気軽に特許データを取り込みたい

ふだん使っている検索システム(特許データベース)から出力した検索結果一覧をTHE調査力に取り込もうとしたものの、あれやこれやと「不手際」に対して文句を言われて、何をどう変更すれば良いのかわからずに諦めてしまった方も多いのではないでしょうか。検索システムが出力した検索結果一覧のExcelファイル(CSVファイル等)があれな、THE調査力に気軽に日本・海外の特許データを取り込むことができる仕掛けを作ってみました。ただしこの仕掛けはJapio-GPG/FXを使って情報を集める方法です。申し訳ありませんがJapio-GPG/FXのAPIオプションを契約していない方は使えません。

THE調査力には「Japio-GPG/FX 自動取得」という名称のサブメニューが用意されています。

図のボタンをクリックすると下のような画面が開かれ、情報を取得したい案件の公報番号リストを窓に入力するだけで、世界各国の特許情報の入ったタイトルが作られるようです。またほぼ全ての国の特許の名称・要約・請求の範囲が和訳されており、どこの国の特許でも日本特許を読むノリで、気軽に調査できます。膨大な件数の中国実案とだって戦えると思えてきます。

普段使いの検索システムの検索結果一覧表XLSXファイルから公報番号をコピーして、この窓に「ペーストするだけ」ではあるのですが、なかなか自分の望むようには取り込んでくれません。

ご存じかと思いますが、特許の公報番号には検索システムごとに多数の方言が飛び交っています。たとえば日本特許庁のJ-PlatPatでは「特許第7476266号」と表現される案件が、ESPACENETでは「JP7476266B」を検索しないとヒットしません。検索システムの検索結果一覧上では「特許7476266」だったり、「特登7476266」なんてのも見たことがあります。

前記の「Japio-GPG/FX 自動取得」機能の中でも、色々と「方言を翻訳」してくれているようなのですが、海外案件までも全てGPG/FX形式に変換することは難しいようです。

良く使われている検索システムから出力した検索結果一覧の中の方言を調査し、公報番号方言を標準語に自動翻訳するツールを作ってみました。このツールを使用してGPG/FX形式の公報番号に変換できる検索システムと、検索結果一覧の列名の一例を記載します。

■ Derwent Innovationの「公報番号」列

■ Orbit Intelligenceの「Publication numbers」列

■ PatBaseの「PN」列

■ Shareresearchの「公報番号(内部)」・「公報番号(全文リンク)」・「公開・公表番号」・「公告・登録番号」列

■ PatentSquareの「公開・公表番号」・「登録番号」列

■ Hypat-i2 / DOCDBの「公報番号」列

次の文書から「THE調査力GPG/FX公報番号取得ツール」をダウンロードして、Excelで開いてください。

続いて検索システムから出力した検索結果一覧ファイルのアイコンを、ツール画面上にドラッグ&ドロップして、同じExcelで検索結果一覧ファイルを開いてください。

検索結果一覧が開かれたら、THE調査力に取り込む案件の公報番号セルを図のように選択します。

公報番号セルが選択されたら、Alt+F8を入力し表示されたマクロダイアログボックスから「THE調査力GPGFX公報番号取得ツール!GPGFX公報番号取得」を選択し「実行」ボタンをクリックします。

このマクロを実行すると、検索結果一覧表上で選択された公報番号が、GPG/FXで認識可能な番号形式に変換され、クリップボードに保存されます。

続いてTHE調査力のタイトル一覧画面から、検索結果を取り込みタイトルのMENUボタンをクリックし、

開かれたサブメニューから「Japio-GPG/FX自動取得」をクリックし、

「番号で取得」タブを選択し、「公報番号」入力窓をクリックしてCtrl-Vを入力して変換された公報番号リストをペーストしてください。

この状態で「処理実行」ボタンをクリックするとJapio-GPG/FXから特許情報を自動取得が開始されます。処理時間は件数に比例して変わります。この画面で表示される件数数字を眺めていても結構ですが、右上の「閉じる」ボタンをクリックして、別の作業をしていても自動取得は継続されます。THE調査力からログアウトしても構いません。

色々な検索システムの公報番号表記に対応できるように設計しましたが、筆者が聞いたことがない方言も世の中には存在することと思います。THE調査力上にレコードが生成されない案件を見つけたら、ページ下部の「クリエータへのお問合せ」から連絡してください。

ただし検索システムによっては、公報番号セル内に番号数字だけが記されており、どこの国の特許か判明できない検索結果一覧ファイルもあります。発行国ごとに操作画面が分かれている検索システムでは、検索結果一覧内で発行国情報を省略してしまうようです。セル内に国名や番号情報の双方が揃っていない場合は、GPG/FX形式の番号に変換することができません。ご注意ください。

2024/05/13 作成


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