ゆする、ゆれない、ゆるまない

高岡先生が「ゆる体操」を発表する以前は、「ゆる」といえば今でいう「基礎ゆる」でした。

基礎ゆるとは皆さんご存知の通り、身体をパーツことにゆすり、ゆるめる揺動緩解法です。

自分が基礎ゆるを初めて習ったときに、骨をゆるめる「ほゆる」という方法に驚いたのをよく覚えています。
「筋肉をゆるめる、というのならわかるけれども、骨をゆるめるってどういうこと? そもそも骨ってゆるむものなの? 筋肉なら力が抜けるけど、骨の力が抜けるわけではないしな…?」というような感じで疑問だらけでしたが、やっていくうちに「なるほどこれは…、この方法はすごいな…!」と納得していきました。

私はある程度、基礎ゆるに取り組めて効果が感じられたので続けられましたが、うまく取り組めずに辞めてしまった人達もそれなりにいたようです。

現在のゆる体操は、基礎ゆる的な揺動緩解をはじめ、さすり、呼吸法、気功、ストレッチ、言語操作などあらゆる方法を贅沢に使って身体をゆるめていくので、老若男女に関係なく取り組め、なおかつ安全で効果が高いわけですが、それに比べると基礎ゆるは、人によっては少し難しい。

そのへんの難しさのひとつが、「ゆれない問題」(私の適当な命名)です。

基礎ゆるの基本的な方法は「ゆする、ゆれる、ゆるむ」です。

「ゆする」というのは能動的な操作で、身体を操作して揺動させる、すなわち、ゆすります。

「ゆれる」というのは受動的な運動で、ゆすられた身体のパーツ、および全身がぷらぷらとゆれる現象です。

その結果、身体が「ゆるむ」わけです。

(これら一連の現象は、基礎ゆるという体操の中で連続的に起こっているので、なんとなく捉えていて、上達の対象として認識していない人も多いと思います。

背骨を一本一本ゆらして、揺れているのか、それとも操作して動かしているだけなのか、もしくはそもそも動いてない、とかいうチェックをするのはトレーニングとして楽しいものです)

「ゆする」、揺動させる、そのように能動的に身体を操作するのは、難しいことではありません。もちろん背骨一本一本をゆするとか、仙骨と腸骨を別々にとらえてゆするとかは難しいですが、大雑把にゆすることはほとんどの人ができることでしょう。

しかし、「ゆれる」という受動的な運動が苦手な人は一定数います。「ゆれる」が適切に行われないと「ゆるむ」ことが難しくなります。

その原因として一つ考えられるのは「ゆする」ということが能動的で、ほとんどの場合は筋出力を伴う運動なので、そのゆすり動かしているという能動的な操作が、ゆれることを阻害しているからではないかと思われます。
わかりやすくいうと、握り拳を全力で握りながら、前腕をぷらぷらさせるのは難しい、というようなものです。

(トレーニングが進むと一部に筋出力しつつ、他は脱力する、ということが必要になりますが、とりあえず最初は全力でゆるむことに注力したほうがよいかと思います)

適切に出力と脱力を行い、対象のパーツをぷらぷらさせればいいところを、ぷらぷらさせるところにまで力が入ってしまい、カクカク、ガタガタするような動きになってしまうわけです。

その結果、ゆすっているけどゆれない、ゆるまない、ということになって、基礎ゆるのトレーニング自体がストレスフルなものになたってしまうわけです。

こういうことは、最初からなんとなくできてしまう人もいるし、ずっと取り組んでもうまくいかない人もいます。

このへんをどう突破するかということは、以前に書いた記事を参照されるとよいかと思います。

苦手な運動がある、ということ
https://note.com/choseishitsu/n/n4ed5f1201d54

自分が習い始めた当初は「ゆる体操」が発表されておらず基礎ゆるがメインでしたが、今はゆる体操がありますのでこの問題を突破するのは以前よりも何十倍も楽になっています。
特に寝ゆるの腰モゾや、立位での手スリプラなど、他にもいろいろありますが、とにかく役に立ちます。

他にもいい方法があります。
それは達人調整を受けることです。

達人調整の術技によって、「(調整師によって)ゆすられる、ゆれる、ゆるむ」という状態を作り出せるため、「ゆれる、ゆるむ」という現象をよりはっきりと味わえ、学習することができます。

そう、身体はゆれるとゆるむんですよね。
能動的な操作がうまくなると、このことが手薄になって、ただ動かしているだけになってしまうことがよくあります。
調整をしてもらうと、それがはっきりと自覚できます(おそらく)。

調整でゆすられると、自分で能動的に「ゆする」ことがないため、筋出力がなく、どんどんとゆるむ感じを掴めます。ゆれる身体を味わい、ゆるむ感覚を深く味わうことに専念できるわけです。

達人調整はその時に身体がゆるむのはもちろんですが、自分でトレーニングをするときにその学習が生かされれば、さらに自らの「ゆる」を深めていくきっかけになります。


このnoteを書きながら自分の背骨の「ゆする、ゆれる、ゆるむ」のチェックをしてたんですが、やり込んでいた時期に比べるとけっこう雑になっていたので、反省しきりです。


達人調整を受けたくなったあなたはこちらへどうぞ
身体調整室 https://www.chosei-shitsu.com/

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