今清風凛と立つ そは君が為
青信号駆け抜けて腹に吸い込む初夏の青
書店の棚に答えを探す 吐く息も忘れて
清風がぼくを追い抜いてはや五月
燦々と笑ってよ きみはそれいゆ
一日の終わりに米炊いて句点打つ
仙人掌は渇きながら花開く
夏が横から春を追い抜いて夏々と嗤う
YouTubeの総再生回数ぶん この宇宙の孤独
新宿雑踏 互いに影踏む石の群れ
鈍色の空 花時雨 この夜を耐えてぼく歌時雨
ぼくら呪いと恋は相似で 愛の形はまだ知らない
春は平然と花を散らし きみは冷然とその上を踏む
きみ去ってひとり ぼくいまだ約束の檻にふたり
夢破れて山河もねぇ 放哉に憧れたってもうすべて手遅れ
洗いたてのジーンズ 裾の揺れる綿毛 一緒に街へ出る