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仲間ログ#32:日本ペンクラブ「子どもの本委員会」(111/1000)

仲間というのもおこがましいんだけど。
でも大切な人たちなので、書き記しておきたくて。

いつになく殊勝な出だしですね~。
それもそのはず。
才能あふれる方々の末席に名を連ねさせていただいていますという話ですよ。

私、縁あって日本ペンクラブに入会しているんですね。そこはもう、才能の塊がひしめきあっているような集団なんです。

日本ペンクラブは1935年島崎藤村を初代会長として創立されました。
ペンが意味するものは、
P(Poet:詩人、Playwright:劇作家)
E(Essayist:随筆家、Editor:編集者)
N(Novelist:小説家)
なんですが、最近はもうすこし広い才能も加わっています。翻訳家、イラストレーター、映像作家などなど。綺羅、星の如くに。

中には委員会がいくつかありまして、とりわけ活発に活動しているのは子どもの本委員会といわれています。今回はその委員会の話。

委員長のドリアン助川さんが音頭をとって始めた朗読部というものがあり、会議の前1時間、朗読のトレーニングをしています。
やってみると、これが思いの外楽しくって。
どんなメニューかというと。

壁に背をつけ背筋をまっすぐにしてから、簡単な柔軟体操と腹式呼吸の練習、声出し。
滑舌トレーニングとして、五十音を、あいうえお、いうえおあ、うえおあい、えおあいう、おあいうえ、と1文字ずつずらしながら1行ずつ唱和する。
外郎売の口上を全員で唱え、段落ごとに一人ずつ唱える。
ボードレールやタゴールの詩を一部分言葉を抜き、それぞれが思いついた言葉を入れて順番に朗読する。
ブレストレーニングとして、「赤とんぼ」「悲しい酒」「Smile」「帰れソレントへ」「オー・ソレ・ミオ」を全員で歌う。

これでほぼ1時間。
普段使わない筋肉を使って、大きな声を出す。
これが気持ちいいんですよ。やってみてびっくり。
ドリアンさんはプロだから発音も発声も、もちろん歌声もすばらしく、聞き惚れちゃうんだけど、そこに唱和していくのもまた楽し。

と、気持ちがほぐれ空気が暖まったところで、おもむろに会議は始まります。
出席者は20名を越え、会議室の大きなO形のテーブルに人がいっぱい。
どれだけ参加意識が高いかが分かります。委員になっている作家や翻訳家、イラストレーター、編集者が、みなさんお忙しい中にも関わらず、7割以上も出席しているんですから。

議題は、
委員会で作る本の進行について。
「子どもの未来、子どもの本の未来」「子どもゆめ基金助成事業・子どもの本の翻訳」「国際子ども図書館との共催事業・今、世界の子どもの本は?」「3.11企画」など諸イベントの細目の討議。
ドリアンさんが毎年行っている、三宅島の三宅小学校での出張事業について。
国際子ども図書館でも講演会「韓国絵本の世界」の参加者募集、などなど。

きちんと自分の意見を表明することに慣れている方々だから、議論は活発に進みます。ドリアンさんの巧妙な(いい意味でですよ)会議運営によってぱたぱたと様々なことが決められていくので、とてもスムーズに進行していきます。よくあれだけの論客をまとめられるな、といつも感心することしきりです。

で、ほぼそのまま打ち上げに流れ、そこでもまた談論風発、ものをつくっている人ばかりなので、いや話が面白いこと。
骨を折ったことを何回も同じ人に話したことを何回も話す人あれば、学生運動の勢力図のことを教えてくれる人あり、ご両親の思い出を巧みに語る人もあり。25年前の胃がんの手術で最後に薬を内臓に蒔かれたおかげで今でも元気に暮らしている話も聞くことができました。
いずれ劣らぬ愉快な物語があちこちで同時多発しているので、おちおちビールも飲んでいられません。酒じゃなくて話に酔うというのも珍しい体験。

この打ち上げの参加率が90%を越えるのもナルホドです。
愚痴も陰口も嫉みも意地悪も、ネガティブな話はまったくなく、愉快な話がにこやかに交わされ続けているんだから。
年齢的には若手(!)ではありますが、先輩の皆さんがフラットに扱ってくれるところも嬉しきポイント。自由で平等。平和を我らに!

そうして宴もたけなわとなり。
見出しの写真は、お開きの宣言をしているドリアン助川さんとそれを見守るメンバーの図です。

でもね。
こんな楽しい夜をカンタンに手放すのはもったいない。
いつもの有志でいつもの店に向かいます。
気分のいい夜。
いつもの店の前の路上でワインを立ち飲み。

ことここに至っても笑い転げるような話ばかりが飛び交います。
でも、残念ながらどんな話をしていたのかまったく記憶にございません。
飲みすぎ!

信頼する才能ある人たちと語り飲む一夜というものは、得がたいもの。今回も幸せな気持ちで家に帰ったことでした。(よく覚えてないけどね)

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帰り際に撮った写真に写っているのは。
編集者の山岸さん、川辺さん、翻訳家の河野さん、作家の芝田さん、森さん、松原さん。
ありがとうございました、また飲みましょう!

おまけの1ショット

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森さんと松原さんの2ショットを撮っている芝田さん。



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