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6月第一弾 写真集の作り方ウィーンモノクロームセブンティーズ

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写真集と言うものは、自分が出版してから10年以上理想的には20年ぐらい経過して、それを見返すというのが非常に正しい鑑賞の仕方であると思う。
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カメラノートスペシャル6月第一弾 5 写真集の作り方ウィーンモノクロームセブンティーズ

5 今回の田中長徳のカメラノートスペシャルでは、写真集の見開きページと言う事について集中的に考えてみることにする。写真集の見開きページとその視神経に与える影響力と言うのは非常に重大なものであって、これがバーチャルな写真集ではなかなか達成できない。視覚的効果なのである。見開きいて写真が左と右に並んでいると言うのはペーパーに印刷された。写真集の場合、それがかなり強烈な視神経の刺激として我々に伝達されるのである。その理由の1つに写真集を見る観察者が実際に指でページをめくっていくと言

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カメラノートスペシャル6月第一弾 8 写真集の作り方ウィーンモノクロームセブンティーズ

8 巨大な絨毯を丸めて3人で運んでいる青年のスナップショットである。考えてみると、アンリカルティエブレッソンもロバートフランクも、そしてウィリアムクラインも素晴らしい。スナップショットをたくさんとっているのに、絨毯を丸めて担いで歩いている。3人の青年と言うのは撮影したことがない。ここら辺が時間軸と私が移動している。カメラのポイントとの非常に微妙かつマジックな遭遇なのである。

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カメラノートスペシャル6月第一弾 10 写真集の作り方ウィーンモノクロームセブンティーズ

10 ウィーンモノクロームセブンティーズを担当したアートディレクターさんが優秀なので、この見開きページのコントラストと言うのは、私などの貧困な精神では絶対に構成できないものであると考えているのだ。左は確かに私がそこにいたからこういう写真を撮影しているのであるが、場所は既に失念してしまっていて、どこかの冴えないカフェのがらんとした空間で男性が背中を見せて、何かのゲームをやっているところである。ウィーンのカフェで有名なのはアドルフヒトラーが若い頃絵描きを希望して、ウィーンのアカデ

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