鍋底をこそげるように洗う夕暮れ夏終い
馬鹿死ねって蠢く その唇這いたい蠍
秋待たず 君の逝く音 聞きし夜 取り囲まれて 八月の闇
東京塔 誘蛾灯 田舎の虫を焼き殺す
故郷のぬくもり振り切る新幹線 窓は白骨のように冷たく隔たる
突然の天啓 きみはうみ Amen
君が僕の名前呼んだ それが今日のハイライト
たったひとりぼく見上げる宙の超群青 吠え面負け面 夕暮れにぶっかけられた群青 ため息か唸り声か それとも風の音か 低い空 のたり雨粒 口で受く 花翳り鳥の唄 風立ちぬ 月ふたつぼくの修羅 ちりぬるを きみ想ってうつつ 打ってフリスクふたつ きみの恋は他人事 泣いてる横顔 ぼくのやけっぱちのマリア 春は平然と花を散らし きみは冷然とその上を踏む 春の雨は慰め 涙の痕を踏んでは落ちる YouTubeの総再生回数ぶん この宇宙の孤独 笑う核猿に命綱預けて踊る僕た
無痛の深き夜にこそ 月は刺すその白
ねんねこや 母の頸を 手繰らんと 揺れる小さき 掌の花
獰猛な夏 東京の底 僕ら煮豆になる
あぁ埋まらない LaLaつまんない 孤蝶の白昼夢
へばりついた靴底のガム俯いたまま歩く
掌に しみの数だけ 愛しい文庫
湿気でうねる前髪と青年の心持て余して鏡前
眩いきみ 反射でぼく そっと光る