第19章 あの頃の同級生(ドラブラメインストーリーまとめ)その3

 スマートフォン向けMMORPGコード:ドラゴンブラッドメインストーリーのまとめです。

ソ・ショウケンの病室

 時間は遡りーー
 トンおばさんと別れた一行が聖心仁愛病院に辿り着いた直後。

 夜中に女性に面会に来たとなれば怪しまれるため、ノノは雨宿りを装って病院に入ろうと提案。男性であるロ・メイヒは警戒されないよう病院着に着替え、院内を調査します。

 ソ・ショウケンは3階の個室に入院していました。そっと部屋に忍び込み、室内で手がかりになりそうなものを探します。
 部屋にはギターや、ホットミルクを飲むためのカップ、日記帳などがありました。日記によればショウケンは時折、看護師の目を盗んで甘いものを食べようとしているようです。まるで子どものように天真爛漫な女性だ……

 その時、物音に気づいたのかショウケンが目を覚ましました。

有名なダンサーでもあるショウケン

 ショウケンはロ・メイヒを警備員だと思ったようで、警戒する様子はありません。困った様子のメイヒを見て、話を聞こうとしてきます。ゴシップに興味津々なところは息子とそっくりです。

 ロ・メイヒは友達が失踪したと打ち明け、ソ・シハンとの思い出を語り始めます。

 すると、次第にショウケンの目に涙が溢れ出しました。

ソ・シハンに同情し涙を流すショウケン

「おばさん、何故涙を? 何か思い出したとか?」

ロ・メイヒ

「いいえ、ただあなたのお友だちがかわいそうで。とてもいい子なのに。私の子もそのくらいお利口になるかしら」

ソ・ショウケン

 夫とはずっと前に結婚したものの、長いこと子供に恵まれなかったというショウケン。しかし最近妊娠がわかって、ここに入院してきたのだと言いました。

 ロ・メイヒは平静を装って病室を後にしましたが、その笑顔が引き攣っていることをノノに指摘されます。

「ノノ先輩、つまらない質問をしてもいい……?」
「もし、もしもだよ。いつか僕もこの世界から忘れられたら、誰か探しに来てくれるかな?」

ロ・メイヒ

「フィンゲルはあなたのことが大好きだから、どこまでも探すと思うわ。ソ・シハンっていう人も本当にいるんなら、あなたを探すはずよ。相思相愛って感じよね。シーザーだって探しに来てくれるかも。あの人、あなたを義理の息子みたいに思っているわ」

ノノ
ノノは厳しいけど、いつもロ・メイヒを気にかけている

「もし、男たちじゃあなたを見つけられなければ、私が一肌脱ぐわ。どこにいようが、必ず見つけてみせる!」
「あなたは私の子分よ。守ってあげるって言ったもの。でまかせなんかじゃないわ!」

ノノ

 この世にはあなたを心配する人がたくさんいる、あなたには友達がいる……
 ノノがロ・メイヒを叱咤し、ロ・メイヒの顔にようやく笑みが戻りました。


欠落と補完

 車で移動しながら、一行は病院での出来事を整理します。

「先輩、あの産婦人科って……」

ロ・メイヒ

「何言ってるの? あれは産婦人科じゃないわよ」
「産婦人科なら、赤ちゃんの泣き声がするでしょ? 妊婦がいるなら、医者や看護師の往診がないのは変だわ」

ノノ

 ロ・メイヒがネットで調べると、聖心仁愛病院は精神病院だということが分かりました。ショウケンが妊娠しているというのは彼女の勘違い。彼女は精神疾患をわずらい、あの陸の孤島のような病院に隔離されていたのです。
 これで突破口が見えた、と呟くノノ。

「おかしな病に侵されたソ・ショウケンという女性は、頑なに自分の妊娠を言じている。どうしてそんな病に侵されたと思う?」

「元々は彼女には息子がいたの。だけど、突然いなくなった。彼女の記憶で最も大切な部分。それが突然なくなって問題が生じた。だから、もうすぐ息子を生むという妄想をするようになった。ソ・シハンの空白を補おうとして」

ノノ
目の前の状況から推理するノノ

「もしくは、私たち全員が、人ひとりの存在を消せるほどの何らかの力に影響されているか」
「人間関係に穴を空け、空いた記憶を再び構築できるほどの力。残る歪みも普通は気付けない。でも、母親にとってこの歪みはどうしても無視できない。だから正気を失ってしまったのよ」

ノノ

 そんなことを話しながら橋を渡っていると、不意にカーナビの位置情報にエラーが生じました。
 ここは……高架橋のニーベルンゲン!

いつの間にかニーベルンゲンに閉じ込められていた

「ふうん、なるほどね。真相を推測できたその時から、誰かにずっと監視されている気分よ。何とかしてほしいわ、まったく」

「8年前のあの夏の夜、ソ・シハンの父親もここで急ブレーキをかけたわよね……。何に出くわしたのかしら?」

ノノ

 ロ・メイヒの脳裏に不安と恐怖がよぎります。意を決して、一行は車を降りました。


(第20章に続きます)

余談

 2021年5月のイベント(潮干狩り?)で、ソ・シハンやショウケンのボトルメールを読むことができました。

今思えば意味深なメッセージですよね

 当時のメインストーリーはまだヤマル号に乗っていた頃ですが、この後の展開がほんのり匂わされていたとは……
 妙な予感がしてスクショに残していた私、偉いぞ!