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仲間ログ#86:快気祝いで怪気炎!(427/1000)

入院して手術したよ、と話したら、んじゃあ快気祝いしようぜ、と。
折に触れ飲む活動を連綿と続けている面々。モーニングの集いです。

かつてモーニング編集部で活躍(仕事<酒)していたツワモノどもが、離れがたくいつまでもつるんでいます。
おめでたいときも悲しいときも、なんでもないときも、常に飲む。
たくさん生きているとそういう思い出が堆積して、それはそれは味わい深いものに変容するのでございます。
10年前の笑い話、20年前の失敗談、下手したら30年前の思い出だってあり、どれもこれも十分に発酵しておりますよ。

今や関係する会社のエライ人になったH金くんが新入社員のころ。早稲田にある店の店内で花火をしたことがあります。もちろん相当酔っぱらった夜更け過ぎに。まあそれはどうかと思うけど、店主がいいって言ったからそれはよしとしてください。してもらわなきゃ話を進められないし。
そのうち興がのってみんな歩道にまではみ出していき、H金くんが地面に置いて火をつけるドラゴンを持ち出した。なにを思ったか手に持ったまま「火をつけてください!」というので、誰かが着火したわけです。彼はそれを手にしたまま「アチイ、アチイ!」と歩道を駆け回ったね。放り投げたら危険だと思ったのかもしれません。マジメな男だからな。
その光景は忘れようったって忘れられない。いやほんと、忘れられないよ、実際に見ちゃうと笑。

でまあその大事な思い出を折りにふれアタマの中から取り出して、口々に
「あのときH金がよお~」
「アチイアチイってさぁ~」
「道を駆け回ってさぁ~」
ぎゃははは。
なんて笑い転げるわけです。
十年一日のごとく。
うん、ばかですね。
でも、楽しいんだよなあ。汲めども尽きせぬ笑いの種。
こんなこと書いてる今もにやにやしちゃうもの。

道端の植木の下で寝込んでいておまわりさんに起こされた話とか、街の肉屋を誉めちぎった話とか、尽きることなく話は続く。

ちょっと待ってよ、快気祝いでしょ?
手術の話を聞いてもらおうじゃないか。
心臓の冠動脈は3本あって、そのうちの左前下行枝に狭窄がみつかり、これはアナタ、心臓そのものに血液を供給する血管だから詰まったら心筋梗塞になるんだよ、死んじゃうのさすぐに。と聞けば手術するでしょう~。右手首からカテーテルを入れて、これが血管の中を通るときにぐにゅぐにゅして分かるんだよ。いや、痛くはないんだけどさ。医師が見ているモニターを寝ながら見ていると、造影剤を入れた瞬間に線香花火のように血管がパ~ッと広がって面白いのよ、これが。で、詰まったところに竹輪みたいなわっかを入れて血流をよくする、と。だから今は血の巡りがよくなったから健康健康超健康!

さすがに食いつきがいいので、気分よく話をしてはワインを飲む。

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つまみに貝だって食べちゃう。

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と、このあたり(開始30分ほどか?)まではなんとなく覚えているけど、そこから先はいつものルーティンバカ話を延々と繰り広げたんだろうなあ。もう推測でしかないけど。
なにしろ前回は誰がお金を払ったか誰もわからなくって、翌日それぞれのかすかな記憶を10ピースのジグソーパズルを組み立てるようにくっつけて、なんとか真相に辿りついたくらいだからなあ。

とまあそんなこんなで結局なんのための集まりだったのかもよくわからなくなった我々は、蹌踉と立ち去るのでありました。

飲んだ。話した。笑った。
ま、それで充分だよね。

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