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仲間ログ#60:中央線の会4「立川」(204/1000)

すべての駅で飲む! ただそれだけを目的に新宿に向かったのは1998年。
アカシアでロールキャベツを食べつつビールを飲んだ12月10日が初日です。

その日から、先輩のO平さんと2人での山手線全駅制覇の旅は始まったのでした。

新宿を起点に内回り方向に1駅ずつ進み、下車。
店に対する嗅覚を研ぎ澄まそうという目論見もあるので、あらかじめ調べたりせずに歩いて店を決める。
飲む。
以上。
いたってシンプルなルールで遂行し、2年後には全29駅を踏破したのでありました。
「おもしろかったね」
「次はどうする?」
早くも新たな目標設定に入ります。

「では、23区内にある地下鉄全駅、はどうだろう?」
「いっすねー」
と気軽にメトロの会は始まりました。

ところで東京に地下鉄は何線あるかご存知ですか?
(という質問を私にされた方多数なので説明は省きますが)
そう、13線ですね。(東京メトロ9線、都営地下鉄4線)

それぞれの線の駅数から、大手町駅のように、丸の内線、東西線、千代田線、半蔵門線、三田線と5線も乗り入れている駅の重複を除き、さらに東西線の浦安駅以東の千葉県の駅など23区以外の駅を除くと、計207駅。
これは2009年2月から2017年3月までかかる壮挙でした(って誰も言わないから自分で言う)。
途中からこの酔狂な遊びに後輩のO野くんとI中くんが付き合ってくれるようになり、最後は4人旅。

「やれやれ、やっとメトロが終わった」
「次はどうする?」
「手近なところで、東京さくらトラムでは?」
「なんだそれ?」
「いえ、都電荒川線のことで」
「なんだいかっこつけちゃって!」
「いや、決めたのは私じゃないので」
「それもそうか、じゃ次からそれで」
「いっすねー」

こちらは三ノ輪橋停留場から早稲田停留場まで30駅。
メトロの偉業のあとでは、なんと与しやすい数であることか。
それにしても「停留場」という呼称がいいですよねえ。風情あります。
2017年5月に取り組みはじめ、2018年7月に早稲田の「志乃ぶ」で終了したから、手際よかったですねえ。あっという間。

「30っくらいじゃものたりないなァ」
「でも適当な線ってなかなかないよね」
「では間をとって東急世田谷線はどうかな?」
「どこが間をとってるんだ! でもまあいいかな」
「いっすねー」

世田谷線はわずか10駅。
我々の経歴と実力からいえばなんてこたァないね、と軽く見積もっていたところ、人生なにがあるかわかりません。
4人それぞれにいろいろなことが起き、2018年8月に始めたにも関わらず、終了したのは2019年7月。なんとかクリアしたのでありました。

「意外に時間かかったね」
「世田谷線の最終回がO平さんの定年だったから、次回もそんな趣向で」
「中央線(東京−高尾)32駅ってのはどうっすか?」
「終わるころにT島さんの定年になるね」
「いっすねー」
いともたやすく決める我々。

そうして「中央線の会」は昨年8月、高尾山ビアマウントから始まったのでありました。(沿革長すぎ)

今回は第4回、立川の巻。
ああ、やはり大きな街。
前回の日野とは違いますなあ、って当たり前か。
ここぞという店を選ぶまで、北口をうろうろ、南口をきょろきょろ。
必ずいい店あるだろうから、すぐに決めちゃあもったいない。

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鰹節屋さんの上に猫がいるのを発見したりして、街を片手に散歩しているような気分にもなります。

うろうろきょろきょろ30分。
「さすがに」
「さすがにそろそろ」
「決めますか」

気になるうなぎ屋さんがあったよ。

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うなぎでくしで湯豆腐にアジフライ。
言葉の並びが美しくも気品ありますね。そそられる。
でもどうやら満席の様子。
ふ~む、ダメだとなると入りたくなるよね。
でもしようがない、もっと先まで探検に行こう。

「ないですなあ」
「ありませんよ」
「やはり、あのうなぎが気になるね」
「うなぎ~!」
「聞くだけ聞いてみよう」

と、5分前あきらめた店に戻って確認してみようと近づくと!
なんと!
入れ違いにお客さんたちが帰るではありませんか。

「お店、空いてますか?」
「あ、今ちょっと片づけますから!」

神はいた。
うなぎ神。
我々の願いをかなえてくれたにょろ。

「うなぎの神さまにかんぱーい!」
「今日は飲むにょろ~」

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お皿と箸入れを見ながら気持ちを高めます。

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うなぎの部位の説明を読むと、自ずと高まるテンション!

まずはうなぎのくしセットを頼まないとね。
くりから・ヒレ・きも・短尺(わさび醬油)・短尺(タレ)が続々と出てくるそうですよ。

そういえば、大井町に立ち食いのうなぎ串の店があったなあ。
カウンターに数ヵ所あるバットに、何種類かのうなぎ串を焼けたそばから親父が適当に置き、客は自分が好きなものを選んで七味を薬味に食べるシステム。お酒は大きな薬缶に直接入れ、そのままコンロにかけて熱燗に。
串が100円と150円、日本酒が100円、といういつの時代だ? みたいな店でした。
30分1本勝負で軽く飲んで1000円札でお釣りがくる店。どこかに行く前にイキオイつけるには最適な店でしたねー。今は普通の着席うなぎ屋になっちゃったけど。。。

まあそんな思い出はともかく。
うなぎ串が続々と出てきたよ。

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くりから。
香ばしくてもにょっとした口当たりがおいしい。うなぎってなぜ山椒が合うんだろう。タレじゃなくてもおいしさ倍増させてくれる。

飲み物を赤星からうまからまんさくに替えて、っと。
やっぱり日本酒で食べたいよねえ、よねえ、よねえ、と皆でうなづきあいつつ。

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ヒレはタレの味を濃厚にまとっていて、こりゃお酒が進みますねえ、ニコニコ。とか言いながら食べております。

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きもはそのほろ苦さと山椒の爽やかさとが相まって、番長と生徒会長との秘めた恋みたいな複雑な味わい(ってどんな比喩だ!)。
そしてまたこれがね、うまからまんさくなわけですよ。

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わさびをつけていただくのも

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タレでいただくのも、やっぱりうなぎはおいしいなあ。
稚魚をオリーブオイルで炒めちゃだめだよね。と日本人カルテットは深く思うのでありました。

いぶりがっこ入りポテトサラダを食べ、おしんこを食べ、旨き鰻巻きも食べ

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はあ、満足。

でも、ここまできたら、やはりうな重食べないと。
しかもこの日まで、2020年スタート記念で肝吸いと漬物がついて2,020円ですよ、うな重。
食べるでしょう~。

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さ、蓋をお取り召されい、さ、ささ。

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じゃーん!

皆、物も言わずに完食したにょろ。
はあ、大満足。

こうして足で探した店を堪能して立川を去ったのでありました。
次は国立。
楽しみだぞ、中央線。


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