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偏愛食品#59:ばんばんざいおばんざい(288/1000)

鎌倉駅でおばんざいをお渡ししますよ、なんて聞いた日には。
行くよね~。しかもそれがひなさんだったら行かなきゃソンってもんです。

日南家(ひなや)は赤坂にありました。
記録を繙くと初めて行ったのが2005年10月19日。大学の同級生で赤坂のテレビ局に勤めているY部くんと飲んだとき、連れて行ってもらったんだった。
おばんざいの店で日本酒も珍しいもの美味しいものを取り揃えていて、酒飲み天国みたいな店でした。王祿の微発泡バージョンを飲んだのも日南家がはじめて。おいしかったなあ、あれ。

でまあすっかり気に入って、それからの2年弱で12回訪問してますから、均せば月イチペースでしたね。
大根の一本煮とか、とにかく小粋で美味しいツマミがたくさん出てくるので、頻繁に行っても飽きることのない店でした。

そんな名店が知らぬ間に閉じていて、ひなさんの行方は杳として知れなかった。
ところが4年前のある日、
「10年程前にご愛顧頂いておりました赤坂「日南家」の女将をしておりましたひなです。その節は大変お世話になりまして、ありがとうございました」とメッセンジャーからメッセージが来ました。
facebookの「知り合いでは?」に出て来たそうです。

まあ、なんということでしょう!
古い知人とこうして再び結び合うとは! 21世紀だなあ。

そしてひなさんはこう言います。
「今は〇〇〇に住んでおりまして、「ひなや」と屋号を改め、鎌倉を中心にケータリングをしております。
ホームパーティや企業の交流会やレセプション、撮影スタジオなどなど、様々な場所にお伺いしておばんざいを召し上がって頂いています」
そうなんだ、場所を変えて料理は続けているんだ。
やったー。

その後、「月1ですが、鎌倉で「おばんざいバルひなや」という立ち飲みバルをやっています」と教えていただき、鎌倉六地蔵近くのNという店に夜だけ間借りしてやってる店に行ったのも2016年の夏。

なんだろう、大きな軌道で回る彗星のように、何年ぶりか毎に出会う運命なのね。

そして昨日。
FBで「ヒーナーイーツやります」とご本人がポストしています。
明日、鎌倉近くで届けられるところにおばんざいを届けてくれるそうな。
冒頭でも書いたけど、速攻申し込みましたよ。
するとわずか1時間ほどで予約受付を完了した、との報告。
おお、すぐに申し込んでおいてよかったよかった。

そうして本日。
クルマで行けば三密にはならないからね、大丈夫。
週末の昼前、鎌倉駅西口はこんな塩梅でした。

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だ、だれもいない!(券売機の前にいるけどね)

ロータリーにクルマを止めても他のクルマは入ってこない。どころかタクシーに乗る人もいなくて、運転手さんたちが手持ち無沙汰だったのが印象的です。
いつもならひっきりなしにお客さんが乗るのだろうに。

待つことしばし。
お、向こうから自転車が来るよ。
駅前に止まるなり怪しげな人が歩み寄り、一言二言交わしたあと、なにかを買い求めています。(単に別のお客さんだったんだけどね)
そうか、これがヒーナーイーツか。

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江ノ電も降客ゼロ。
地球滅亡の日みたいだよ。慄然とするなあ。

にこやかなひなさんからいただいたおばんざいは以下の6種類。

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奥の左手から時計回りに、いんげん胡麻和え、茎ひじき煮、キャロットラペ、筍入り信田巻き、だしまき、サバ竜田揚げとなっております。
こりゃ日本酒だね。
酒が進みそう。

そして晩酌。
鰹オイルで冷奴を食べ、おばんざいをつまみながら赤星からの富士大観。

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いや、春の宵に春の新酒、合いますねえ。
ましておばんざいという強い味方がいればいくらでも行けちゃう。
実際このあと一之輔を観つつのみ、ZOOM飲み会を経ながら飲み、結局ちびりちびりと3時間ほども飲んでしまったもの。

ああ、幸せな夜だった。
家飲みもまた善哉善哉。

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