やる気が出ない問題をどうするか

調整を受けていてよくある相談事に、「トレーニングのやる気が出なくて困っています。どうしたらやる気が出るのでしょうか?」というものがありました(今はあんまりないですが)。


自分も20代後半から体調不良や脳疲労などで、この問題にぶち当たっていました。

「もっと上達したいのに、トレーニングに取り組むやる気が出てこない」
「時間はあるのについついダラダラと時間をすごしてしまう」

とかですね。

今考えると、一つの原因は脳疲労、もう一つは身体の疲労。当時はまだゆる体操がなかったので、トレーニングのコストが高く、気軽に取り組めて疲労回復につながるメソッドが少なかった、ということもあります。

それらを解決するために必要なことは、きちんとした食生活と十分な睡眠、健康的な生活習慣。あとは対人関係で重大な悩み事を解決しておくこと。

そこがクリアできないと、疲労の蓄積やストレスに負けることがあります。あまりにも当たり前なんですが重要なことです。特に自分の限界を突破して上達したい人ならなおさら。

疲労していてやる気が出ない、ということに関しては高岡先生の「超最強疲労回復法」を読んで頂くのが一番かと思います。

ここでは、別の面からモチベーションを高めていく方法を考えたい思います。


自分は小さい頃はよく笑ったり泣いたりした子供でした。
いつからか、それをからかわれたり、恥ずかしいと思ったりして、クールなほうがいいと思いはじめて、無表情で心が動揺しない人間になろうと決心して、実行しました。
怒りを感じたり人に対抗心を持ったりすることもマイナスだと考え、喜びも悲しみもあまりない平静な精神状態がよいと思っていました。

中学のとき授業中に先生が冗談を言って面白いと思っても、舌を噛んで笑わないようにしたり、感動するようなドラマを見ても「こんなことはくだらないことだ」と思って冷めた目で見たり、今考えるとなかなか頭がおかしい。

あまりに感情が表に出なかったので、大学のときは仙人ぽいと言われたこともありました。


身体意識的に考えると、胸を硬くして中丹田形成を阻害し、拘束を作って表面的に冷静な自分を作り、見かけ上、平静を装っていたわけで、「心身分離」するような状態を自分で作っていて、本当に身体にも心にも悪い習慣を身につけてしまいました。


そのおかげで、20代前半は人に対して「腹が立つ」とか「憤る」ことなどほとんどありませんでした。

高岡先生に師事するようになってしばらくして、そういう自分の感情の持ち方というのは違うのではないか?と思いはじめました。

高岡先生はよく、講座や道場などで「自分と同じくらいの実力のやつを見つけてライバルと思え。そしてそのライバルに絶対に負けないんだ!という強い気持ちを持ってトレーニングするんだ」というのようなことを言われていました。

自分としては「負けたくない!」という気持ちはあまりなく、淡々と自分のやれることをやって上達すればいいから、ライバルなんて関係ないかな、と思っていたので、高岡先生のアドバイスも「それはどうなのかなあ」と当初は半信半疑でした。

一方、当時トレーニング仲間をよく観察して、上達している人はどういう取り組みをしているんだろう、ということを観察していたのですが、そこからも発見がありました。

ある人は日常生活で、自分がマイナスと思っていた感情を、うまくモチベーションに転化することに長けていたのです。

人生の様々な局面、仕事や人間関係などで、ストレスが溜まると、それをいろいろな方法でトレーニングのモチベーションに転化。一見こじつけのような転化の仕方だったりしますが、貪欲にストレスをトレーニングへのモチベーションへと変換していきます。

それを自分がやるには、心が動かされる、ということが前提で、何事にも動じないというような拘束的な平常心が過ぎると、心が動かずに終わってしまう。それが足りないと思い改善に取り組みました。


喜ぶべきは喜び、笑うときは笑う、悲しいときには泣き、悔しいときは悔しがる、感動するときは感動する。当たり前のことですが、その時の自分はそれらの感情がひどく乏しくなっていたのです。

人によって同じことを体験しても、湧き起こる感情が違うことがあります。
例えば人に怒られたとき、泣く反応をする一人もいれば、逆に怒りを感じる人もいるように、千差万別です。

その反応をうまく利用しつつ、モチベーションに転化していく方法もあれば、自分にはない反応を育てていく方法もあります。


自分が20代のころやった方法は、一つは感情豊かだったころの自分を取り戻すこと。そして、わずかにある怒りや悔しさといった感情を感じ、呼び起こし、それをモチベーションにしていくということでした。

沸き起こった感情に対して、それをトレーニングをやらざるを得ないほうに誘導して、モチベーションに転化していくという方法です。

もちろん、感動や喜びといった感情も強いモチベーションになりますので、心が動かされる、ということは大事です。感動しなくなると上達がしにくくなりますし。

これらの具体的な内容も書きたいところですが、こういうところに書くのもアレな内容も多々ありますので、興味のある方は自分に会ったときにでも直接聞いてください(笑)。

この取り組みが十分成功したかは微妙なところではありますが、随分と改善されたのは確かです。


そしてあともう一つ、トレーニングのモチベーションを上げる方法があります。

それは自分を追い込むことです。

仕事とか試合とか発表会とかいろいろなことを使ってモチベーションを高める。まあ、当たり前といったら当たり前の方法ですね。

やりすぎると脳疲労しすぎたり、過労で倒れたりするので難しいところですが、ある程度の負荷をかけたほうが成長する局面は確かにあります。さじ加減が難しいところですね。


つらつら書きましたが、自分は今でもトレーニングしないでダラダラしてるのが好きですね。もっと追い込まなきゃダメだなあ、と思う今日このごろです。


追記

やる気ってトレーニングでそういう身体意識を形成することでどんどん湧いて来るんじゃないのかな?と以前は思っていました。
確かにそういう要素もあるんですが、最終的にはやはり気の持ちよう、本人のやる気が重要ですね。その上で身体意識が育ってくれば、それがやる気の形成をさらに高めてくれるかと思います。


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