通信がきました。これまでのところ計画は順調。ただ、ロ・メイヒが計画に気付いてしまったため、今後は警戒するかもしれないと言います。

「東京恋愛物語は、彼のための計画じゃないもの。可愛いお嬢さんのためにやっていることよ」
「彼女にとってロ・メイヒは、ヒーローなのよ。彼と行けるなら、どこだって楽しい場所になっちゃうの」
「16歳の時に、そういう男性が自分の目の前に現れたら、誰だって恋をしてしまうものよ」
酒徳麻衣

 ハプニングはありましたが、今日も絵梨衣はお出掛けに満足したようです。


狙撃手

 タクシーを降り、ホテルへ向かおうとした時、《プレイヤー》は「ボス」と連絡をとる麻衣の声を聞きました。

麻衣とロ・メイタクの物騒な会話
「ボス、今狙撃地点に向かっています。もしも花嫁が本当に……分かりました。決して失望はさせません」
酒徳麻衣

 狙撃、という物騒な言葉も飛び出し、たたならぬ雰囲気。《プレイヤー》が密かに麻衣を尾行すると、彼女は高層ビルの屋上へと向かっていきます。

対竜族専用の特殊弾。何をする気だ……?

 しかし麻衣は忍者。当然《プレイヤー》の尾行にも気がついていました。初めからそのつもりだったのか、彼女はスナイパーライフルを手に、計画の内容を話してくれました。

「これはAS50スナイパー、私が得意とする武器の1つよ。2キロ以内であれば、失敗することはないわ」
「装填されている弾は全部で5発。どれも、賢者の石で作られたものよ。竜王だとしても、倒せるわ」
「ターゲットは……私達の愛しい花嫁よ……」
酒徳麻衣

 麻衣は絵梨衣を撃つつもりだったのです。現在、絵梨衣は不安定で、いつ制御不能に陥ってもおかしくない状態だといいます。東京で破壊を繰り広げる訳にはいきません。
 麻衣は今すぐ彼女を殺すつもりではなかったようです。しかし差し迫った場合には、迷わず絵梨衣を殺さなければならない。その準備は常にしておかなければなりません。

絵梨衣を制御できなくなったら、殺すしかない

 さらに麻衣は、絵梨衣は神の封印を解くカギの1つであり、敵の手に落ちれば東京のみならず日本全体がどうなるかわからないと言います。

これは日本の命運を左右する任務なのだ
「だから、任務を全うしなさい。ホットミルクを絵梨衣に渡して、ゆっくり眠ってもらうのよ」
酒徳麻衣

 麻衣と別れ、《プレイヤー》は暗い面持ちでホテルへと戻ります。よほど具合が悪そうに見えたのか、心配したロ・メイヒが声をかけますが、彼らに今の話を伝える訳にはいきません。《プレイヤー》は適当にはぐらかし、重い気分のまま床につきました。


(その6に続きます)