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ある男の話。

今回は、前回の記事で書いた例のイラストを描いている男の話をしようと思います。

その男は数年前、突如として現れました。自らを藤子贋作師と名乗り、藤子・F・不二雄先生の絵を趣味で真似るだけの何処にでもいる絵が下手な普通の男。

絵がそれなりに描ける人間から見ると、その男の絵は、似てないモノマネを見せられた時のような恥ずかしさすら感じる酷いものでした。

しかし、ある時期を境に彼の画力は劇的に向上します。決して練習したから上達したのではなく、彼は禁断の奥義に手を染めていたのでした。

その奥義の名は『トレース』!!
(トレースとは…分かりやすく言うと小学生の頃、透明下敷の下に描きたい絵を敷いて、上から油性マジックでなぞって描いたアレのことです。)

彼はイラストレーターを目指す者なら絶対にしてはいけない禁忌を犯したのです。今までこの禁忌を犯した者は、ことごとく追放されてきました。僕は「これで彼も終わりだ。」そう確信していたのですが、男は何故か多くの人々に受け入れられ、イラストレーターへの階段を、まるでエスカレーターにでも乗っているかの如く駆け上がっていくのでした。

あなたは絵が下手な男が透明な下敷きに写した絵を十数万円で買いますか?

僕は絶対買いません!!

何故ならトレースさえすれば、買わなくても自分で簡単に描けるからです。彼の絵を買った方には本当に失礼だと思うのですが…本心です。

ちなみに僕がこの記事のタイトルやプロフィールで使っている絵もトレースです。彼と同じように藤子先生の絵をなぞって描いています。※出来は悪いですが、1時間ほどで描けます。

何処からか「お前も同じことしてんじゃねーかっ!」とお叱りの声が聞こえてきそうですが…。

でも同じことをしてるからこそ、顔・体の角度や髪型や服装を変えただけの、他人の絵で金儲けする行為が認められるなんて絶対に間違ってると思うんです。

もし僕がトレースで罰せられたとしたなら、それは彼の作品や行動が部分的にでも間違っているという証明にもなるんじゃないでしょうか。

彼を支持する方には失礼な記事を書いているのは理解していますし、ただ単に僕の勉強不足かも知れません。でも、納得出来るまでは自分の考えで記事を書いていこうと思います。

今回も最後まで、有難うございました。

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