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本を読むことについて/音楽を聴くことについて

昔、結婚相手は本を読んで音楽を聴く人がいいなーと思っていた。
オットとは主にネットとプロレスの話で盛り上がって仲良くなったので陽キャタイプかと思いきや、本来は澁澤龍彦とZAPPAが好きというメチャクチャ本読み&音楽聴き、そして楽器経験者でもあった。
その点、理想超えてた。(ラッキー)


本を読む人は擬似経験値が高くて想像力が高くてちょっと拗れてる人が多いから、そういうのはいいなと思っていた。もちろん自分も25歳くらいまではすごく本を読んでいた。純文学、小説、ミステリー、ホラー、ロマンポルノ、漫画も。そして当然こじれていた。

音楽を聴く人は、他人の作った芸術に耳を傾けて夢中になれる性質がいいなと思っていた。歌詞に自分を投影して…みたいな聞き方だけでなく、音そのもの、メロディそのものを愛する人ならもっといい。自分もクラシックが好きで(洋楽もJPOPも好きなバンドもいたけど)学生時代はオーケストラに入ったほどだったので、ジャンルは問わないけど音楽の楽しさをわかっている人とは気が合いそうと思っていた。

それが20年くらい前の話だ。

今はスマホ社会になって、ただ同然で音楽を聴いて(YouTubeやニコニコなら無料で聴けちゃう、何なら映像付きで)、好きになった人をサブスクで掘って聴く感じが主流だろう。漫画もそうかな。
音楽やゲーム、漫画に関してはスマホネイティブ世代には敵わない。ジャンル問わず安価で多方面に広げていけるのは本当に羨ましい。

本は…本はどうだろう。
Kindleで小説を読む人もいるだろうけど、活字はスマホだと読みにくい気がするし…今の若い世代は(とは言いたくないが笑)私たちが厨二の頃に夢中になってた小説筆頭の乱歩とか夢野久作とか中高で読むんだろうか?なろう系とかスマホ小説にハマったとして吉行淳之介とか三島とか島田雅彦とか森茉莉にたどり着く読書の方向ってあるのかな。(その前にアニメに行くかな)

もちろん自分が読んできたものは正統派ではないし、人に薦めるようなことでもないが、自分みたいな道を辿る少年少女は今いるのかなぁ…

純文学が好きです!
クラシックもいいよね!
キリッ!なんてね。(…恥ずかしい)

いや多分たくさん…いるんだろうなと思いたい。

本に詳しい人も
音楽に詳しい人も
音楽を作る人も
絵を描く人も。

お小遣いやバイト代で一枚3000円のCDを買って、本屋で真剣に本を選び、古本屋を探し、生楽器弾ける場所を探して、高いカラーインクや絵の具を選んで買って手を汚しながら絵を描いたりしてね。

そんなこと全部できるスマホちゃん、強過ぎる。
これが身近にある世代は「音楽と本が好きな人とお付き合いしたい!」とか特別に思わないかもしれないな。音楽は手元にあって、好きなアーティストはいて当たり前だし、話題の本は無料公開中に読んどけば問題ないし。

不便だった時代から一気に便利な時代に移り変わって、私たち世代はついていく派と昔のままを楽しむ派に分断されてきた気もする。
仕事や普段の生活の中で、情弱傾向にある人を心の中で馬鹿にしつつ、未だアナログな世界に没入している人を羨ましく思う。

私は依然として本を読み、音楽を聴く人が好き…と言いたいところだけど、実際のところは私も夫も食事の後にはポチッとテレビでYouTubeを見る生活になってしまった。

うーん、お手軽!

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