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仲間ログ#96:Bookトライブ「春琴抄」のエロさについて(460/1000)

友人たちと本を読み続けております。
一人で読むのとはまた違った楽しみがあるから堪えられない。

一人で二人で三ツ矢サイダー
一人で二人で三ツ矢サイダー
一人で二人で三ツ矢サイダー
と、大瀧詠一がサイダーの歌を歌ってから四十有余年。

サイダーに限らず、本だって
一人で二人でみんなで読んだー
一人で二人でみんなで読んだー
一人で二人でみんなで読んだー
が楽しいこともある。あるんですよ、いやほんと。

同じ本を数人で読んで、それぞれの意見を聴いてみると、自分では考えてもみなかった視点でとらえている人がいます。思いもよらないことを言う人もいる。
みんな違ってみんないい。

それが楽しくてずーっと続けて52回。
今年の春まではみんなで集まって、本の内容にちなんだ料理を作って(もらって)、飲みながらわいわいがやがやと話をしていたもんです。
それが今はリモートで開催しているので、ちょっとさびしい。まあ話が始まればニギヤカになるのではありますが。

今回読んだのは「春琴抄」。
中島らもの次が谷崎潤一郎ですからね。融通無碍なる選書といえましょう(自画自賛)。

ZOOMにぽつぽつと人が集まってくる。
人の感想を聞くのが醍醐味なので、しばらくは世間話でもしていよう。
「最近会社に行ってる?」
「ほぼ行ってないですねー。オンラインミーティングと仕事先への訪問で完了しちゃうんですよ」
「世間と逆行して、週2~3日は来るように言われた~! そのたびにマックを家から会社へ、会社から家へと持ち運んでいるのでタイヘン!」
「出なくても仕事が進む人は出る必要がない、ってルールになってます」
「私はリモートで友人の別荘で仕事してました~」
「その友人を紹介して!」「別荘で仕事したい!」
脱線しながら話ているうちに6人くらいになったので、始めようか。

中学生のころに読んだという女子1名男子2名。
「読み返したらエロくてびっくりしました」
「男子校だったから女性崇拝は当然! と思っていた」
「中学校の図書館にあった名作を片っ端から読んでいて、谷崎に出会った。『刺青』を読んでハマったんですよ」

女性からはエロさを指摘する声が多く聞こえましたね。
「男女や階級の差を逆転させることで、倒錯した愛情が描かれているよね」
「好きあっている者同士が表面に出さないところに時代性を感じる」
「とくに描写がないのに、4人も子どもを産んでいるあたりがエロい」
「句読点や改行が極端に少ないのは、書く行為としてのマゾヒズムだよね」
「飼っている雲雀を放したとき、並んで立っていたのが印象的。それまでは向き合って対峙していた二人の心が寄り添ったように思えた」

また、山口百恵と三浦友和の映画について触れる人も。
「三浦友和が針を目にさすシーンのアップがすごかった」
「パッケージの三浦友和の表情がいいんですよー」

春琴と佐助の関係が、崇拝なのかすべてを自分のものにしたいという欲望なのかと意見は分かれ、それは女性性とか男性性ではなく個性なんだと思う、という考えが述べられ、春琴抄という作品の受容体がどんどん増えていく。
みんないろいろな読み方をしているんだなー。正解も不正解もなく、自分の中で作品との向き合い方を整えていく楽しみ。
これが醍醐味だよねーとモニターのこちらでひとりうなずくわたくし。

さて次々回はなにを読もうか。
みんなで提案してみよう。

オススメ

候補作は、
「太陽の季節」(石原慎太郎)
「いつか聴いた歌」(和田誠)
「星と人間」(ルドルフ・シュタイナー)
「風の男 白洲次郎」(青柳恵介)
「魔が差したパン」(O・ヘンリー)
「行きつけの店」(山口瞳)
「虹いろ図書館のへびおとこ」(櫻井とりお)

この中から12月に読む本として選ばれたのは。。。

今回の参加者は、スカスカ、ミノ、チャラ、マダム、婦長、うっちー、さとなお、ベッカム、コンソメ、長老の10人でした。(来ZOOM順)
ではまた来月~!



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