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続きのない話#61:餅は餅屋、本棚は本棚屋(289/1000)

棚板に天板と底板を取り付け、溝に背板を4枚、ジョイナーを挟んで挿入。
天地が220センチあるのに、この段階で自立しているよ!

ふと。
家の壁を見ていて思いついた。
「ここにも本棚置けるじゃん!」

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明暗だ、じゃなくて名案だ。
名案だったら名案だ!
文庫本専用にすれば、あの雨後の筍のように床からにょきにょき生えている文庫タワーが少しは低くなるのではないだろうか。

さっそく寸法を測り、最適なものをネットで探してみました。
壁面を有効に使おうと思ったらオーダーするしかないようです。ホームセンターでカラーボックスを買うよりはいささかお高いけれど、薄く(文庫本しか入れないつもりだから奥行13センチ)、高く(天井まで220センチ)、ぴったりな幅(84センチでした)にしたいと思えば、やむを得ない。

文庫を入れるのは10段。
文庫が1冊背の厚さが1センチだとすれば、1段にほぼ80冊、10段で800冊入る勘定。半減はしないだろうけど、まあまあ筍は減るだろう。

注文したのは福岡県大川市にある「本棚屋」さん。
見比べてここがよかったから、という単純な動機ですが、到着してチェックしたらあれこれ凄いよ。

まず、木材はすべてムク。合板ではないので、本の重みに耐えられそう。なにしろ本ってやつは重いからなあ。これでちょっと安心。
さらに、角がすべてRがついているので触り心地が滑らかで気持ちいい。
これなら角に頭をぶつけても怪我しないのでR(あーる)。昭和軽薄体。

そうして作り始めて知る工作精度の高さ。
角がぴったり90度になるので、このように自立します。

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これ、側板1枚の状態ですよ。(もう1枚は手前に見えています)
薄い背板4枚をジョイントで繋いでいるだけだから、これまでの経験でいえば、背板がにょわんにょわんと撓み、こんな風に自立しないですぐ倒れちゃう。それがねえ、こうしてびくともしない姿を見ると感激しますね。

とここで手を止めてメーカーからの手紙を読んでみましょう。
店長から3枚に及ぶ手紙が入っています。私信があるなんて珍しい。
「インターネットを使った『本棚屋』を始めて、約10年が経ちました」とあります。なんでも11年前に工場が閉鎖寸前だったのだとか。あちこち頭を下げて歩いていたとき、
「あんたの持っとる技術は本物やっけん、物作りは絶対に止めたらいかん。一緒に頑張ろうばい!」と言われたそうです。
そうして本棚の専門店が誕生したというお話。
この3枚の熱い物語を読むと、ああ、ここに注文してよかった、と思います。
そうして専門店だからこその、精度の高さと扱う木材の素晴らしさ。
いやほんと「技術は本物やっけん」ですよ。
1時間ほどで組み立てたのがこちらになります。

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ねえ、なんだか素敵でしょう?
さ、さっそく文庫を詰めよう、と思ったら、作り方を適当に読んだせいか棚板と背板を固定する順番を間違えていた。。。
これから気持ちよく使うためには、もういちど全部外して組みなおさないといけません。
あ~あ。やっちゃったよ。

でもまあリカバーできる範囲だから腐らずやり直そう。
このミスは純粋にうっかりさんな私のせいだから、仕様がない。。。
でもこの段階ですら素晴らしい本棚。
本を入れたらきっと壮観でしょうね、ホントに。
ああ、週末が楽しみでR.(昭和軽薄体)

ということでこれから家に本棚を作る予定の方は、本棚屋さんを参考までにご覧になるといいですよ。オススメ。
なにしろ日本一の家具生産量を誇る大川市のお店ですからね~。

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