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合唱・発声Q&A vol.5(Q.81.- Q.100.)

Q81.
・喉の奥に落ちているような、飲み込んでいるようなこもっている音になる(一見、響いているように聞こえる)
このような声質を改善するためにはどうしたらいいでしょうか?
(女声 アルトです)

A.
合唱中級者に多い発声上の問題として、いろいろやりすぎて「立派な声すぎて、曲にマッチしなくなる」があります。
・軟口蓋の上げ過ぎ
・喉仏の下げ過ぎ
・鼻腔共鳴、腹式呼吸の意識し過ぎて
・ビブラート、情感を込め過ぎ
を気をつけてみてください。「過ぎたるは及ばざるが如し」です!

Q82.
合唱初心者の高校生です。アルトなのですが、裏声と地声の境界付近の音でいつも声がひっくり返ってしまい、上手く出せません…。拙い質問で申し訳ないのですが、裏声と地声の境界がないように歌うにはどうしたらよいのでしょうか。

A.
姿勢や支え(歌うのに必要な筋肉の緊張)は様々な発声の状態に影響を及ぼします。首から肩の筋肉や胸骨の位置が裏声と地声をつなぐことに影響します。
①胸骨を比較的高く保つ(背筋を伸ばす、肩を引く、肩甲骨を近づける)
②首にエネルギーをかける(ウイダーinゼリーを最後まで吸う時の首、肩の緊張を感じる)
③鼻をふさぐ(鼻に息が抜けるとひっくり返りやすくなります)
④上記の①+②+③をしながら、ギー、ウィーなどで地声の最低音から頭声の最高音までグリッサンド(サイレンのモノマネのように)で発声練習してみてください!

首や胸を脱力したり、腹式呼吸や鼻腔共鳴を意識したり【しない】のが一番のコツです!

Q83.
ものすごく初歩的なことかもしれませんが、顔の表情がうまくつけられません。目や口は開いているのですが、他の人と全然違う顔になってしまいます…
頬骨を上げようとすると唇が四角になってしまうんです。自然な表情をつけるためにはどうしたらいいでしょうか。

A.
目的と手段が逆になっていないか確認しましょう!実現したい音楽があって、その音色を実現するために表情筋が動くのです。
音楽に対して心を動かす。ソルフェージュやリトミックなどで音楽情動を心と身体で感じるトレーニングをしてみてください!

Q84.
混声出身のテナーです。
例えば、団体Aで同志社グリーのような柔らかく冴え渡る発声を、団体Bで真逆のベース寄りな力のこもった重い発声を並行して使い分けるということは理論上可能なのでしょうか?

A.
可能ですが、表面的に発声を使い分ける感覚だと、よほど器用か、ノドが強くないと発声に不調を覚えるようになるかもしれません。特定の音色を目指すより、自分の身体と声という楽器にとって生理的・音響学的に理にかなった音色を目指したほうが、結果的に守備範囲の広い声の技術が身につくと思います。

Q85.
hiDより上の音の響きの位置は良いので、そこから下の音の響きも同じように高い位置に保って、と言われることが多いです。しかし、響きを上にと意識すると喉が閉まったり逆に響かなくなったりと逆効果です。意識する点が近すぎるのでしょうか?何か改善策はありますか?

A.
特定の音高には其々相応しい口の開き具合があります。原則より高い音はより口を開き、より低い音は口を閉じ気味にすると共鳴しやすくなります。ご質問内容からすると口を開けすぎていると考えられます。①低い音は、より口を閉じ気味にする②頬の表情筋を挙上して暗くならないようにしてみてください!

Q86.
よくイメージとして「声を当てる」というものがありますが、これの注意点を教えて頂きたいです

A.
主観的な「声の置き場所・当て場所」を比喩的な誘導で意識させる指導は、主観的な感じ方は人によって非常に違うため、すぐにコツをつかむ人がいる一方で、なかなか習得できないもいます。

Q87.
高い音から、急に1オクターブ下がる時、どういうことを気をつけたらいいでしょうか。
緊張感がなくなってしまう感じがします

A.
①胸の位置を比較的高く保つ
胸の位置が下がると横隔膜が緩んでしまいます。
②降りた音は、口を少し閉じ気味にする
口の開け具合いは、「より高い音はより口を開け、より低い音は口を開け過ぎない」という原則があります。
③体幹の緊張を保つ
つま先立ちや、片足立ちして歌ってみてください。


Q88.
合唱、ソロ問わずどんな声が好きですか?

A.
ひと声聴いて、すぐにどの合唱団だかわかる声、ソロであればすぐに誰だかわかる声が好きです。

Q89.
日本語も外国語も、i母音が奥に引っ込んで暗くこもってしまいます。舌の位置など色々試したのですが、明るさがでません…

A.
善かれと思ってやっていることがやり過ぎになっていると思われます。いつも指導されていることのわざと逆をやってバランスをとってみてください。たとえば、わざとのど声にする、のどを開けようしない、響かせようとしない、鼻に息を抜かない、口を横に引く、腹式呼吸しない、などです。

Q90.
失礼します!大学でテナーをしてる者です。
僕は演劇部と兼部していて一度役者をやらせて貰ったのですが、その時演劇部の練習でお腹の丹田の位置を確認する練習をしてお腹の力を入れる位置と入れ方を変えたら合唱に戻ったとき声に響きがなくなってピッチが低くなり、高音が出にくくなりました。
しかし、低音部の声の出方が安定したというメリットもありました。
高音もキレイに出したり、ピッチを上げたり響きを高くするには何を変えたら良いですか?

A.
丹田を意識しすぎて胸骨が低くなると、横隔膜が早く上がるようになるため、声門で余計に息をせき止めなければならなくなり、ご質問のような症状が出ます。腹壁の固め過ぎも息のせき止め具合いに影響が出ます。丹田への意識は一度置いておいて、むしろ胸骨が下がらないようにしてみてください。

Q91.
私は合唱をやりすぎて合唱声になってしまい、中々声を治すことが出来なくて悩んでいます。このような場合ってどうすれば良いんでしょうか?

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