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続きのない話#199:偶然会えティーバッグり!(ビックリ)(670/1000)

教訓:犬も歩けば棒に当たる。人も歩けば望外の幸せに当たる。
やっぱり落ち着いていてはいけないね~と思ったことでありました。

ん?
何を言っているのかって?

今日、会社で内田樹の研究室を読んでおりました。
「日本と世界のこれからを知るための10冊の教養書」。
http://blog.tatsuru.com/2021/05/06_0907.html
日本と世界のこれからを知りたいと切望しているワタクシとしては、どんな本が選ばれているのか気になります。
何冊かは持っていて読んだことがあるけど、当然知らない本も多かった。
タイトルをメモしながら読み進めます。

中の1冊、『主権者のいない国』も興味深い。
「気鋭の論客の最新刊。彼らしい切れ味のよいロジックとレトリックで、近現代日本の統治機構の歪みを腑分けしてゆく。(略)属国的なマインドがどうして形成されたのかについて、著者は火を吐くような言葉で語る。テーマは重苦しいが、文体は爽快である」
ほう、これは読まねばと思って調べたら、弊社刊行物でした。知らなかった~。
社内に弊社刊行物だけを取り扱っている書店があるので、速攻席を離れて書店に向かいます。
棚を眺めていると、背中側にあるレジの方からこんな声が聞こえてきた。

「はやみねかおるって全部ひらがななんです」

ん?
そ、その名前は知ってるぞ。
ご自宅に何度も遊びに行ったことがあるくらい、仲良くしていただいている児童作家のペンネームじゃないですか。
きっと誰かが本を注文したんだろうな、よかったね、はやみねさん。
と思いながら、どんな人が注文したんだろうと思ってお客さんの姿を見に行ったら。
なんと!
なんとそこにはご本人の姿が!

「おやまあ!」
「あれまあ!」
偶然の再会に驚く二人。
そばには担当編集者とはやみねさんの奥様の姿もあり、それぞれご挨拶ご挨拶。

「そろそろはやみねさんがいらっしゃる頃だと思って、ここで待ってたんですよ」(と、口から出まかせいい加減なことを言う私)
「またまたぁ~」(当然そんなことは知っているよというはやみねさん)
「いやホントに。もうかれこれ2年前くらいからここに佇んでいたんですよ」(調子にのってさらに出鱈目を重ねる)
「はいはい」(すでにはやみねさんは呆れている)

「ホントに変わりませんねぇ~」とはやみねさんに誉められて(多分違う)話は続きます。
「ところで今日はなにしに東京へ?」(はやみねさんは離れたところにお住まいなので)
「映画が完成したんですよ!」

ほう。
ついに、ですか。
はやみねさんの著作に、『都会(まち)のトム&ソーヤ』という大人気シリーズがありまして。
https://book-sp.kodansha.co.jp/machitom/
その略称「マチトム」が実写映画になるという話は以前から聞いていました。でも、コロナの影響で公開が延期になった、とも。

それがついに完成したのか~!
「おめでとうございます!!!」
公開は7月30日だそうです。
https://machitom.jp/

「昨日試写があって観てきたんですよ~」と、担当編集者が教えてくれた。
「どうでした?」
「いや、素晴らしい出来でした。文章とはまた違う魅力がありますね」と著者ご本人が絶賛するのですから、内容は推して知るべし。

「私はもう還暦なので、シニア割引でいつでも1100円で映画観られるんですよ!」(どんな自慢だ)
「じゃあ100回ぐらい観られますよね!」
「ギャフン」

そんなやりとりをしていたら、ごそごそ、とバッグの中から出て来たのが煎茶ティーバッグ。
「これ、つまらないものですけどどうぞ」
地元のおいしいお茶をお土産にいただいちゃいました。

「え、いいんですか? 私に会う予定はなかったでしょうに」
「いえ、5年前からここで会うだろうと予想していたので」
「ギャギャギャフン」

映画に関してのさまざまなインタビューを受けているということでしたので、ムダな話ばかりして貴重な時間を奪うのは憚られます。
「いやあ、会えてうれしかった。また、どこかで遊びましょう」
「また遊びに来てくださいね~」
はい、もちろん。
それまでお互い元気でいましょうね~!

こんなふうな思わぬ嬉しい偶然ってたまにありますよね。
風が吹けば桶屋が儲かるように、内田樹を読めばはやみねさんに会える。
きっかけはどのようなものであっても、それをきっかけに動くといいことがあるんだな、と改めて思ったことでした。
人間、落ち着いていてはだめだめ。動かにゃいかんね。


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