ロビーレジェンズルール発表を受けて日本バトグラコミュニティに起きていたこと
★2022/2/20 追記★
初回記事投稿の翌日ですが、1日で大きく状況に変化があったため、記事を修正します。初回投稿当時の想いが伝わるように、基本的に記事中の記述は修正せず、記事の最後に新たな情報を追記する形で修正します。新たに記事を読む方は、「■この記事について」~「■最後に」までの部分でいったん記事が成立していた、として読んでいただけると幸いです。
■この記事について
この記事は、2022/2/16に発表された、ハースストーン バトルグラウンド初の公式世界大会「ロビーレジェンズ」の詳細ルールを受けて、日本コミュニティで発生していることを、過去の出来事も含めて整理したものです。
初めにお伝えしておきたいのは、私(chox)はハースストーンが大好きです。バトグラから入って、徐々にスタンダードも遊び、今はバトグラはレート9000前後、構築は毎月ダイヤ5からレジェンド最下層あたりをうろついているレベルですが、大いに楽しませてもらっています。本記事では、ハースストーンの大会運営陣や、開発陣へのネガティブな意見に見える記述がありますが、単なる批判を浴びせることは目的ではなく、ユーザとしての1意見を届けるための記事である、と理解していただけると幸いです。
■そもそも、何が起きている?問題のルールの記述
まず、今回の騒動のきっかけとなった、「ロビーレジェンズ」のルールについてです。ポイントは以下の記述(ルールブックの3.1項、xvの9)。
雑訳ですが、「プレイヤーは、自身の居住する国が属する地域に対応するサーバーからのみ、ロビーレジェンズの予選に参加することができる」。つまり、「日本人はアジア太平洋サーバでのランキングでしかロビーレジェンズの予選には参加できない」。これの何が問題か、というと、何人かの日本を代表するバトグラプレイヤーが、主にアジア太平洋サーバ以外でプレイしている、という現実があり、これらのプレイヤーは、たとえ別地域のサーバでトップクラスのランカーだったとしても、ロビーレジェンズに参加できないのでは!?という状況にあるのです。
■なんでアジア太平洋サーバでプレイしないの?
この状態を理解するには、過去の出来事を遡る必要があります。私がリアルタイムで経験したことのある事象のみ記載しますが、バトグラのアジアサーバでは、サーバに起因する(と思われる)問題が発生しました。それは、
・サーバとの接続が頻繁に切断される(ことがある)
というもので、多くの場合、サーバとの接続が切断された場合、再接続までに数十秒~数分程度かかるため、1ターンまるまる雇用フェイズがスキップされてしまったり、最悪の場合再接続ができず、なすすべもなく8位になってしまったりします。バトグラというゲームにおいて、1ターンのスキップは致命的で、特に単独3位でもほとんどレートが増えず、単独8位を取ってしまうと場合によっては140ものレートを失うトップランカーにとって、ゲームそのものを楽しむモチベーションを失ってしまいかねない事象でした。
本題とは外れますが、この切断ですが、アジアサーバでのサーバとの通信障害、に見えたので、ハースストーンプレイヤーの中で、「アジる」というスラングが流行り始めました。今でも「鰤の鯖が鯵った(=Blizzardのサーバがアジった)」みたいな言葉で面白おかしく表現されたりしています。
また、このころ、アジアサーバで、ゲームをプレイしているプレイヤーが全員まとめてゲームを切断され、復帰したタイミングで「レートが4000減っている(!)」という事象に遭遇したプレイヤーもいました(詳細は不明ですが、内部レートが導入された当時の初期レートが4000であったことなどが原因の一つではないか、という推測もありましたし、問い合わせを行ったプレイヤーもいましたが、公式発表はなかったと思います。そうこうしているうちに次のレートリセットを迎えました)
これらの事象を経験したり、見たりした一部プレイヤーの中で、一時的に別地域のサーバでプレイしたり、そもそも接続が不安定な(少なくともそう思えた)アジアサーバでのプレイを避け、メインプレイを南北アメリカサーバ(NAサーバ)に移行したりするプレイヤーが出始めました。私はアジアサーバでしかプレイしていないので、真偽のほどは確かではありませんが、アジアサーバで切断を経験していたプレイヤーが、南北アメリカサーバでは問題なくプレイできている、といった経験談もあり、いわゆる「NAサーバへの移住」を後押ししたように感じています。(構築と違い、4択権利の解放さえすれば、ゲームを楽しむのにカード資産などが不要、というバトグラのゲーム性も移住をしやすくした要因のひとつであったと思います)
※これら、いわゆる「アジり」問題については、その後BeerBrickのahirunさん、0さんによる日本コミュニティへのアンケートの実施や、Blizzard社へのアンケート結果の提出、Blizzard社による公式見解の発表などの進展を見せていますが、ここでは、あくまでも当時発生したNA移住のきっかけ、として触れるのみで、その後の詳細には触れません。
■結果として発生したこと
ロビーレジェンズのルールが発表された2/16時点でのNAサーバのランキング上位30名と当時のレートは以下です。(※とある方が個人的に保存されていたものを拝借したものです)
ランキング上位30位以内に、少なくとも9人の日本人がいます(私が把握している限り。漏れがあったら申し訳ありません→※2/19 記事投稿時に私の把握できていなかった日本人プレイヤーがいる、と指摘があったため修正)。これらのプレイヤーの中にはゲームプレイを配信しているプレイヤーもいますし、私が個人的に親交のあるプレイヤーもいますが、いずれも素晴らしいプレイヤーばかりです。これらのプレイヤーたちが、バトグラ史上初の公式世界大会に参加できないとすれば、いちバトグラファンとして、本当に残念でなりません。
競技として実施する以上、ルールはあるべきで、ルールに従うのはプレイヤーの義務でもあり、また、今回のルールについても、将来的なオフライン大会での地域プレーオフや、継続的なバトグラ競技シーンの発展なども考えたもの、とすれば、その意図と内容そのものは、ある程度理解できるものでもあります。
ですが、それならば、なぜ前回のレートリセット(バディ導入:1/26)のタイミングにあわせて、方向性だけでも発表できなかったのでしょうか。最初の権利保有者を決めるための期間が残り2週間しかない中で、本当に実力のあるプレイヤーが、あわててサブアカウント的な位置付けでしかプレイしていなかったアジアサーバでレートを上げようとしている現状は、栄えある最初の公式世界一の称号を決めるのにふさわしい状態といえるでしょうか?バトグラをいちプレイヤーとして日々楽しみ、また、今年から始まるe-sportsとしてのバトグラ公式大会を心待ちにしていた視聴者としても、「プレイヤーファースト」のルール策定、および少なくともルール公表タイミングについて配慮をお願いしたいと思います。
■最後に
繰り返しになりますが、ハースストーン バトルグラウンドというゲームは、本当に楽しく、プレイヤーとしても日々楽しませてもらっています。そして、日本人プレイヤーの中には、素晴らしいプレイヤーがたくさんいます。それらのプレイヤーが、世界のトッププレイヤーたちと少なくない賞金を賭けて真剣勝負し、切磋琢磨し、そして我々のような、ロビーレジェンズには参加していないがバトグラを楽しんでいるプレイヤーや、初めてバトグラというゲームに触れる視聴者もあわせて盛り上がれる、そんな世界大会が見られることを切に願っています。
■2/20追記~急転直下~
本記事を公開したのが2/19 14:30ごろのこと。多くの方に閲覧、拡散いただき、本当に感謝しています。
さて、その後、事態は大きく動きます。時系列でまとめますと、
・BeerBrickのahirunさんが、HearthstoneのEsportsチームEric Elliott氏に
twitter上でルール変更を陳情(2/19 20:38)
・Eric Elliott氏より、「議論の結果、ルールを変更する」と返信(2/20 1:44)
・同時に、Hearthstone Esports公式twitterアカウントからも、ルール変更が
アナウンス(2/20 1:43)
Bllizard社の中で、どのような議論が行われたのかは定かではありませんが、この速度での議論と決定、さらには公式発表は驚くべきことだと思います。私の記事が直接的に影響を与えた、とは思いません(ahirunさんの行動力には頭が下がります)が、コミュニティの声が運営チームに届き、少なからずユーザの意見に配慮した決定が迅速になされたことは、本当に嬉しく思います。
さて、アジア以外のサーバでプレイしている日本人トッププレイヤーたちの活躍がロビーレジェンズで見られる、というのは非常に喜ばしいことです。ただ、
① 当初のルールが、現実のランカーの状況を反映していなかったように見えること(地域ごとのサーバランキングがあり、地域ごとの代表を決める、という物事の表層だけ考慮してルールを決めていないか?そのルールだと少なくない数のランカーが参加できないということに、気づいていなかったのか?)
② 詳細ルール発表のタイミングがプレイヤーのゲームプレイ上の行動とマッチしていなかったこと(1/16のレートリセット直後からルールを意識して行動できていたら、少なくとも今回ほどの大きな騒動は発生しなかったはず)
という2点については、是非改めて考え、今後につなげていただきたい、という私の意見だけは、最後に付け加えさせていただき、この記事の結びとさせていただきます。