見出し画像

パリのメトロの階段の手すりがゴージャスでびっくりしたこと

やはり何といっても、世界中のメトロで1番雰囲気があってすばらしいのがパリだと思う。ほぼ同じ時代の19世紀の終わりにブダペストで世界最初のメトロの1つが作られたのだが、これは単に浅い溝を掘って溝の下にレールを通して、電車を走らせて、上をカバーしただけなのである。

メトロポリタンの存在感のダイナミズムと言うのは、例えばパリのメトロの駅であるが、セーヌ川の下を通って、地上に出るに、巨大なエレベーターで上に引き上げられるなどと言うところに大都会のダイナミズムを感じる。

そうかと思えば、パリのメトロは、割と浅いところを通っていて、ホームから階段をちょっと駆け上がっただけで、普通のパリの雑踏の中に自分を投げ込むこともできる。この浅いメトロと深いメトロのバランスがよろしい。

六本木駅の大江戸線などは全然だめであって、恐ろしく深いところに駅があるからゆっくりしたエスカレーターで上に上がっていく間に人間は年老いてしまうような気がする。モスクワやプラハのメトロから脱出する。エスカレーターも同じだな。

これはどこだか忘れたけれども、メトロの階段である。若い頃は、こういう階段を駆け上ったりかけ降りたりしていたから、そこにある手すりの装飾については、何も目がいっていなかった。ところが最近後期高齢者になって、足元が危ないから、セキュリティーのために、こういう手すりのお世話になると大変ゴージャスなデコレーションが付いていることがわかる。

やはり、パリはメトロがあるからすばらしいと言うことになる。面白いのはしばらく前だが、ピガールの駅のメトロの改札口が壊れていて、数日間乗客は堂々と無賃乗車ができた。駅の職員もそれを咎めるのではなくて、どんどんゲートから中に入るようにと乗客に進めていたのである。これがフランスの人文主義と言うものなのだな。

作品は11× 14インチゼラチンシルバープリント。プライベートコレクション


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?