見出し画像

【ドラブラ】結局ヘルツォークの「竜化計画」とは何だったのか

 スマートフォン向けMMORPG『コード:ドラゴンブラッド』のラスボス、ヘルツォーク博士。
 人間の身でありながら純血の竜王となることを目指した彼の計画はどのようなものだったのか、推定も含めつつまとめてみました。

ヘルツォークについて

ヘルツォーク博士

 本名ユング・フォン・ヘルツォーク。
 かつてはドイツ科学アカデミー最年少の科学者として将来を嘱望される人物でした。研究分野は遺伝子学であったと推定されます。

 当時の彼の目的は、竜族の遺伝子を持つ軍隊を作って世界を支配すること。この時はまだ、自身が竜になるという発想はなかったようです。

 1946年、彼はシベリアの名もなき港(後のブラックスワン港)で「δプロジェクト」(竜族と混血種の研究)を実行します。

 氷層に閉じ込められた第一世代の竜の亡骸を調査する傍ら、世界各地から遺伝子に欠損を持つ子供たち(混血種)を集めて孤児院を運営。さらにドイツの遺伝子バンクに収められていた混血種の遺伝子サンプルをもとに混血種の胎児を作り出したり、動物にも竜血を投与して人工的に竜化生物を作ったりもしていました。

 1991年、ソ連崩壊のこの年、ボンダレフがブラックスワン港を訪れたことで計画は大きく動き出しました。


計画始動
 ブラックスワン港爆破作戦

 ソ連の某秘密組織のスパイにして遺伝子研究者でもあるボンダレフは、もしかするとヘルツォーク以上の野望と計画性を持った人物であったかもしれません。

ボンダレフ少佐

 ボンダレフは日本の海底にある竜族の遺跡(神葬所・高天原)と白王の情報を掴んでいました。彼が目指すのは竜族への進化と、世界の頂点に立つこと。そこでヘルツォークに計画への協力を求めたのです。

 さて、ゲーム本編第13章でヘルツォークが語ったところによると、人類が新しい竜族として進化するためには次のことが必要だったと考えられます。

① 蔵骸の井戸に封印された「聖骸」の入手
② 完全な血統を持つ「器(絵梨衣)」の入手

 その材料が、実はブラックスワン港に隠されていました。聖骸を目覚めさせるためには別の古竜の命を捧げなければなりませんが、先述の第一世代の竜は実は死んでおらず、内部に繭を隠して目覚めの時を待っていたのです。

第一世代の竜の亡骸
実は内部で繭が生きている

 さらに、ヘルツォークが生み出した試験管ベビーの中には、白王の末裔たるオロチ八家の先代影皇・上杉越を遺伝子上の父とするπ(稚生)、ω(稚女)、ξ(絵梨衣)らがいました。

 この頃、カッセル学院がブラックスワン港での研究を怪しんでいるという情報もありました。研究拠点の移転と証拠隠滅を兼ねて、ヘルツォークとボンダレフらはブラックスワン港を丸ごと爆破することにしました。

 しかしこの時、ボンダレフはヘルツォークを裏切って背後から発砲。彼を爆炎の中に置き去ったまま繭と胎児を奪ってしまいます。
 ヘルツォークは瀕死の重傷を負いますが、シベリアの雪と寒さのおかげで一命を取り留めました。これが序章で語られたブラックスワン港爆破作戦の真相です。


ボンダレフ殺害
 オロチ八家との接点ができる

 その後ボンダレフは日本に拠点を移しました。白王の血統の秘密を握るオロチ八家に接近するため、日本人の顔に整形手術をして極道組織になりすまします。恐らくこの頃から、彼は橘政宗を名乗っていたのでしょう。

 もちろん裏で神復活の準備も進めていました。繭は自分の目覚めに相応しい場所を求めます。この繭の性質を利用して、ボンダレフは白王が封印されている高天原の場所を特定しようとしたと思われます。

 目論見通り、潜水艇レーニン号に乗せた繭は日本海某所で活性化。船室を侵食し、高天原の底に沈みました。

高天原に沈んだ繭

 ボンダレフは別の船に乗り換えて付近の海域を調査していましたが、彼を追って日本に来ていたヘルツォークに殺され、研究成果と身分を奪われてしまいます。

 皇血を受け継ぐ稚生は、実力主義のオロチ八家において後継者と認められるほど立派に成長します。橘政宗(ボンダレフ。今やヘルツォーク)は義父としてその信頼を得つつ、己の立場を揺るぎないものにしていったのでしょう。


猛鬼衆のリーダーとして
 王将の誕生

 これと並行して、ヘルツォークは猛鬼衆のリーダー、王将としての顔も持つようになります。

猛鬼衆のリーダー 王将

 オロチ八家の方でももちろん白王についての調査を行なっているのですが、彼らだけに任せていては時間がかかりすぎてしまいます。
 そこで、オロチ八家と対立する組織、猛鬼衆を率いて神の復活・聖骸の入手を目指します。オロチ八家はこれを阻止するために調査を急がなければならなくなりました。

 オロチ八家には優れたリーダーの稚生がいます。そこで王将は拍子木の力で稚女の悪鬼としての人格(風間瑠璃)を覚醒させ、猛鬼衆の幹部に仕立て上げます。
 兄弟の対立も、計画の進行に一役買いました。

 王将は研究の副産物として得た竜化薬(モロトフカクテル)を使って、血統の不安定な混血種を鬼に変え、手勢に加えました。桜井明や桜井小暮などがそうですね。


稚女の裏切りと
電波塔での自作自演

 ところが桜井小暮を駒として使い捨てたことで、王将は風間瑠璃の怒りを買ってしまいます。

 風間瑠璃はシーザー小隊と結託して王将を殺す計画を立て、オロチ八家と橘政宗の秘密(源氏重工で堕武者を大量に飼っていたことなど)も暴露してしまいました。稚生も父に疑いを持ち始めています。
 しかも、計画上最も重要な存在である絵梨衣まで誘拐されてしまう(実際は絵梨衣の家出にロ・メイヒが付き合わされただけ)など、想定外の事件が続けて起こります。

 これはまずい……

 そこで王将は「電波塔で王将が橘政宗と密会する」という情報を風間瑠璃に流し「橘政宗と王将が殺し合い、橘政宗が堕武者から稚生を庇って死ぬ」というシナリオを自ら演じました。

電波塔での自作自演

 これで橘政宗=王将であることに気付く者はいなくなりました。父を亡くした稚生は猛鬼衆の野望阻止にいっそう力を入れるようになり、計画進行の上でも一石二鳥。

 この頃にはオロチ八家が聖骸の在処(蔵骸の井戸・赤い井戸)を掴んでいたこともあり、不要となった橘政宗としての人格を処分する意味もあったのかも。(なお橘政宗はこれ以前に稚生に竜化薬を渡していたようなのですが、その目的はよく分かりません。いずれ稚生も王将の手駒に加えるつもりだったのか……)

 王将も竜化薬の研究を止め、神の復活に全力を傾けるようになります。


神の復活と聖骸の入手
 蔵骸の井戸にて

 聖骸の眠る地、蔵骸の井戸。

 この井戸ですが、恐らく高天原で繭が目覚め、付近の竜族の動きが活発化したことで場所の特定に至ったのでは……と私は推測しているのですが、実際のところどうなのかしら。(誰か知ってたら教えてください)

 オロチ八家は全力で掘削を進め、ついに蔵骸の井戸に到達。5000トンの水銀爆弾を投下しますが、神を殺し切ることはできず、逆に猛鬼衆に占拠されてしまいます。

 王将は風間瑠璃(稚女)の皇血を媒介として神を復活させます。そこにいたのは白王ではなく、白王が不完全な形で復活した八岐大蛇でした。

復活した八岐大蛇

 これも王将は把握済み。八岐大蛇を倒し、中から聖骸を取り出します。


絵梨衣+聖骸=白王
 その竜血の力を我が物に

 そもそも八岐大蛇は、オロチ八家の先祖(須佐之男)が聖骸に寄生されたことで生まれた化け物。オロチ八家や猛鬼衆が受け継ぐ白王の血統は汚染されており、聖骸を受け入れても完璧な竜に進化することができません。
 また、聖骸は寄生した者の自我を奪ってしまうという問題もあります。

 絵梨衣は完璧な「神の器」として作られた存在で、稚生・稚女や他の数多の遺伝子上の兄弟よりも優れた適性を持っていました。
 彼女に聖骸を寄生させ、完全な白王に生まれ変わらせた後、その竜血を接種することで、自我を保ったまま白王の力だけを手に入れることができるというわけです。

聖骸に寄生され、白王へと変化する絵梨衣

 こうして白王として蘇ったヘルツォーク。

白王・ヘルツォーク

《天罰》執行と野望の終焉
 絵梨衣の運命は……

 しかしロ・メイタク(零号)によって世界征服の野望は打ち砕かれ、最後には宇宙兵器《天罰》に貫かれて行動不能に。呆気ない終焉でした。

 ちなみに白王・絵梨衣の身体はロ・メイタクによって高天原の海底に沈められました。彼女は完全な死を迎えたわけではなく、あのブラックスワン港の古竜のように、その内部に命を保ったまま眠り続けている状態のようです。

 ゲーム版では《プレイヤー》が絵梨衣の血を受け継ぎました。

竜血を受け入れる《プレイヤー》

 今後《プレイヤー》たちの活躍によって、絵梨衣が目を覚ますこともあるかもしれませんね!

***


 ドラブラ本編のストーリーはこちらでまとめています。よろしければご覧ください!